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王女と悪女

PV数1000突破! ありがとうございます。

この作者はPV数とブックマーク数を吸収して育っていきます。

皆さんこれからも作者と誠一をよろしくお願いします。


4/3 内容を少し変更しました。マリーと誠一の仲を悪化させてみました。

 俺が意識を取り戻したとき目の前に飛び込んできたのは……



 何も見えなかった。真っ暗になっているのではなく、何か柔らかいもので目隠しをされている。て言うか体全体に何かがのしかかっていると言った方が正しいかもしれない。これってもしかして……


 いやな予感がした俺は体にのしかかっているものを両手でどかそうと――


「ん、うぅ……ってあれ!? 如月君!?」

 ――した瞬間、慌てるような声とともに目の前が明るくなった。


 声のした方向を見ると、顔を真っ赤にして制服の上からでも見える豊満な胸を隠す鎌倉さんがいた。


「ああ、鎌倉さん。ここは一体?」

 全てを察した俺はそのことについて全く触れず、彼女に尋ねる。


「え? あ、その、いや……あ、うん! 私もよくわからないんだけど、多分異世界……かな?」


 テンパりつつも答える鎌倉さん。顔を赤くして可愛い。いや何を考えてんだ俺は。


 しかしどうやら鎌倉さんの予想は当たっているようだ。石造りの部屋にクラス35人が全員気絶していることから勇者召喚とやらで……ノスティア王国だったか? に呼ばれたってわけだ。


「多分勇者召喚が成功したんじゃないか? みんなまだ気絶しているところをみると俺たちが一番早く起きたみたいだけど……」


 俺はともかく鎌倉さんは俺が胸を揉ん……体に触ってしまったせいなんだけどな。

 鎌倉さんの声に答えると数人のうめき声が聞こえた。


「ん、う…ここは?」


 リア充浅野をはじめとした何人かが起き上がり、状況を確認する。

 しばらくすると次々に起き上がって、やがて全員が起き上った。


「皆気がついたようだね、確かあの神様は勇者召喚と言っていたはずだ。ならば誰かが来て説明をしてくれるだろう。しばらく落ち着いて待っていてくれ」


 パンパンと手をたたき注目を集める浅野。


「よう誠一、大丈夫か?」

 起き上った大地が聞いてくる。


「ああ、大丈夫だ。説明が来るまで寝てるからきたら起こしてくれ」


 大地にそう答えて壁に寄り掛かる。まずはやらなきゃいけないことがあるしな。ステータス!


【名前】 セイイチ・キサラギ  17歳


【性別】男


【種族】人族


【レベル】1


【生命力】 100


【魔力】 100


【筋力】 100


【防御】100


【持久力】100


【敏捷】 100


【魔攻撃】100


【魔防御】100


【運】300


 ◆スキル


[鑑定lv3]

[偽装lv1]


 ◆エクストラスキル


[強欲の種]


 ◆称号

[異世界を渡りし者]



 称号が増えてるな。異世界を渡し者ってことはおそらく全員が手に入れてるんだろう。これはとりあえず放っておこう。


 ……どうやって偽装を使うんだろうか? スキルを取得した時のように偽物を上から貼りつけるイメージで…


【生命力】 100


【魔力】 100


【筋力】 100


【防御】100


【持久力】100


【敏捷】 100


【魔攻撃】100


【魔防御】100


【運】100


 ◆スキル

なし


 ◆称号

[異世界を渡りし者]


 どうやら成功したようだ。しかし鑑定をlv1にするつもりが消してしまった。

 その後何度か偽装スキルをガチャガチャやってみたが、スキルのレベルを下げることはできなかった。しょうがないから消したままにしておこう。

 

 それから壁にもたれかかって寝ていると扉が開いた。

 扉が開いた方に目をやるといかにも王族です。というオーラが出てる服を身にまとった女性がいた。


「勇者様方、お待たせして申し訳ありません。私はマリー・ノスティアと申します。以後お見知りおきを」


 ノスティア、か。どうやら本当に王族のようだ。年齢は俺らと同じくらいだしおそらく王女なのだろう。


「これはご丁寧にありがとうございます。自分は勇者の一人、浅野亮……いや、リョウ・アサノと申します」


 爽やかなイケメンスマイルを浮かべて握手をする亮。これが持つ者の余裕という奴だろうか。


 一瞬王女が顔を赤らめたような気がしたがすぐに表情を戻し


「突然で恐縮ですが、説明に入らせていただいてよろしいでしょうか?」

と言って説明に入った。


 話によるとこの世界には魔王がいて、大昔に魔大陸という所に封印されたらしい。しかし、最近になって魔王の封印が弱まっているのが確認されたらしい、魔王が復活すれば、魔大陸から人間のところに攻めてきて世界が滅亡してしまうらしい。そこで魔王を俺たちに倒してくれ、と言いたいわけだ、まあよくある話だな。小説の中でだけど。


「ふざけるな! お前らの都合で俺たちは召喚されたのか!? 元の世界に返しやがれ!」

 やっぱり異世界に行っても馬鹿(二宮)は馬鹿のようだ。確かに召喚されたのはこの国の都合だがこいつらが召喚してなかったら俺たちは草原で野垂れ死にしてたかもしれないんだぞ?


「申し訳ございません勇者様方。これは完全に我々の問題です。しかし世界を救うにはこれしか方法がないのです。しかし伝説によると魔王を倒せば元の世界に帰れるそうです。どうか、どうかこの世界を救ってください」

 目に涙をためて訴えかける王女(マリー)

 

 ……でもこれ、嘘泣きだな。こいつの事は王女マリー改め悪女マリーでいいか。


 魔王を倒せば元の世界に帰れる? んなわけないだろ。どういう理屈だ。そもそもこの勇者召喚は俺たちの世界か呼んだんじゃなくて、神の作った道から無理やり持ってきたんだろうが。どこの世界の住人かも分からないのに送り返せるわけない。


 まあそれだけなら伝説だし王女も知らなかったで済むかも知れないが、それだけじゃない。


 俺だって伊達に嘘泣き鑑定士一級(自称)を持ってるわけじゃない。あの女浅野目をそらした隙に、チラリと後ろにいる俺たちのほうを窺ってきやがった。何を考えているのかまでは知らんが、少なくともろくなことじゃないのは分かる。


「二宮! こんなお嬢さんを泣かせるな! すいませんマリーさん。あいつは召喚されたばっかりで気が動転しているんです」

「いえ、非難されて当然のことをしたので。……それで、魔王討伐を引きうけていただけますか?」


 上目づかいで浅野に聞いてくる王女。嘘泣きで上目づかいをする奴は99%嘘泣きをし慣れてる奴だ。ソースは俺、妹の嘘泣きで鍛えられた鑑定眼はごまかせないぜ。


 頭の中でドヤ顔をしていると、浅野が衝撃の返答をしやがった。


「ええ、もちろんです。この世界の危機ですからやらないわけにはいかないでしょう」


 ……はっ? なんでこいつは勝手に決めてんの? クラスの事を独断で決めるわけにはいかないとかいってた奴は誰だったの? それともこいつはクラス全員の総意だとか思ってんの?


「皆もそれでいいよな?」


 俺が呆然としていると、正義感(笑)が強い浅野くんがこちらに向かって聞いてきた。なんで事後承諾なんだよぶっ飛ばすぞ。


「まあ浅野が行くならしょうがないよな」「浅野くんが行くなら怖いけど私もついていきたい」「浅野くん一人をそんな危ない所に行かせるわけには!」「浅野一人にかっこいい所見せらんないしな!」


 皆反対するだろうと思っていたが、なぜか皆予想以上に乗り気だな。特に普段から浅野の金魚のフンみたいについている連中が主人公気取りながら参加しようとしてる。何なの? バカなの? 死ぬの? もしかしたら本当に死ぬかもしれないのに?


「如月君……怖いけど、頑張るしかないよね!」


 我らがマドンナ鎌倉さんも行くつもりのようだ。


「……まあそこまで言われたら行くしかないか」

 馬鹿(二宮)まで参加する発言をしやがった。こいつ鎌倉さんについていきたいだけだろ。


 向こうでは大地も行くつもりのようだ。というよりクラスの連中は全員やる気満々だ。


「マリーさん。俺たち全員本気です。必ず魔王を倒してみせます!」

 涙目のマリーを安心させるように浅野が言う。その自信はどっから来るんだ。


「ありがとうございます! ありがとうございます!」

 途端に笑顔になり何度も頭を下げる王女。一瞬俺でも本心なのではないかと思わされる。


 異世界物の小説とかだと、王侯貴族共は欲にまみれた大嘘つきばかりに書かれている事が多いが、もしかしたら当たっているのかもしれないな。


 ふと、俺はあることを思いついた。うまくいけばここで化けの皮をはがせるかもしれない方法を。


「おい待てよ、俺は別に協力するなんて一言も言ってないぞ。それに今回は二宮の言うことも一理ある」


 出来る限りこいつの事を挑発してボロを出させれば、この城から抜け出す大義名分が作れる。もし抜け出すところまで行かなくても王女への牽制ができるだろう『何を企んでるのか知らんが、俺はお前のことを見張っているぞ』と。


「申し訳ございません。しかしこの世界の危機で、こうするしか方法がなくて――」

「は? お前らは自分の世界が助かればそれでいいのか? 何の関係もない人間を勝手に呼び出して戦わせた結果死んでしまってもかまわないのか? いや、それどころかお前らがこの世界に俺らを連れてきたせいで。向こうの世界が崩壊する可能性だってあったのにそれを考えなかったのか?」


 おそらく最初に用意していたであろう言い訳を遮って責め立てる。


「そもそもお前は本当に俺達に申し訳ないと思っているのか? 本当はさっき泣いてたのだって演技だったんじゃ――」


 『演技』と言った瞬間王女の肩がピクリと動いた。もっと良く観察しようとしたが途中で視界が遮られた。


「如月! なんてことを言うんだ!」

 浅野が胸ぐらをつかんできたのだ。そのまま壁際に押しつけられ空気が灰の中の空気が漏れる。大事なところで邪魔しやがって。


「チッ」

 俺は舌打ちをして浅野に背を向けて戻っていく。実のところは浅野が止めに来るのも計算済みだ。これでいい。


 最後に王女を睨むように目を合わせて……って怖い怖い怖い怖い! なんかめっちゃ睨んできてるんですけど!? なんていうか、殺意がこもっていると言った方が正しいのだろうか。


 あんな目を向けられるのは以前妹のパンツを被っているところを目撃されたとき以来だ。あのときは本当に死にたくなった、と言うか死んだ方がマシと思える目にあわされた。あれ? それと比べれば大したことないんじゃね?


「如月は口ではああ言ってるけど本当はいい奴なんで許してあげてください」


 どうやら浅野がフォローしてくれているようだ。フォローの仕方おかしくね? それじゃただのツンデレだろ。


 だが俺もこのまま一人だけ城から追い出されると困るので、ついカッとなった。等と言って頭をさげておいた。


 これだけ言っておけば王女も警戒していきなり変な行動を起こすこともないだろうしな。

王女マリーさんが悪女に……こんなはずじゃなかった。

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