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転送と加護

これでダンジョン編は終わりです。

「さてと、じゃあそろそろ君をダンジョンの外に送り返すとするよ」


 質問の後に雑談などをしてゆっくりくつろいだ後、タナトスが俺にそう告げた。


「そうか、助かる。俺もそろそろ帰りたい。仲間と合流もしたいしな」


 俺もそれに同意して立ち上がる。それを見たタナトスも立ち上がると隣の部屋のドアを開けてこちらへ来いと手招きをしてきた。


 俺がそれについて行くとそこには祭壇のようなものが中央にあるだけの小さな部屋だった。


「ここは?」

「ここが君を送還させるための装置みたいなものだね。普通に送るだけならもう少し簡単な方法でもいいんだけど君には加護をはじめいくつかの特典を渡しておきたいからこちらを使わせてもらう」


 どうやらここはダンジョンの外に転送させるための装置のようだ。ついでに加護を与えてくれるらしいが他の特典ってのはなんだ?


「ああ、他の特典についてはダンジョンの試練を乗り越えた者への褒美ってところかな。【魔法と魔族を司る神】としてそのくらいは上げないとね」


 タナトスが何でもないように言う。だが俺にとってはかなり問題になる発言が見て取れた。


「魔法と魔族を司る? 魔神ってそういう意味なのか?」


 神なんだから何かを司る的な神なんだろうとは思っていたがてっきり魔法の神だと思っていた。まさか魔族をつかさどる神とはな。それってつまり魔王とかよりも上の存在ってことだろ? 一応俺も召喚された以上「勇者」の括りに入っているはずなんだがそこのところいいのだろうか。


「まあね、これでも昔は凄かったんだよ?……これでよし、いくつかのスキルと加護が転送時に君の魂と融合してひっつくようになってるから後で確認してみてね」


 期せずしてチートを手に入れてしまったのだろうか。一応俺も飛ばされる前に何かチートっぽいスキルもらってたと思ったけどな。


 しばらくするとタナトスの方も準備ができたようで祭壇の上に立つように言われる。


「それじゃあここでお別れかな。もしかしたらまた会う機会があるかもしれないね。なんたって君は……いや、あんまり言わない方がいいかな」

「ん?」

「いやいや、こっちの話」


 何やら呟いたようだがまあいいだろう。所詮俺ごときには神の考えることなんて分からないし。


「短い間だったが楽しかったぜ。ありがとな」


 俺がそう言うとタナトスは笑顔で手を振ってくれた。爽やかイケメンスマイルである。


 それと同時に祭壇が光り出して視界がぼやける。どうやら転送が始まってようだ。


 俺の感覚がどんどん薄れて行く中でタナトスの声が頭の中に直接流れ込んでくる。


「それじゃあ誠一くん。また会う日まで。…………あ――」

「おう! …………え?――――」


 何かあったのか? そう聞こうとしたところで俺は一瞬だけ意識がブラックアウトした。



**********



「――あ、座標指定変えるの忘れてた」


 その魔神の呟きは誰の耳にも入らなかった。



**********


“【魔神の加護】を取得しました”


“【魔神の加護】の効果が発動します”


“全魔法スキルのレベルが1上昇しました”


“【魔力操作】のレベルが最大になりました”

“条件を満たしたため【魔力操作】が【魔力感知】と統合され【魔力支配】へ進化しました”


“【水魔法】のレベルが最大になりました”

“条件を満たしたため【水魔法】がエクストラスキル【水精魔法】へ進化しました”


“【最適化】スキルを獲得しました”

“【空間魔法】スキルを獲得しました”

“【魔法陣魔法】スキルを獲得しました”

“一部のスキルのレベルが上昇しました”


“【魔神の加護】が【←%&$!】と共鳴しました”

“【←%&$!】が暴走します”

“【←%&$!】が【邪%&$!】へ――”


“『$%?⇔&』からの介入がありました”

“【邪%&$!】の暴走が『$%?⇔&』によって鎮静化されました”

“【邪%&$!】が【←%&$!】へと変化しました”

“『$%?⇔&』による精神への干渉が起こります”



**********



 何も見えない真っ暗な世界。そこにいる少年は豪華な椅子の背もたれに寄り掛かり疲れたような仕草を見せる。


「――ふう、いきなりの事に焦ったけどなんとかなったね」


 その声に反応するかのようにいつの間にか横には二人の男女が横にたたずんでいる。


「よろしかったのですか? 『あれ』を無理やり押さえ付けるような真似をして」


 二人のうち女性の方が少年に尋ねた。


「無理やり押さえ付けるのはあまり得策では無かったけどね。あのまま『あれ』を暴走させていたら彼の体が崩壊していたよ。せめて【花】を咲かせるくらいにならないとあの力を使いこなす事は出来ないからね」


 少年はそれだけ言うと椅子から立ち上がった。


「彼には死んでもらうと困るからね」


 その言葉と同時に男性が腕を振ると次の瞬間には三人の姿は跡形もなく消えていた。


 やっと第三部的な所までたどり着きました。


 暫く更新はお休みです。余裕があれば閑話的なものを載せるかもしれません。

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