表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/128

試練とボスラッシュ

 最近執筆をサボって遊んでばっかりな気がしたので久々にちゃんと書いてみたり。短いですけどねっ。


2015/06/17

主人公のレベルアップの描写を追加しました。

 俺が歩き始めて20分ほど経った。ちなみに5分たった辺りから面倒臭くなってサイクロプスの上に乗っている。とても便利な乗り物すぎて太りそうだ。


 スキルや魔法を使いながら周りを探索していると、一か所だけ草の色が濃い部分を見つけた。


 【魔力感知】で調べたところそこだけ魔力の濃度が周りの数倍になっているので最初は罠かと思ったが土魔法で地面を掘り返してみても魔法陣が埋まっているわけでも竹やりが仕込んであるわけでもないようだ。


 スキルの方にも怪しい魔力の流れは感じ取れないのでそこに入る。すると最初は半径5mほどだった緑の濃い部分が広がって行き、半径30mほどの大きさになった。


「なっ!?」


 いきなりの事に驚く俺だがそれだけでは終わらない。緑の濃い草と普通の草との境界線に沿って、円柱型の結界が張られたのだ。


(なんだこれ!? さっき確認した時には罠なんてなかったはず……上か!)


 俺が上を見るとそこには太陽と共に輝く魔法陣が光っていた。これはさすがに予想外だ。


 すぐに端まで行き結界を殴りつけてみるがびくともしない。地面を掘りかえそうとしたが、しっかりと地下まで結界が張られていた。そんな対策までしてくれなくてもいいのに。


 すると今度は地面いっぱいに青く輝く魔法陣が現れる。何て書いてあるのか分からないが、少なくとも俺が図書館で見た魔法陣とは全くの別物だ。このダンジョンは古代の物説が強くなったな、と余計な事を考える。


 魔法陣は一瞬だけ強く輝くと消える。そして中央には人型の魔物、ソードオーガが立っていた。

 しかしそのレベルは140で変異種では無いただのソードオーガ。昔の俺なら死ぬ気で戦っていただろうが今の俺の敵じゃない。


 俺が出るまでもなくサイクロプスが動いた。角から火炎放射を吹くとそのままソードオーガに接近、ワンパンで仕留めてしまった。

 その時に角から炎を噴き出したまま動いたので自分ももろに炎を食らっていたが【火炎耐性】のおかげか気にもしていないようだ。


 ソードオーガを倒し終えるとサイクロプスが俺の下へ戻ってきた。そういう仕様なのか、それとも俺じゃないから運のステータスが反映されなかったのか、ドロップ品は無かった。


 俺がサイクロプスをねぎらってやろうとすると再び青い魔法陣が浮かび出す。


 すると今度は鎧を着た骸骨が数体。確かスケルトンキングとその取り巻きのスケルトンナイトだったはずだ。

 またサイクロプスが動いて一撃で吹き飛ばして行くがバラバラに別れた骨が再び並んでいき再生していく。それを見たサイクロプスはスケルトンキングたちの頭蓋骨を潰していった。


 すると先ほどまで動いていた骨が全てバラバラになり消えていった。


 残ったのはスケルトンキング・ナイトの通常ドロップの骨だけ。どうやらドロップはするようだ。


「これって確か今まで戦ったボスたちだよな? という事はこれってボスラッシュって奴か?」


 俺は一連の様子を見ながら推測する。今までで戦ったボスはこいつらのほかにはあと一体だけだ。それが終わったら解放されるのだろうか。


 俺は骨を持ってきたサイクロプスの背中に飛び乗って頭をなでてやると次は後ろに下がっていろと命令する。これが本当にボスラッシュだったら次の敵はサイクロプスだけでは苦戦するだろう。決して活躍が無かったから戦いたいだけでは無い、決して。


 すると再び魔法陣が青く輝く。光が強くなると同時に俺は魔法を発動させる。


「『アンチマジックフィールド』『光壁(ライトウォール)』」


 魔法陣の輝きが消えると、そこには紫のマントを着た幽霊……いや、死神? が立っていた。

 とはいっても俺の魔法に阻まれてこちらにこれないでいるのだが。


「ウググググッ!」


 相手も必死に壁を壊そうとするが、多分今の俺の結界ならばあと20秒くらいは保つはずだ。


「やかましい! こっちはお前の相手なんて御免だ!」


 俺は相手に向かって叫ぶ。何といってもこいつには腕を斬り落とされた事があるのだ。


[リッチロード lv240

生命力 7,000/7,000

魔力 40,000/40,000


 ◆スキル

[魔力操作lv7]

[闇魔法 lv6]

[火魔法 lv5]


 ◆固有スキル

[再生lv3]

]


 こいつは主に闇魔法を得意として、影の中にもぐりこんだかと思うといきなり後ろに現れて手に持った鎌で襲い掛かってくるというとても危険な奴だ。視覚や聴覚が全く役に立たなくなる以上ほぼ【魔力感知】だけで戦っていたのだが最終的に腕を捕えられてしまったのだ。


 切れた俺は当時一番強力な光魔法をぶっ放した上で、大量の『爆発(エクスプローション)』という魔法を連続で使ってドロップ品ごと消し飛ばしてしまったという過去を持つ。こいつのおかげで【再生】スキルがかなり上がった、ふざけんな。


 そんな経験(トラウマ)から先手必勝で結界魔法と光魔法を使用した壁の中に閉じ込めてしまった。


「とっとと終わらせるぞ…… 闇に生きる者よ 神に仇為す者よ 神の裁きを受けよ 愚かな反逆を止めん 『天罰』」


 俺はオリジナル魔法『天罰』を発動させる。空中から光の筋が真下に降り注ぎ傍から見ると火柱が立っているかのようにも見える。


 余談だがこの技、俺の使う魔法の中でもトップ3に入るほど威力が高い。しかもこれより強い魔法は詠唱が今の5倍くらいの長さがあり、とてもじゃないがソロで戦う時に使える魔法じゃない、なので実戦レベルの魔法ではこの魔法が一番高威力だと言えるだろう。


 光の柱は数十秒ほどすると消えた。実はこの威力の魔法は帝級に匹敵するのだが俺には知る術がない。


 そしてそれほど威力のある魔法を受けても死なない存在というのが自分の規格外さを気付きにくくしている原因でもある。

 リッチロードは満身創痍になりつつも生きていた。俺は光魔法の『光弾(ライトショット)』を放ってとどめを刺す。リッチロードは光の粒子になって消えて行った。


“レベルがアップしました”


「なんか無傷で倒しちまったな……前の苦労は何だったんだって感じ……まあラノベの世界じゃないんだからどんな勝ち方でも勝ちは勝ちだしな!」


 戦っている側は生きるか死ぬかの戦いなのだ。ぎりぎりの戦いなんて危ない物は全力で避けるし、安全策がとれるならそれが地味なやり方でも実行する。それがこのダンジョンで学んだ。安全が確保されていない戦いを経験しなければ分からない事もあるという訳だ。もちろんそんな戦いなんてしないのが一番なんだがな。


 脳内で恰好を付けるとドロップ品に目を移す。落ちていたのはリッチロードが身に着けていたマント、確かにこれなら火魔法で消えてしまう。


 横にある魔石を拾うとサイクロプスの下に戻り、結界が解除されるのを待とうとして――木刀を構えた。


 俺がフィールドの中心に向けて木刀を構えるのと同時に空中と地面に魔法陣が敷かれる。今度のは青ではなく黄色だ。


「なんだ? ボスはもう全部倒したはずだぞ? 今度は何が……」


 ほとんど独り言のように呟いた俺の言葉に反応するように黄色に輝く魔法陣が強く光り消えていく。そしてそこにいたのは――


 ライオンのような鬣に蛇のような尻尾。さらによく見ると胴体は山羊のようにも見える。

 何よりその大きさ。ただでさえ大きいソードオーガと比べても倍はある巨体に圧倒されてしまいそうになる。


 地球ではギリシャ神話にも登場するその魔物――キメラだった。


 例のあいつはキメラさんでした。

 どうしてもダンジョンに入ってから戦闘ばっかりに……あと5話くらいでダンジョン編を終わらせられたらいいなあ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ