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告白と夜這い

深夜のテンションで書いてしまったのでおかしな所があるかもしれません。

 大地の部屋に入った俺は服を受け取る前に大地と話す事があった。


「なあ大地、そう言えばお前に俺のステータスって見せてなかったよな?」

「ん?ああ、そう言えばそうだったけど……大して俺達と変わんないんだろ? 鑑定が無いくらいじゃ戦闘には響かないって」


 俺がステータスの話をしようとすると大地は俺を慰めるように言ってきた。これはもしかしなくても鑑定がない落ちこぼれだと思われてるよな。もしかすると鎌倉さんとかも俺に気を使って言わないでいてくれたのかも知れない。自分で隠したせいとはいえあそこで王女がばらさなければこんなことにならなかった事を考えると腹が立つ。


「ああ、その事も含めてまずは俺のステータスを見てほしい。もちろん他言無用で頼むぞ?」


 俺は大地が頷くのを確認してからステータスを出して大地に見せた。本当のステータスを誰かに見せるのは初めてかもしれないな。



【名前】 セイイチ・キサラギ  17歳


【性別】男


【種族】人族


【レベル】11


【生命力】220


【魔力】 210


【筋力】 230


【防御】200


【持久力】210


【敏捷】 210


【魔攻撃】210


【魔防御】160


【運】300


 ◆スキル


[鑑定lv5]

[偽装lv3]

[剣術lv2]

[水魔法lv2]

[魔力操作lv2]

[土魔法lv1]

[無魔法lv2]


 ◆エクストラスキル


[強欲の種]


 ◆称号

[異世界を渡し者]



 このステータスをみた大地は絶句していた。そりゃそうだろう。まだ皆はスライムやゴブリンとさえも戦った事がないので経験値が得られないし必然的にレベルも低くなる。その中で俺のステータスは異常に映るのだろう。


「おお、やっぱすごいな誠一は……おまえはやっぱり異常だよ」


 大地が俺に向かって言ってきた。あれ? 思ってたより驚いていないように見える。


「意外と驚かないんだな」

「これでも十分驚いてるよ。それにこの間おまえはlv90のスライムとか言う奴を倒したんだろ? それならレベルが上がっててもおかしくはないしな。俺はむしろ運とスキルの数にびっくりだよ。そもそも何で鑑定を持ってるんだよ。しかもレベル5って俺より高いじゃねえか」


 そう言えば確かにこいつにはスライムを倒した事は言っていたな。強欲の種も見せちまったしステータスについては全部解説しておくか。


「ああ、お前の言うとおりスライムを倒したのと(ボロ屋)の周りに集まってくる魔物を狩ってたらこのくらいにレベルが上がった。スキルについてはあれだ、簡単に言うと隠してた」

「なんでわざわざそんなことしたんだよ? そんなことしなければボロ屋に住みつかずに済んでたかもしれないぞ?」

 

 俺に聞いてくる大地。今思うと馬鹿な事をしていたんじゃないかと思う。別に鑑定レベルの1や2なんてすぐに埋まる程度の差なんだから隠す必要が無いんじゃないかと思えてきた。


「実は向こうの時点で鑑定のレベルが3まであってな、それを隠そうとした結果がこうなっちまったんだよ」


 その後も俺は説明した。鑑定のレベルを隠すために偽装スキルを手に入れた事。鑑定のレベルと偽装スキルを入手したおかげで神からご褒美をもらった事。そのご褒美が『強欲の種』とこの運のステータスである事。こちらに来るまでの事をすべて話した。


「なるほどな……で、その事は鎌倉さんにも言ってないのか?」


 腕を組みながら聞いていた大地が唐突に意味のわからない事を尋ねてくる。結衣が出てくるんだ?


「だからこの話はお前しかしてないっての。ステータスの事も、スライムの事も、スキルの事もな。そもそも何で結衣が出てくんだよ、今彼女は関係ないだろ?」


 そう聞き返す俺に大地はやれやれといった風に溜息をついた。


「まあお前の事だからそうだろうとは思ったがよ……鎌倉さんにはこの事を伝えるつもりないのか?」

「まあな、あんまり人にホイホイ話せるような内容じゃないし、彼女には変な心配かけたくないからな。俺なんかのことも気にかけてくれてるみたいだし」


 まあ鎌倉さんはクラスのマドンナと言われているほどだからな、心も綺麗なんだ。きっと綺麗なジャイ○ンよりもな。


「いや、気にかけてるって言うよりも……まあいいか。ならこの事は誰にも言うなよ? 鎌倉さんにも、神田さんにも、浅野や二宮にも、もちろん王女様にもだ」

「そんくらい俺でもわかるよ。心配すんな」


 その後はまた大地に服を貸してもらいボロ屋に帰って行った。明日は初めての魔法の授業だし今日は早いとこ寝ておこう。

魔法の先生はたしかセ……セー……セブルス? いやそれはスネ○プ先生か。確かセリスだった気がする。どんな人かは知らんができれば王女に変な事を吹き込まれて真に受けてない人がいいな。あの王女(マリー)、俺が落ちこぼれだって広めてるらしいし。


 そんな事を思いながら俺は眠りに着いたのだった。




―――結衣SIDE―――



「結衣、こっちよ」

「待ってよ鈴ちゃん。はやい~」


 私は今夜中の王城を忍び足で歩いている。何でこんなことをしているのかというと……


「早くしなさい結衣、如月くんの部屋はもう目の前よ!」


 そう、誠一くんに夜這いを仕掛けるためだ。あの後、鈴ちゃんが誠一くんを尾行してくれた結果、部屋に入っていくところを見たそうだ。


「いい? 私が鍵を開けたら(ピッキング)私の合図で突入よ?」


 さらっとすごい事を行ってピッキングを始める鈴ちゃん。何この娘怖い。


「空いたわ。三、二、一……GO!」


 鈴ちゃんの合図で私は突入――と言っても誠一くんを起こさないように静かにだが――してベッドに向かう。鈴ちゃんの作戦ではこのままベッドに飛び込むのだが……何か違和感を覚えた。


「……誠一くんの匂いじゃない?」


 私が図書館でこっそりと嗅いだ誠一くんの匂いと何かが違う。普段なら気づかないかもしれないが夜這い直前の興奮した状態の私なら判別がつく。誠一くんの匂いを間違えるはずがない。むしろ今ならだれと会ってたのかも分かる気がする。


「どうしたの結衣! 早く行きなさい!」


 部屋から物音(嬌声)が聞こえてこない事に疑問を持ったのか鈴ちゃんが扉の隙間から呼びかけている。いや行くとしても見られてるといろいろとヤりづらいんですけど。


 そんな事を思いながら戸惑っていると誠一くんが寝がえりを打って顔をこっち側に向けて――と思ったらベッドで寝ていたのは野本くんだった。


「ふぇっ?」

「えっ?」

「んっ?」


 その瞬間、疑問の声が三つ(・・)聞こえた。一つは私、まあ当然だろう。好きな人だと思ってた人が違う人だったら驚く。ましてや夜這いを仕掛けようとしてたのだ。それはもう心臓が止まるくらいに驚いた。


 二つ目は鈴ちゃん。私の声を聞いて思わず疑問の声を上げてしまったようだ。


 じゃあ三つ目は? それはもちろん……


「何やってんの?」


 私を馬鹿(変態)を見る目で睨んできた野本くんだった。


 どういうことかと後ろを振り返るとすでに鈴ちゃんはいなかった。しかもご丁寧に扉が閉められている。


「え?あ、あの。ちょっとその……」


 その後私は一人で野本くんのお説教を受ける羽目になったとかならなかったとか。


タイトルだけ見ると完全にラブコメですよねこれ、でも残念。(大地に秘密を)告白と(勘違いの)夜這いです

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