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神様とステータス

最初は2話まで同時投稿する予定だったのですが投稿する前に大幅な修正をしたため遅れてしまいました。



 突然の放送に驚く生徒たち。


『ん? あぁ、ごめんごめん。音量の設定を間違えたよ』


 我に返った生徒たちがとなりの席の人と顔を見合わせ始める。


 あれ? それにしてはなんていうか……こう、ざわざわ感? っていうものがない。驚いているように体を動かしてはいるけど、誰とも話していない。


『あぁ、一々騒がれると面倒くさいからね、一時的に喋れないようにさせてもらったよ。これから説明するのに一々ざわざわされたら話が進まないからね』


 みんなが戸惑っているとスピーカーから声が流れてきた。試しに俺も声を出そうとしてみたが声が出ない。声帯が震えてくれないような、奇妙な感覚にとらわれる。


『まずは僕の自己紹介からだね。僕は君たち人間に〈神〉と呼ばれる存在だね。声を出せないようにしているのも、椅子から動けないようにしているのも、全部僕が神だからできること。単純だね』


 なるほど、単純だ。つまり神の力で説明がしやすい環境を無理やり作ったということだ。


 最初に『2年B組の皆さん』と挨拶をしたのもきっと、神の力でこのクラスだけに放送をしているのだろう。実際に自分が動けないからすぐに納得した。


『とはいってもこの衝撃の事実を受け入れるのは少し難しいかな? まあいいや、このまま説明を続けようか。なんと君たちには――異世界に行ってもらいます!』


 な、なんだってー(棒)


 いや、割と本当に驚いている。異世界ってつまりあれか。最近「小説家に〇ろう」とかで流行っているあれか。


 隠れオタでもオタはオタ、俺だってそういうのに憧れたことは何回もある。このケース(クラスごと転移)は基本的に、いじめられっ子がダンジョンに置き去りにされてチート覚醒するのがほとんどだよな。あれ? 俺いじめられてないから覚醒できないじゃん、残念。


 などと割とどうでもいい方向に現実逃避していると、さらにスピーカーから声が流れてきた。


『じゃあ簡単に異世界の説明をしようか。異世界の名前は「ラオスティア」。おなじみ剣と魔法のロマンあふれる世界だね。君たちにはそこでサバイバル生活を楽しんでもらいます。

あぁ、安心して、一応場所は選んであげるから、着いた瞬間すぐに死ぬなんてことはないよ』


 ふむ、つまりその辺のフィールドに投げ出されるわけか。場所は選んでくれると言っていたから、いきなり魔物の群れからスタートなんていう無理ゲーにはならないんだろうが……さすがにその身一つでサバイバルなんてことになったらきついな、なんか特典ないのかな? 例えばほら、『ステータス!』みたいな感じで開いたらチートスキルが……





【名前】 セイイチ・キサラギ  17歳


【性別】男


【種族】人族


【レベル】1


【生命力】 100


【魔力】 100


【筋力】 100


【防御】100


【持久力】100


【敏捷】 100


【魔攻撃】100


【魔防御】100


【運】100


◆スキル


[鑑定lv1]


◆称号


なし




 ……ファッ!?

 いや、今回はマジで驚いた。多分これ動けてたら椅子ひっくり返してたわ、危ない危ない。


 実際は周りからみるとビクンとなっていたんだろうけど、皆あわててこっちなんて見てないから気づかれていないようだ。っと、また神さんがなんか話し始めた。


『今から君たちに選択肢をあげよう。一つは草原に転送される。二つ目は無人島に転送される。三つ目は森の中に転送される。あとで話し合う時間を設けるから皆で決めておいてね。最後に君たちについて説明をしておこうか。一応君たちを転移させなきゃいけなくなったのは、こちら側の責任だからね、簡単に死なないように君たちには特典を与えておいたよ。一つは優遇されたステータス。これは後で(・・)確認してほしいんだけど「ステータス」と念じることによって自分の強さを見ることができるんだ、これはラオスティアの住人全員ができるんだけどね。それはさておき、そのステータスの数値を君たちのは向こうの住人の平均値よりかなり高くしてある。もちろん訓練された兵士たちには及ばないけれど、向こうで訓練を積めば間違いなく強くなれる素質を持っているようにしておいたよ』


 ……ふむ、つまりこのステータスの値とやらは普通だったら大体皆70くらいなんだろう。そこを全ステータス100にしているのは日本人みたいな平和ボケした貧弱共じゃサバイバルとか無理だろとか思われてるのもあるんだろうな。それと微妙に「後で」確認のところを強調してたな、俺のことか。


 そういえばあいつは『一つは』と言ってたな。ということはもう一つは……


『もうひとつは鑑定って言うんだけど……まあこっちの方は向こうで調べてくれればいいか。まあ僕からの説明はこのくらいかな。後はさっき言った通りに転送される場所を選ぶ時間を設けるね。僕の方も転送の準備があるから、一時間ほどどかな。時間になったらチャイムを鳴らすからそれまでにどこにするか決めておいてね。それじゃ!』


 神と名乗る男は放送を止めた。おそらく転送の準備とやらに行くんだろう。ってかまだ動けないし喋れないんだけど。もしかしてあの神ってポンコツ?


『ああごめん忘れてた。今喋れるようにするよ。それとドアを開けようとしても無駄だからね。窓も同じ、壊すこともできないよ』


 ……やっぱ忘れてたのかよ。


 すると縛られている感覚が急に消えた。おそらくもう喋れるようにもなっているだろう。クラスもざわざわしだした。


 あれ? そういえば俺ってなんでこんな冷静なんだろう? 普段の俺だったらあの辺のクラスの連中と一緒に、モブっぽくざわざわしてるはずなのにな……

 まあ冷静に越したことはないだろう。とにかく俺が今やれる事を考えよう。


 確か転送される場所を話し合うんだっけ? とりあえず今は無理だろう。皆パニックになってるし、前にいる大地をはじめとした数人に至っては呆然としてこっちに帰ってきていない。


今回投稿前に大幅な修正を違和感を感じるところがあるかもしれません。気付いたことがあればご指摘ください

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