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アマラ  作者: カナヅチ
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2.日記帳

――父の日記。


○月×日

 妻が出産する。初めての子供だ。男と女の双子だったが、娘の方は出来損ないだったので間引きした。

□月○日

 妻がまた妊娠した。おろせと言ったが、妻は聞かない。何を考えているのか。うちはジャンを学校に行かせてやるので精一杯なのに。


△月×日

 ついに子供が生まれる。間引きをした娘にどこか似ていて気味が悪い。金に余裕もないし、こいつも間引きしようとしたが、妻が張り付いていてできない。アマラ、アマラと俺の話を聞こうともしやがらん。とにかく、次にジャンが帰ってくるまでに何とかしなければ。


×月◇日

 大分ガキが育ってきたので、間引きするのは気味が悪くなった。仕方ないので森に捨ててきてやった。俺も鬼ではないので、妻が作った名前入りのシャツだけは着せてやった。まあ、後は森のオオカミ共が餌にでもしてくれるだろう。

○月□日

 そういえば、すっかり妻も俺もあのガキの話はしなくなった。何年も前だし、どうでもいい事だが。

 そんな事より、遂に来年はジャンの大学卒業だ。俺に似ないで、奨学生になるくらい優秀なヤツだ。きっと医者にもなれるだろう。そうすれば、俺もこんなその日暮らしの生活ともオサラバだ。


△月○日

 明日は妻も猟に着いてくるらしい。どういう風の吹き回しなのだろう。まあ昔は俺と一緒に森で銃を撃ちまくってたもんだし、年甲斐も無く血でも騒いだのかもしれないな。


 数年前、文芸サークルに寄稿した小説に少し手を加えたものです。

 感想や辛口の品評、お待ちしております。

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