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Luge  作者: トト
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Erst Luge(エーアスト リューゲ)~一番目の嘘~

皆さんお久しぶりです?


っとハテナがついてしまうほど微妙な期間だったと思います。


最近は色々と忙しくて活動報告も出来てません。


そう!お察しの通り新婚生活が忙しくゲフン!ゲフン!


女の子の好みは目が綺麗な人、ですかね。


ではお楽しみください今回は過去編前編です。

…母からもらった物は夜霊(ゆれい)虚葉(うつは)という名前だけ。


…父から教わったのは呪縛の生命についてだけ。


母と父に思い知らされたのは、人の命はとても呆気なく、そして脆いということだった。


……

………


俺の人生は幸運とは言えなかった。


寧ろ、そんじょそこらの人間よりは不幸だったろう。


俺の八歳の誕生日の日に、母と父はバラバラとなって見つかった。


母は三十ニ分割、父は見る影も無かったそうだ。


…死を知らされた時は普通、泣くものだったりするだのろう。


しかも死んだのが実の母と父なのだから尚更だ。


だが涙は出なかった。


何故なら悲しみや苦しみ、そうゆう物より復讐心の方が上回っていたからだ。


俺はこの事件の一年後、丁度一年後だった。


俺はLuge(リューゲ)という存在を認識した。


本当ならば認識するはずではなかったのだ。


母と父を殺した奴等は未だに捕まっていなかった。


だが翌々考えてみると捕まらないはずがないのだ。


母と父が死んだ日、殺した奴の指紋がくっきり現場に残っていて、顔も身長も全てが警察にはわかっていた。


だが見つからなかった。


自殺したなら話しは終わっていた。


だが母と父の命日の半年前には防犯カメラに普通に映っていたと聞く。


然も人殺しなどしてないような平然とした顔で映っていたそうだ。


防犯カメラに映って二週間が過ぎる。


…見つからない。


いくら探しても見つからない。


どんな手を使っても見つからない。


そんな日が母と父の命日まで続いたそうだ。


俺は毎日のように事件のことを警察官の人に聞いていた。


…そして俺の九歳の誕生日、そして母と父の命日、俺にはLuge(リューゲ)が認識出来るようになったのだ。


認識出来るようになるというが本当にいきなりだ。


朝起きたらもうインプットされているのだ。


本当不思議な感覚だった…母と父がいなくなった後俺は子寺院に引き取られた。


周りにいる子供は数十人程度。


周りにいるやつらは面白くもないし、出る飯は暖かくもない。


そして俺の誕生日の朝、それはもう頭に入っていた。


なにをしてどうすればそこに行けるのか、手に取るようにわかった。


Luge(リューゲ) Welt(ヴェルト)(嘘の世界)に入るのはそう難しくはなかった。


夕方の六時、夜の九時十五分、夜中の十ニ時半、朝方の三時四十五分、入るにはこの時間帯しか扉が開かないのだ。


だが出るのにはまるで苦労はしない、ただ世の扉に入ればすぐ戻れる。


……すぐ向かった。


そこはなにもないようであって、なにかあるようでなにもない…そんなような世界。


最初は更地だったが歩いていると町のような場所があって人もいた。


俺はなにも不思議に思わなかったし、疑問もなかった。


ただ母と父を殺したやつを殺す。


それしか頭になかったからだ。


だからと言ってここにいるなんてわからない。


だが俺には感じた…この世界には奴がいる、と。


そこらへんの人に母と父を殺した奴の指名手配の紙を見せると普通に答えてくる。


「あぁ~この人ね~」「確か隣町に…」「この前見かけたなこの人」


色々な返答が返ってきた。


…やはりいる。


疑いが確信になった瞬間でもあった。


今になってよく考えてみると「何故普通に言葉が通じたのか?」という疑問が浮かんでくる。


その後俺はLuge(リューゲ)に住むことになった。


家はなく、点々と色々な町を行ったり来たり、そして淡々と戦争に巻き込まれ、また淡々と戦争に馴れていった。


…眼の存在に気付いたのは十一歳の頃だった。


気付く前から眼は起動していたが俺にとってはそれが普通の視界であり、また普通の世界の見方だったわけだ。


そしてそれが呪いだと気付き、その呪いに犯されていると気付いた時は狂ったように笑うわ、そこらへんの物を壊し尽くしたもんだ。


だが普通なら気付くはずはないのだ。


何故ならそれが俺の見方であり、それが俺の見ている世界だからだ。


俺は笑った。


呪いだと気付いたのもそうだが、それと同時におかしくてしょうがなかったのが俺に取り憑く「呪い」だった。


(つくづく)運のないような俺に、愚か物の如く、ただの馬鹿者の如き取り憑いてきた呪いに笑ってしまったのだ。


だってお笑いだろ?人間の世にいたころなんて周りには誰もいやしなかった。


いたとしても自分と同い年の面白くもない奴等と、善人ぶった糞みたいな大人達だけ…


今のいままでこの歳まで一緒にいるやつなんていない。


物もない…者もいない…そんな俺に今のいままで付いてきてくれていた物があったのだから…


…それから俺は呪縛の使い方を覚えた。


だが当然副作用はあった。


呪いの存在に気付くまでは副作用自体がわからなかったが…


いや、実際のところ副作用とは呼ばないが…


ただLuge(リューゲ)でいう呪いというのは『力』に繋がるのだ。


だが呪いにも色々ある。


ただたんに炎を使うだけで視力を失っていったりとか、相手の一寸先の未来を観るだけで記憶が失われていくとか…


…理不尽なものもある。


今言ったのは悪魔で例だ。


俺の場合の呪いは多分、能力の強さにしては交換条件が楽だ…と思っていた…


当初呪いに気付いた時は呪い自体がそこまで起動してなかったらしく、障害は出ていなかった。


いや、出ていたがそれにさえ気付かなかったのだ。


確かに障害は些細な物だったと思う。


今だから気付いたことを言えるが前の自分は馬鹿真っ盛りだったと思う…多分そう…


だが、呪いの障害が分かりにくいってこともあったのだ。


本来なら呪いの副作用というのは呪いを使えば一気にくるものなのに対して、Krieg(クリーク)の副作用はまるで気付かれないように徐々に徐々に蝕んでいくように障害が進んでいったのだ。


…障害は一つしか出なかった、その障害は気づこうとすればすぐ気づくし、気にもしなければ多分気付かないだろう障害だった。


それは意識が自分であり自分で無くなるようなもの…簡単に言うと…


いや、間接的に言うと、Krieg(クリーク)を起動状態にした時意識は自分のものであるが、またKrieg(クリーク)、呪縛のものでもあると言うことになる。


だが当然意識的にはその持ち主が優先され、呪縛の汚染は後回しとなる。


だから呪いを解いて自分の意識、そして呪いを封印して汚染…


こんなような形になるわけだ。


だがKrieg(クリーク) Auge(アウゲ)の場合は違う。


呪いを解いて自分の意識と汚染、という珍しい…


いや、多分こんな複雑な呪いは絶対とは言い切れないが、Krieg(クリーク)だけだろう。


そしてその汚染は俺の意識を違うなにかの意識にするというものだった。


呪縛を解き、起動状態にする。


確かにそれは俺の意識で動き、また封印することも出来た。


だが時々それは起きる。


自分の意識は「もういいだろう」という意識に対して、呪いは「殺す」という意識だとすると、いつの間にかその自分の意識は上書きされたかのように呪いの意識になっているのだ。


だが気付かない。


あれは気づこうとしてもまるで気づけないのだ。


考えがいつの間にか「殺す」に変わり、封印し元に戻れば殺す気など塵の破片も無かったのに目の前では人が死んでいるわけだ…


だがそれは人として扱っていい殺されかたじゃない。


あれはただ、生きているなにかが死んだ、そんな感じの扱いだ。


そして一回だけ「次解いたら完璧かつ完全に意識を持ってかれる」なと思う時があった。


Verbot(フェアボート) Krieg(クリーク)…禁止された戦争の時である。


この戦争が俺にとっては最後の戦争となった。


そして俺が最後に眼を使った時であり、眼に最大の狂怖(きょうふ)を感じた時でもある。


俺はその戦争が勃発する一年前にある少女と出会っていた。


名を、赤神(あかがみ)霧葉(きりは)


人の世では珍しい…いや、多分いないだろう名前がLuge(リューゲ) Welt(ヴェルト)では普通にいる。


逆にLuge(リューゲ)では人の世の名前というのは珍しい類いにはいるのだ。


…霧葉は俺の守るべき人となり、俺の呪いを後々継ぐ者となり、通称禁止された戦争を起こす切っ掛けとなる。


戦争が起こる一年前、俺は人を殺していた。


両手には銀色のコルト.45オート…愛称はガバメント、を持ち戦争の中を制圧していた。


本来ならば戦争というのは白対黒で殺りあうものだ。


だがその戦争にたった一人だけ加わるだけでそれは白対黒対一になるのだ。


その一は一子報いず殺しを続けた。


だが意味のない殺しだけはしなかった。


白と黒、いつも相手にする奴等はみな、やってはいけないことをしたやつらだから殺したにすぎない。


…意味もなく人を殺し、欲望に負け女を犯し、最終的には戦争へ行き死ぬ……無責任だ。


だから俺が殺した。


なにが悪い?俺は悪いことをしたなんてこれっぽっちも思ってない。


これは今も変わらないだろう気持ちである。


そんな考えを巡らせながら戦争の中で殺戮を続ける。


その時の戦争はどっかの反乱者達とその反乱者のいた国の者達との戦争だった。


ま、国の名前なんざ覚えてないが…


未だ俺は母と父を殺した奴を見つけられずにいたのだ。


だから俺はそいつを見つけるために戦争に参加している。


Luge(リューゲ)の世界に住む人達の情報によるとその殺人鬼は何処かの組織にいるとの情報なのだ。


当然その組織も戦争に関わる組織である。


反乱者達と国の戦争を終結させた俺は、新しい考えを頭に巡らせていた。


殺人鬼がここまで見つからないといくらなんでも猫の手も借りたくなるものだ。


なので俺はLuge(リューゲ)に留まるのではなく、一旦世に戻ることにしたのだ。


今になって俺の考えは間違っていたな、なんて考えることが極たまにあるのは霧葉には秘密である。


……

………


久しぶりに見る我が家はとても大きかった。


何故かこの家はまだ夜霊家のものとして扱われていた。


今になってさえ疑問である。


だが世に帰ってきて住む場所があるに越したことはない。


中に入ると…それはそれは懐かしい匂いがした。


我が家の匂いだ。


自然と涙が出てきた…


だが数秒でその涙は止まった。


いや、正確には止まらせた、のほうが正しいだろう。


歯を食いしばり涙を袖で拭く。


「…まだ、泣いたら駄目だよな…」


その時言った言葉はよく覚えている。


あの時は…一人だった。

……

孤独だった。

……

寂しかった。

……

苦しかった。

……

悲しかった。

……

…嫌だった。

……


…一人は楽だ。もう失う物がないから…


…二人は苦だ。失う者があるから…


…一人は孤独だ。苦しみを分かち合う者がいないから…


…二人は悲しみだ。苦しみを分かち合うことが出来るものの、それのせいで崩れてしまうから…


どちらに転んでも嫌な結末だ。


だけど、どうせ嫌な結末が待っているなら二人の方が楽しいと思う。


…そんな気の迷いの話し…だが、その気の迷いは直ぐ様現実の迷いとなる。


……

………


世に戻ってきて一週間がたった。


ちょっと(ほこり)を被っていた家具は輝きを戻し、電気が通ってなかったTVや冷蔵庫、洗濯機やクーラーには電気が通い起動している。


だが世に戻ってきたはいいが何をすればいいのかまったくと言っていいほど考えてなかった。


戻ってくる前の考えは、世に移住しているLuge(リューゲ)の人間の方が情報力があるので、探し出して情報を聞き出せばいいだろう、というものだ。


…お察しの通り、探し方なんて考えてもなかったが…だが宛もない俺に好奇が訪れる。


世に移住してきて三週間程度がたったころだろうか。


その日は台風が俺の住んでいる地区に直撃、雨は横殴りに降り、昼間だっていうのに外は夜のように暗く、時々雷がそこら一帯を照らす。


そんな台風の日のことだった。


俺の今日の予定は晴れていたら久しぶりに町を見てまわろうと思っていたが、


雨の日の予定はまるでと言っていいほど考えてないなかった。


最終的にでた結果が、ゲーセンである。


Luge(リューゲ)に出会う前も雨の日はゲーセンに行ったものだ。


ろくにゲームはしなかったが。


家から歩いて二十分といったところにちょっと大きめのゲーセンがある。


…いや、前はあった。


……ん?


ちょ、ちょっと待てよ…


え~っと、Luge(リューゲ)に出会う前はゲーセンはあった。


んで……


…んで?


あ~あっ!この時はゲーセンがまだあるかどうかを確かめに行くところだなうん。


そんで横殴りの雨の中傘挿してゲーセンのあった場所に徒歩で向かう。


そこにはなにも変わってないゲーセンがポツンと経っていた。


中に入ると騒音が一気に耳を支配すると同時に、目には俺と同じ考えを持った奴等がゲーセンの中を彷徨(うろつ)いている。


同じ考えというのは雨の日はゲーセンに来るというものだ。


…しかしやるものがない…どれも見たことのない種類のゲームばかり。


ざっと一時間ぐらいだろうか、ゲーセンに留まるとそろそろ飽きてきた俺は帰ることにした。


相変わらず外は豪雨と轟音でいっぱいだ。


ゲーセンから家に帰る時は陸橋を渡っている。


家からゲーセンに行く時も渡っているが、たまに横断歩道を渡る時がある。


好奇はこの時訪れる。


陸橋の真ん中から自分が行こうとしている道に目を向けると女の子が倒れていた。


その子はどう見ても周りとは違うなにかを放っていた。


そしてまた、遠目からみてもわかるあの赤い髪の毛。


「あれ、地毛か?」


つい言葉を漏らしてしまうほどの赤色なのである。


あんなにも目立っているのにも関わらずまるで周りの人間からは見えてないかのようだった。


確かにそこに彼女はいる、なのに周りを歩いている人達はそこに始めから置物があったかのように避けて歩いて行く。


…間違いない、Luge(リューゲ)の人間だ。


だが俺の欲しいのは情報であって女の子じゃない。


俺はKrieg(クリーク)を起動する。


彼女の年齢、力、可能性を見た。


年齢は俺と同い年、力はこれといって気にするものなどなかった。


だが可能性、彼女の可能性は見たことのない数値で現されていた。


…雨の中、アスファルトの上に座り込み涙か雨かの区別のつかないような涙を流し、ただ黒い雲を見つめ数秒程たつと崩れ落ち倒れ込む。


その様はまるで水の精のようだった。


あのまま彼女を彼処に置いておいたら雨で溶けてしまいそうな気がした。


…歩む、また一歩歩む、彼女に近づいて行く。


足は動いてるはずなのに…彼女を見ているはずなのに…


まるで近づいてる気がしなかった。


だがふと気付くと、バシャ、と彼女の真上にあった水溜まりを無意識に踏んでいた。


その時思った。


……届いた……


これが赤神(あかがみ)霧葉(きりは)

夜霊(ゆれい)虚葉(うつは)の、Luge(リューゲ)という世界の進行と、世という世界の静止の始まりであった。

今回は過去編ということもあって全然喋ってません←言い訳


いや、言い訳じゃないですよ?←言い訳


…おい誰だよ言い訳って付け加えてる奴!


……茶番ですね。


次回は言葉数頑張って増やしたいと思います…←言い訳


…おi(ry


ではまた会う日まで!

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