kaputt Vertrag(カプット フェアトラーク) ~壊れた契約書~
はい………トトロです。
どうもトトです。
今回こそは感想を聞くべく頑張りました!
これが頑張ったかどうかというと…はい!頑張りました!
まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします!
あれ?これって後書きに書いた方がいいのでは?・・・
春…それは、桜咲き誇る始まりと終わりの季節。
夏…それは、緑生い茂る繋ぎの季節。
秋…それは、緑枯れ逝く準備の季節。
冬…それは、白銀広がる終わりと始まりの季節。
この物語は緑生い茂る繋ぎの夏の季節から始まり、何故かトイレから始まる。
「いくらなんでもここまでは追ってこないだろ…」
コンコン
「………ファ!?」(絶望
今さっきの発言がまさかフラグだっとは…!
と言うかさっきの奴女だよな!?なんで男子トイレ入って来てるんだよ!!!
…いや待て…
今のノックがあの女だとは限らないじゃないか!そうだ!そうだよな!…そう、だよな?…だよな?
「…ゴクッ」(カチャ、キィィ
俺はそぉっと鍵を開け、そぉぉっと扉を開ける。
「………(ニヤリ」
「うわぁお!!」(バンッ、カチャ
なんで俺が隠れた場所わかるわけ!?さっき科学室逃げた時もそうだし!音楽室に逃げた時もそうだ!
まるで俺が行く場所わかってるみたいによぉ!…てかなんで追われてんだ俺は…
根本的なところからわかってなかった俺である。
「……(ニヤァ」
イヤァァァァ!!!なんか扉の上から顔出してるんですけどぉ!!お前は大してる時に覗いてくるタイプの厄介な小学生ですか!
てかめっちゃなんか企んでる笑顔なんですけど!!!!
…っは!?落ち着け俺!視聴者の皆さんが見てる今が自分を売るチャァァンッスって作者が言ってたじゃないか!よし落ち着け~…
まずはここからだしゃつ…
「……んっ(ストッ」
「入って来んなよ!!!」
この野郎入って来やがったよ!しかも男子のトイレ(便器があるこの個室(鍵が閉まってる))によぉ!
「……んっ」
…は?はい?手紙…ですか?
「え?もしかして、もしかしての話しなんだけどさ…これ渡す為だけに俺は追われたわけ?」
「そう」
「なにが「そう」だよ!ざけやがって!こちとら追っかけられてる理由もわからず逃げてたんだぞ!?」
「まぁそうカッカしないでください、誰にも見られず渡すのが私の仕事でもあったんです。一石二鳥と言うやつです」
いや、俺にとっちゃ一石零鳥だっつの!
あれだよ?石投げて一匹も落とせない状態とかまずは廻りに誰もいないこと確認するレベルだよ!?しかも
人いたときとか赤面もんだよ!?
それ以前にこいつに手紙届けるように依頼したやつ誰だよ…
「この手紙誰からのだ?」
「知りませんよそんなの」
…怒るな俺…
お~ち~つ~けぇ~
よし、中身拝見といきますか。
俺は封筒を破き中身の手紙をだす。
「え~っと…」
内容はこうだ。
『君とは始めまして、だね私の名前は封架凜これから
君専属の配達係りを任された君の前に立っている美少女だぞえ』
「………ん?」
ちょっと待てよ…
もう一度読み直す。が…
「これ…自分で書いたのか?」
「バカなんですか?」
手紙といい今の発言といい…口調変わりまくりだなおい「どれか一つに絞れよ」と言いたいところだが
言ったらまた面倒になるからやめておこう。
「とりあえず違うところで話そうか…」
「あ、それは私も賛成です」
お前が追っかけてきたから…ちっ!
人生なにが起こるか、わからんな~っと思う瞬間だった。
その後、トイレからでて廻りの痛~い視線を潜り抜けて屋上に向かった。
俺は屋上に着くと廻りに人がいないのを確認した後、直ぐ様話しを切り出す。
「お前、この手紙に俺専属の、と書いてあったがこれは=Lugeをわかってると解釈していいのか?」
「その解釈で結構です」
「っで、お前は誰の下についてんだ?」
俺の専属?いい加減にしてほしいもんだ。
どうせ駒にされるだけの戦争なんだ。
そんな戦争はもういらない…
封架はとても不思議そうな顔をしながら聞いてくる。
「誰の下についているか?ですか?現在進行形なら今は貴方の下につきたいと思っていますが?」
嘘、はついてないか…
だが疑問に思うところが幾つか、と言うより結構ある。
何故俺の下につく?金は無いし権力があるわけでもない。
しかもLugeじゃただの殺人(神)狂扱い…
嫌われてる訳じゃないが、自ら近づいてくるやつなんざ人一人いないわけで…
いや、そうゆうのを嫌われてるって言うのか。
「わからね~な。なんで俺の下につこうと?お前に得でもあんのか?」
俺は屋上にあるベンチに腰を掛けながら言う。
「はい、得ならありますよ?」
「どんな得だ?よかったら聞かせてくれよ」
「…どの戦争においても勝てる」
やっぱり知ってたか。
女ってのは恐ろしいね~これも勝利の為、てか?
だが男は疑り深い。
白を切ってみることにした。
「根拠は?俺がどの戦争においても勝てると言う根拠はあるのか?」
「貴方のことは知っている」
「…どこまで、知ってるんだ?」
その発言を聞いた封架は俺に会って3度目の笑顔を見せる。
いや、この不適な笑みを笑顔と言う愉快な表現をしていいか、と言うと微妙なところだ。
「どこまで知っているか?フフフ……私の父を殺した場面なら全て知っていますとも、我が仇さん?」
こいつ…
あの爺の娘か?だが待てよ、名字が違う…
確か爺の名前は 厳島覇直とか言ってたな。
ふっ、俺もなんであんな爺の名前を覚えてんだかよ…約束も忘れようとしたが忘れられね~しよ。
まったく、殺しといて正解だったっつんだよ…
「ハァ~なんだよ、最初っから言ってくれりゃーこんな話し長くなんなかったのによ~」
俺は尻を叩きながらベンチを立つ。
「あの爺の娘…か、まさかLugeの人間だったとはあの時は思わなかったぜ。こちらで探しても見つからないわけだ」
「父上から預かっています。貴方に対しての契約書」
俺の言葉には答えてくれないのね。
いや~にしても
「あんな状態だったってのによくもまぁそんな物送れたもんだな。流石、としかいいようがないぜ」
「私の父親をあまり舐めなめないでいただきたい」
舐めちゃねぇよ…あんな男を父上に持てるってのは、幸運だな、この娘はよ。
「俺はあんたには逆らえない、確かそんな契約もあったよな?そうするとお前が俺の専属、と言うより俺がお前の専属になるよな?(笑)」
俺はちょっとした矛盾の話題を切り出してみる。
「その契約なら破棄しましたよ?」
「え?え!?破棄したぁ!?いやお前あれだよ!?あの爺が死ぬ前に一番最初に言ってきた契約だぞ!?それをお前破棄って!」
「父上の話しを聞く限り貴方にとって契約なんて足枷にもなりはしない。ただリミッターをつけただけだ」
確かに、契約なんてしょせん契約だ。
いざとなったら契約なんて白紙にしちまえばいい。
だがこの娘、危ないな。
話ししか聞いてないって言うのに契約を破棄するなんてよ…
普通の人間ならやらないだろう。
「もしかしたら足枷くらいにはなったかもしれないぜ?」
「なったところでなにになるんです?」
読めない、こいつはいったい俺になにを求めてるんだ?本当に『勝利』…その二文字しか眼中にないのか?
しかも今Lugeで戦争なんて起こっちゃいない。
「確かに…お前の言ってることは正論だ。正論過ぎて疑っちまうぐらいにな」
「だが疑う要素がない」
駄目だこの女…敵に廻すと厄介なタイプの人種だ。
「ハァ~口じゃお前にゃ勝てなそうだなこりゃ」
気に入ったぜ爺の娘さん。
こんなんなら契約なんざしなくてもよかったんじゃね~かね。
俺は笑みを溢した。
封架は俺の笑みを見て思い…
「口では確かに私の方が上手いかもしれない、だけど…」
「…だけど?」
感じたろう…
目はまるで血でも塗ったかの様に紅く。
そこにはなにもないはずなのに死を感じ。
ただ立っているだけなのになにかに惑わされそうになる。
「…貴方と私では…比べものになんて、なりはしない…」
Ersatz(代わり)
私は足がふらつき後ろに一歩下がる。
何故?これを目の前にして恐怖を感じないなんて、絶対の確率でありえない。
これは本当に人間か?私達と同じ空気を吸ってるとは思えない程の狂気を感じる。
だが私はこの人に付いて行くと決めたのだ。
実際父親を殺されたことにはまるでと言っていい程怒りはないし、仇だとは思っているが仇を討とうとは思ってはいない。
と言うか「討とう」なんてこと自体が馬鹿馬鹿しいことなのだ。
それにあの父親を殺した男だ、決して弱いはずがない。
「ふっ、今の時代は暴力なんざ役にたちゃしね~よ」
鼻で笑われてしまった。
人を殺し、戦場にたった一人立っていられる男が何故こんなにも笑っていられるのか…理解に苦しむ…
「あ、お前俺の専属なんだろ?家とかどうするだ?」
「どうするって?」
「いや、家にもう一人専属者がいるんだよなこれが、そいつはなんか「専属だからお前の一番近い場所にいた方が動きやすい~」って言うから家に引っ越してきたぜ?だからお前はどうすんのかな~ってよ」
もう一人専属者がいるなんて情報は聞かされてなかった……
「邪魔にはならないか?」
「邪魔?…、アハハハハハ、お前の父親殺した男に対して邪魔やらなんやらなんて普通聞くかぁ?(笑)」
また笑われてしまった。
「てか俺はお前らの扱い方がわからないからよ~言うなれば専属者なんてお前でまだ二人めだしさ」
…時々思う、神様はいないのか?、と…
私はこの人に父親を殺された。
でもこの人もきっと同じ思いをしてるのかもしれない。
いや、もしかしたら私より苦しい思いをしてるかもしれない…
だが父上を殺したことは許されざる行為だ。
でもいつか許してしまいそうで、そんな自分が恐ろしい。
私は決意し切り出す。
「なら移住させてもらいます」
「玄関の鍵は常時開いてるからよ、適当に入って、空いてる部屋適当に使ってくれや」
「わかりました」
「なんかお前って素っ気ないよな(笑)」
笑われた次は性格の指摘をされた。
だが怒りは感じない、何故ならそうゆう感情を持ち合わせていないからだ。
私には一定の感情と言う物がない、恐怖とか苦しいと言う感情はわかるが、ほとんどの感情を感じない。
いや…感じられない、の方が日本語としてはあっていると思う。
「謝った方がいいのでしょうか?」
「え?なににたいして?」
疑問形を疑問形で返されてしまった。
「いや、素っ気ないってことに対してです」
とても不思議そうな顔をして答えてくる。
「お前面白いやつだな、流石爺の娘としか言いようがないよ」
私はなにがおかしいのかわからず首を傾げる。
すると彼は「ま、よろしくな」と言って握手を求めてくる。
私は迷っていた。
いや、この人に付いて行くことに対してではなく、触れていいのか否かということに対してだ。
「…?なんだぁ~?握手はしたくないってか?乙女だね~」
彼は残念っと言いたげな顔で握手しようとした手を退いて行く。
「いや、そうゆうんじゃ…なくてですね…」
「あら、そうなん?」
「いや、あの…すいません」
「ちょっ、わけわからんのだが…」
Ersatz
駄目だ、俺にゃ~この子の考えとることがまったくと言っていいほどわからん…先が思いやられるなこりゃ。
「ま、いいか…ってもうこんな時間か!?やびぃぞ!やびぃぞっ!無姫に怒られる!!」
無姫の名前を出すと封架が「どなたですか?」と首を傾げて聞いてくる。
「あの~もう一人の専属者の話しね」
「納得です」
結構軽いな。
べ、別に気にしちゃいないが……
ツンツンしてみたりする。
「と、言うことでと言う前に、今日引っ越すんか?」
「出来れば今日のうちに」
「わかったぜぇい!夜飯作って待っとるで~」
俺はその言葉と共に走って屋上を出る。
「今日はうどんだな」
階段を降りながら、今日の夜飯の献立を整理し、次は階段を一段抜かしで降りて行く。
帰りに八百屋に寄ってから帰ろ~っと。
Ersatz
「………」
部屋にはpcの光が充満していてそれ以外に光はなく。
また、カチャカチャというキーボードの音とボォォォというクーラーがガンガンに起動している音しかそ
の部屋には響かない。
だがそのキーボードの音とクーラーの起動音しか聞こえないその部屋に、少女の声が二つの機械音をかき消して響き渡るまで…10秒前。
その頃…
Ersatz
「今日あっちぃ~、あ~コンビニでアイス買ってこうかな~」
リガリガ君レモンスカッシュ食いたす!!!
って感じだから、こりゃ行くっきゃないな…
(ウィーン
「いらっしゃいませ~♪」
可愛らしい女の人が営業スマイル(?)を輝かせながらいい声で挨拶をしてくる。
……が、それは起こった。
冷房がかかったこのコンビニと言う場所は、学生にとっては最早天国なのだ。
その天国に一歩足を入れようとした時だった。
「おそぉぉぉぉい!」(パリーン!
「っ!?この声は…」
その声はちょっと離れたある家から放たれているのが伺えた。
何故伺えたか?窓の割れた音がガンガン聞こえたからである。
「窓割れてるしね……」
また買い換えなきゃか…
今の雰囲気でわかると思うがあの門のようなものがある所がは俺の家である。
俺のリガリガ君レモンスカッシュが!!ハァ~アイスはまた今度にするか…
俺は美人店員さんに「すいませんした~」と頭を下げつつ店を後にする。
コンビニから歩いて約20秒程の場所に家は立っている。
これがまた結構いい場所に立っているのだ。
コンビニはほぼ目の前で、駅は自転車を普通にこいで約8~10分、その駅のちょっと奥に行った場所にはスーパーがあり、もっと言ってしまえば学校の帰りには格安の八百屋があるときた。
……最高だろぉ~?
っとヘンテコなトークは置いといて、家に到着するわけなんだが…
入りたくね~はいったら絶対の確率で無姫がいると思われ。
「ただいま~…」
玄関の引き戸をガラガラガラっという音で開けるのではなく、カラカラカラっという優しい感じで開ける。
が、意味などなく…
「なにしてたの?」
彼女は玄関に仁王立ちで堂々たる雰囲気を出して立っていた。
迫力はないが圧迫感は半端ではなかった。
「追っかけられて遅れた」
今日は正直に言ってみる。
というか嘘をつく理由が見当たらなかったから正直に言っただけである。
「…ふざけてるでしょ?」
「いや、まじだよ」
「…ふざけないで!!!」
「夜飯作るの遅くなったのは謝るが、他に俺悪いことしたか!?」
すると無姫は「それだよ!」と怒鳴りつけてくる。
…どれだよ…
「夜飯が遅くなったんだよ!?」
10分ぐらい我慢出来ないのか!この娘っ子は…
俺は「ハァ~」とため息をしながら家に上がり込む。
「ちょっと遅れただけでも駄目なのか?」
「駄目だ」
「どれくらい駄目なんだ?」
「死刑に値するぐらい」
「うん、素直に謝ります。すいません」
ちょっとカッコつけて「どれくらい駄目なんだ?」とか言ってみたが即潰されるしね。
謝った後は直ぐ様夜飯の準備にかかった。
あ、言い間違えた。
無姫がうるさいから!謝った後は…
「おい」
「……あぁ~!!!なにも聞こえないぃ~!!!!」
「まだ何も言ってないからね!!!」
「あぁ~!!!!!」
俺は必死だったのだ…
そう、生きることに!!!!だがこの時の俺は、まだ気付いていなかったのだ。
相手の発言を妨害するこの行為が自分の命を縮めているということに……
「人の話しを……」
「あぁ~!!!!!」
「……」
「あぁ~???」
次は疑問形の妨害攻撃。
「殺す」
「あぁ~?」
次は真面目になに言ってるかわからなかったので疑問で返す、が。時既に遅し。
「あ、あり?ちょっと無姫さん?なにそのいかにも切れ味よさそうな銀色に輝く日本刀は!?空間魔法とか卑怯だぞ!!」
「今私は怒りそうだ。堪忍袋も限界だ。さぁ~私はどうすればいい?」
ば、馬鹿な!!!俺は…自分の首を、自分で絞めていたというのか!?
「さようなら…」
「ちょ、落ち着け!!!話し合えば…」
あ、そうだ…その話す機会を壊したの、俺じゃん…
「『五月雨』」
「…え?嘘だよね?それあれだよね?殺戮呪文だよね?」
「…っ!」
「イヤァァァァ!!!!!!」
Ersatz
「ここらへんのはずなんですが…」
屋上で夜霊と別れた後、私も早々に屋上を後にした。
その後は言わなくてもわかると思う、なんてことはないと思うので一応言っておきます。
あの後は母親が残してくれた家に帰り、荷造りを済まして今の状態になるわけなんですが…
「家の場所を聞くのを忘れてました…」
そんなことで学校に再度行き、夜霊のクラスの担任、2年5組の山岸先生に夜霊の住所を聞いたところあっさり教えてもらったのである。
普通は教えてもらえない気もするが…
まぁ簡単に教えてもらえたことに関してはまぁ~「イェーイラッキー」的な感じである。
「場所を教えてもらったのはいいとして…この手描きの地図、見にく過ぎます」
独り言を言いながら地図を眺める。
住所だけでよかったかもしれないです。
ふと周りを見渡すと、そこにはコンビニがポツンと建っていて、アイスでも食べて一休みでもしようかと思っていると、コンビニから女の人が出てきてこちらに頭を下げてきた。
私もそれに合わせて頭を下げる。
私は夢でも見ているのだろうか?その女の人はこんな熱いなか、赤と白の浴衣をみにまとい、火を思わせるような赤髪ストレート、左目だけだが深海を間近で見ているような蒼、右目は髪でちょっと隠れているがうっすらと見える。
それはまるで血で瞳を塗ったかのような紅い目をしている。
身長は160といったところか、平均である。
雰囲気は凜としているが、瞳の奥には間違いなく化物を飼っている。
そんな腹黒さが滲み出ている感じなのだ。
まるで存在が幻、いや…夢、みたいな…
そんな不思議で危ない物を所持いてる。
気付いたことといえば、最悪のこの状態。
あの赤髪、Lugeの人間だ…
「失礼、そこの赤髪さん」
「…?」
私はいかにも近づいちゃいけないとわかっててもなお話しかける。
でも近づいちゃいけない、かもしれないがこの人の場合は攻撃を仕掛けてくる空気がないのだ。
だがそれは『今』の話しであり、Lugeにいる時の話しではないのだ。
「聞きたいことがあるのですが…よろしいですか?」
「……(コク」
頷くだけで他の行動はとろうとしない、というか最早立ってるだけ、みたいな。
「この住所の人の家わかりますか?」
何故聞いたかというと…
まず見た感じこのコンビニまでは徒歩だということ。
そしてこの服装である。
こんな目立つ服をきて遠出のはずは、ないはず…
赤髪さんは住所を見ると突然歩きだした。
「え?」
「……(チョイチョイ」
私が呆気にとられていると、赤髪さんは今にも「こっち」と言い出しそうな雰囲気で手招きをしてくる。
私は彼女の後を追う。
それにしても…綺麗だ。
私も女ではあるが、この美しさには勝てないだろう。
赤髪が風で後ろに靡き、靡いた髪からはとても良い匂いがする。
多分桃の匂いだ。
そしてまたこの赤髪を引き立たせているのがこの浴衣である。
目の前に立てば女である私でさえ、その眼に吸い込まれ、その姿に魅了されてしまいそうだったわけで…
彼女の美しさを語っているこの十数秒の間に、赤髪さんはある一軒家の前で止まった。
「うわぁ~」
デカかった。
「ここですか?」
私は驚くのは後回しにして赤髪さんに聞く。
「……(コク」
頷くだけ。
「ありがとございました」
ちょっとワクワクしてきた私である。
その家は昔の家を思わせるような構造で、二階建てである。
見た感じからするととても年期が入った家に見える。
いや、完璧に年期が入った物だ。
私はデカイ門を潜る。
すると赤髪さんもついてくる。
私は「はっ」と気付いたのである。
もしかしてこの人が夜霊の言っていたもう一人の専属者なのでは?
もっと活発的な人かと思っていた。
何故なら夜霊は「早く帰らなきゃ怒られる」、的なことを言っていたからだ。
比べてこの赤髪さんは怒る気配がまるでない。
というかまず喋る気配がない。
詳しい話しは夜霊から聞けばいいだろう。
「すいませ~ん」
玄関の前で返事を待つ。
……
「は~い」
数秒後、夜霊の声とは異なった声が玄関の向こう側から聞こえてきた。
(ガラガラ
「どなたですか~…あ?」
「始めまして、です」
「…(ペコリ」
…沈黙…
……まだ、沈黙……
………まだまだ沈も…
「虚葉ぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「…(ビクッ」
いきなり大きな声を出すので赤髪さんが驚いていた。
私は内心ちょっと驚いた程度で済んだが。
「はい?おっ!来たか爺の娘!…ん?…」
何故か赤髪さんの方を見たまま動かない夜霊。
「な、なっ!」
口を開いたと思ったら赤髪さんを指差しながら「なんでお前がいるんだぁ!?」と言いそうな感じで口をパクパクさせている。
「……久しぶりです。虚葉」
「なんでお前がいるんだぁ!?」
もしかしたら私には人の語源を操る能力があるかもです。
Ersatz
封架を家に迎え入れた後、俺はリビングに赤髪と服装…ぶっちゃけると全部が特徴的なこの女の子、
名を・赤神霧葉名前が・葉・被りなのがちょっと違和感があるのは気にしないでいこう。
お察しだと思うが今はこの全てが特徴的な霧葉と話してるわけだ。
「………(ジー」
「……な、なに?///」
可愛い…のは前からだ。
問題はそこじゃないのだ。
なにかがおかしい、服装?いや違う、髪?いや、前から目立ってしょうがない赤だ。
あ、身体!…いや、成長ぐらいするよな、うん。
「……ん~」
にしても綺麗な眼してn…え?
(綺麗な…なんだって?おい俺)
(…あ、俺?)
(そうだよ、お前だよ俺)
(綺麗な眼してn…)
(………)
(………)
((あぁぁぁ!!!!!!!))
俺はもう一人の僕(仮)と話したあげくわかったことがあった。
いや、気付いたことがあった。
「お前俺が眼に巻いとけって言って、編んでやった白い包帯どうした!?」
「……持ってる」
霧葉は浴衣の胸ポケットから眼の周りを三周程出来るぐらいの長い包帯を出してくる。
…浴衣に胸ポケットってあるものなのか?でも胸から出したから~いいよな…
「つけとけよ!」
「…大丈夫…」
「大丈夫!?忘れたのか!!確かにあの呪いは暴走もせずお前に移った。だけどそれは成功したわけじゃないんだぞ?」
「…わかってる…でも貴方が私の目の前からいなくなったあの夜に、呪いが効力をなくしたみたいに反応しなくなった…」
「呪いが、効力を失った?いや、呪いの効力はほぼ絶対なんだぜ?」
どうなってるんだ…
どう考えても今日は厄日だ。
爺の娘に追っかけられるわ、その娘にくっついて俺の呪いまでついてくるわ…
だが今日が厄日ということともう一つ、泥葉は気付き初めていた。
なにかが始まろとしてる。
それはどう踏んでも巻き込まれる物…Lugeの産物であるということ。
死ぬ、ということに恐怖は感じない。
だがそれは自分に対しての感情であり、他者の物ではない。
そう例えそれが友人であろうと、親友であろうと、最愛の人であろうと、家族であろうと「死」に対する感情は人それぞれであり、共感するのは困難極まりないことなのだ。
俺はいつ死んでも文句は言えない立場にいるわけで…
ま、気を取り直して。
呪いは解けることはまずない。
が、効力を弱らせる程度なら出来る。
条件は案外楽なもので、呪いを掛けた張本人から離れるという物である。
離れれば離れる程呪いの効力は弱まる。
だが強力な呪い、例えば今俺の目の前にいる霧葉の眼に宿っている呪い、これは呪いのなかじゃ十本の指に入る程強力な呪いなのだ。
だから距離をとるなら地球の裏側にでも行かなきゃ効果は出ないだろう。
というか効果が現れたとしても塵程度だろう。
そして強力な呪い程相手にかける、または移すことが難しくなっていく。
当然十本の指に入るぐらいの呪いなんて移すことはまず不可能なことなのだ。
かけるのは物にしかできやしないし。
だが一つだけ、たった一つだけ移す方法がある。
簡単だがとても難しい、そんな条件だ。
『相手の了承を得る』
というものだ。
そしてこの条件にはルールがある。
一・移す相手が正気であること。
ニ・利き腕が正常に動くこと。
三・承認する時の言葉に嘘偽りがないこと。
四・両主の死の運命(寿命)がこの先十年以上あること。
この四つの条件が達成出来なければ成立しない。
俺はこの条件を満たした…満たしてしまった。
……後悔はしている。
俺は一人の女の子に全てを押し付けたのだ…
関係はあっても手を引ける場所にいたのに…俺は扉の鍵を開け、背中を押したのだ……
……人間の、屑である……って、あ…また暗い話しに持っていってしまった。
もう過去の話しだから~と言って忘れるわけにもいかないわけで。
さっきから点々が滅茶苦茶多い気が…
まただ!!!!また点々が俺を…!
はっ!?
っと暗かったので無理矢理明るくしようともしたが、残念賞であった。
「…昔のことでも、思い出してたの…?」
「あ、いや、呪いについて考えてた」
「…嘘下手…」
「うっ、いや…」
「…忘れないの?」
「忘れるはずないだろ!!あの呪いは本来であれば俺が持っていなくてはいけない物なんだよ!!!なのに…なのに俺は…!誘惑に負けた…自分に、負けた…」
しばしの沈黙、俺は頭を深く下げ言う。
「ごめんな」
俺は改めて謝る。
「…謝られる程、私は大したことはしてない」
こいつは昔とまるで変わっちゃいない、だからと言ってなにも変わっちゃいない、というわけじゃない
でも三年前と比べてみるとそんな変わった感じがしないのも事実である。
時間というのは本当にあっという間に過ぎてしまう。
本当にあっという間だ。
気付いたら生まれてて、気付いたらもう高ニっていう青春の舞台に立ってる。
…なんか、嫌だな~
俺は天井を見つめる。
そこにはなにもないのに恰かもそこには神様でもいるかのように見つめる。
「駄目だな…俺…」
Ersatz
彼はとても落ち込んだ様子でそっと呟く、その言葉は自分を攻めると同時に自分の愚かさと惨めさを思い
知る、そんな言葉だ。
今、彼はきっと思い出している。
自分が犯した過ちを…
人は彼を嫌い、いつか存在自体を無くすだろう。
それは運命か否かと聞かれればそれは否である。
彼は…泥葉は、人が必ず登る運命という階段を元々所持せず生まれてきたのだ。
なにせその運命さえ、見えてしまうのだから…
自分の未来も運命も、世界さえ彼にとってはただのガラスでしかないのだ。
私も昔のことを少し、思い出し始めるのだった……
……ど、どうでしたか?
やっと…聞けた…ドサッ
っとここまできて倒れるわけにはいきませんよね。
これから過去の話になります。ちょっと過去の話はながいかもですのでご了承くださし。
楽しんでいただけたでしょうか?自分的には「俺、笑いのセンスないな」とは思うわけでして…
で、ですがまだ諦めませんとも!
これからも遅くはなると思いますが確実に投稿していくのでよろしくお願いします。
では、また会う日まで~