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第四話 Who said DAJARE?


WJCの部室前。

廊下で三人の生徒が

何か騒いでる。

二人が男子、一人が

女子である。

男子の一人が持っている

箱がさぞかし気に

くわないのか女子が

指を差し何か言っている


「だからぁ~、

(お悩み相談BOX)って

書いたらおも~い悩みも

相談されにきちゃう

かもしれないんだよ~

だからテキト~に

(意見箱)とかにして」

狭山ななが言うと

すかさずに横河慎治

渡瀬怜治の二人が

声を揃えて言う

「「別に良くね?

この部活のモットーは

(みんなを笑顔にする)

だから悩み相談もOK」」

「そうだけど…

あんた達出来るの?

人の悩みを解決する

なんて?」

不安だな~。全くいつも

テキト~なんだから。

「出来る、出来ないは

問題じゃない…

こっちが誠心誠意を

尽くせば良いんだよ」

怜治が言った。

真面目な顔で

言われたのでななは

結局、折れた。

「仕方ないかぁ。

部長の二人に言われた

ならそうします~。

でも…」



「いつから語尾直して

良いなんて言ったぁ~」

「「ええっ!!!

まだ続いていたの!?」」

「当たり前でしょ!!

記録係りのこっちの

身にもなってよ!!

読者がまだどっちが

話してるかわからない

でしょうがっ!!」


慎治怜治はくるりと

周り部室へ緊急避難した

「あっ!待て~」





30分後、三人は暇なので

大富豪をしていたが…

コトン…

金属に何か落ちた音が

した。

「何の音?」

ななが手を止めて言う。

カードを配る途中だった


「多分、早速依頼だろ☆

意見箱の音だ。

取ってこよう」

慎治が立ち上がり

廊下を出た。

部室に再び入ってきた時

白い封筒を持ってきた。

慎治がすとんと腰を

おろすと

「開けてみようぜ」

怜治が言うと

ビリビリと破り始めた。

中から手紙が出てきた。

慎治が読み始めた。

「え~と、WJCの皆さん

お願いがあります。

漫才研究部主催の…」

慎治が止まった。

そして笑いをこらるため

顔を歪め、口に手をあて

テーブルを叩き始めた。

「どうした?」

怜治が手紙を見る。

怜治も笑い始めた。

「どうしたの?ゲッ…」

手紙を見ると

ダジャレコンテストの

出場依頼だった。

「これは…この間

(第三話を読んでね☆)

断ったやつじゃない…

誰が入れたの?」

そういうと部室のドアが

ガタンといった。

三人が見ると顧問の

谷山先生がいた。

「俺からの依頼だ」



「先生っ!どうして?」

私は不機嫌な感じで

言った。

「う~ん…俺が沢山の

部活を顧問んしてんの

知ってるだろ?」

そう先生は大量の

文化部の顧問をしてる。

「知ってます。けど…

それが何か…?」

先生はため息混じりで

答えた。

「先生みんなの悪口じゃ~

ないけどこの学校、

部活を創立しやすいだろ?」


確かにWJCも簡単に

創立出来たけど…

「文化部の何か訳の

分からん部活は全て

俺が顧問んしてん…

半ば押し付け、半ば

進んでだが…」

「「そうなんですか?

大変ですね?」」

慎治怜治が他人事の

ように言った。

「その一つ、漫才研究部が

このダジャレコンテスト

をやるわけだが…

参加者を募集している」

「ハイハイ。で?」

「校長がお前らも

参加してみろと…」


校長直々の命令か…

こりゃあまずい…

創立を推したのも

校長だからここで

活躍しなければ…。

と思いつつ、

「あんまり出たくないなぁ~」


と言うと先生は

「そんなこと言って

いいの?そ~したら

こっちもね☆

顧問やめちゃうよ☆

誰もこんな部活顧問

してくれないよ☆」


「「やらせて下さい!!」」

慎治怜治が身を乗り出し

答えた。

先生の顔がニヤ二ヤで

広がった。うわっ!

悪い顔…。

脅しに屈するWJCだった。



「で…、どうするの?」

私が聞くと慎治が

「決まってる、

出るからには優勝を

目指す!!」

「そうだっ!!ダジャレは

俺達の十八番じゃないか」

怜治が気合い入りまくり

「俺達…の中に私は

入ってないよね?」

「「無論、入ってるわ!!

これから毎日至高の

ダジャレを考え抜く!!」」


それからコンテストまで

一週間は部室でダジャレ

考えた。しょ~もなっ!!

谷山先生に言って

私は二人の付き添いで

行くことにした。

慎治怜治は

「「なな!!気合いが

足りん!足りんぞっ!!」」

と言っていたが

すんなり受け入れた。



大会当日。

体育館で行われるため

三人で体育館に入った。

すると

「巨大なダジャリストの

匂いがするぜっ!!」

(ダジャリストってなんだよ)

心の中で突っ込んだ。

好敵手(ライバル)たちが

俺達を呼んでる!!」

何故か二人とも

眉毛が濃くなり

少年バトル漫画の

主人公の顔をしてる。

「今日、ここで俺は

最強のダジャリストになる!

慎治!!お前だろうが

手加減しないぜっ!!」

「あぁ!!わかってる。

決勝で会おうっ!!」

二人が熱い握手をした。

「参加者は集まって下さい

今から開始します」

漫才研究部の部員が

マイクを使って言った

「いくぞっ!!」

「おおっ!!」

二人とも予選で

落ちれば良いのに…


数分後…

体育館は50人ぐらい


「さぁ~始まりました!!

漫才研究部主催校内

最強ダジャリスト決定戦!!」


「ダジャリストって

結構使われてるっ!!」

思わず口走ってしまった

周りの人達がざわついた

「えっ!?まさかダジャリストも

知らない人がここに?」

「無知にもほどがある…」

「いや~ね。新米かしら?」

汗ダラダラかいてきた。

「参加者250人を

越えるなか…

先日、行われた

厳選なる予選を

勝ち抜いたダジャリストが!!

今日、チャンピオンを

決めようとしてます!!」

(予選…いつやったんだ?)

思ってると谷山先生が

近づいてきた。

「予選なんてないよ☆

参加人数盛っちゃった☆」

さらっと言った。おい!!

「決勝に出る人数が

ホントの参加人数」


「さぁ~、出てきて

貰いましょう!!

ダジャリスト!!カモンッ!!」


手を振りながら

続々と1人、2人、3人…



「5人っ!!!!

盛りすぎでしょうっ!!」

「てへっ☆」

「てへ☆じゃない!!」

ステージを見ると

慎治怜治がかなり

興奮した顔をしている。

うわ~、これ知ったら…

黙っとこ~。


「さぁ~今回決勝に

進んだ猛者ダジャリストを

紹介しましょう!!

まず、一人目

クラスで勢いで参加

しちゃった。山田君!!」

この時点で猛者じゃない!!

山田君もかなり恥ずかしそう。

「二人目、ダジャレの

魔術師として名高い

下田君!!」


変な仮面とマントという

コスチュームの男子が

マントを翻し、司会の

マイクを奪った。

「今年こそは優勝する。

でなければ、俺は

留年するっ!!」

堂々と優勝宣言すると

体育館内が湧き上がった。

司会がマイクを

受け取り

「下田君はここ数年、

チャンピオンを逃し

五年留年中です」

こんな大会に人生

無駄にすんなよっ!!


「続いて三人目、四人目を

紹介!!その能力は未知数!!大型新人ルーキー!!WJCの横河慎治君、渡瀬怜治君ですっ!!」


二人が前に出て歓声に

応えた


「最後に去年は惜しくも

最下位!!自らを

GOD OF ダジャリストと

呼ぶ、横須賀君!!」


最下位なのに神を

名乗っとる!!アホかっ!


「さぁ~、この5人により

繰り広げられるバトルを

審査するのはこちらの

三人っ!!

前回チャンピオン!!

二階堂君!!」

体育館はかなり

湧き上がった。

「きゃ~二階堂様!!」

黄色い声援だ。

「ダジャリストのプリンスよ」

「サインをちょ~だい」

二階堂君が手で合図する

すると体育館が静まる

「今日という日を

楽しみにしていた…

俺と張り合える奴を

やっと見つけられる…

さあ、こいっ!!お前たち

全力で審査してやる!」

会場が最高のボルテージに

なった。

「皆さん、お静かに…

二人目は主催者の

漫才研究部部長、

杉山君。

三人目は一般生徒から

抽選で選ばれた

谷田さん」

メガネをかけている

谷田さんは興味なさげに

本を読んでる。


「さぁ、早速審査に

移りましょう!!

ルール説明です!!

単純ですっ!!

一人ずつダジャレを

言い、審査員が

一人10点満点で評価!!

最高点が30点です!!


発表する順番は

さっき抽選しました

順番です。


一番 山田君

二番 下田君

三番 渡瀬君

四番 横河君

五番 横須賀君です!!

では、いきましょう!!

レッツ!…

会場が一斉に

「「「ダジャバドっ!!」」」

と叫んだ。

なんだかな…(汗)


「山田君、お願いします」

山田君が緊張した感じで

ステージ中央に出た。

深呼吸して一瞬の間を

おく

「自転車をリサイクル」

会場がシーンとした。

二階堂君は首を

横に振りヤレヤレと

いった感じにため息。

杉山部長は表情を

崩さない。

谷田さんは黙々と

点数をボードに書く。

おお…何とも普通な

ダジャレ…。

「さあ~、一体何点

なんでしょうか!?

一斉にどうぞっ!!」

三人がボードを見せる


二階堂君 4点

杉山部長 5点

谷田さん 3点


「合計で12点、

感想を聞いてみましょう」


二階堂君がマイクを

「オリジナリティが

足りない。ダジャバドは

敵をも唸らすパンチが

重要だ。聞いたことの

ないダジャレである

のが第一条件だ。

ということでこの

作品はスタートライン

にも立ててないわけだ」

「なるほど、杉山部長は?」

谷田さんと

メガネが被るのを

気にしている坊主で

真面目そうな杉山君は

メガネをくいくいして

「私も同意見。

やはりオリジナリティ」

「では谷田さん…」

「面白くない」

即答。

山田君も少ししょんぼり

「それだけでなく

リズムがない。語呂も

悪い…」


まだまだダメ押しが

続きそうなので司会が

「さあ~次に下田君」

マントを翻し中央へ

審査員をチラリと見、

「兵士がヒゲを

ソルジャー!!」


またもや静まる…

二階堂君は今度は

真剣な顔でボードに

向かう。


「さあ~どうぞっ!!」


二階堂君 6点

杉山部長 5点

谷田さん 3点


二階堂君が

「なかなかいい線だが

ひとつ何か足りん。

もうちょっとて感じ」

「私も同意見です」

「つまんない」


「合計14点。暫定一位!!

下田君は守りきれるのか!?次、渡瀬君!!」


怜治が前にでる

「孫が大好きなたまご」


「さあ~どうぞ!!」


二階堂君 7点

杉山部長 7点

谷田さん 3点


「合計で17点。

この時点で下田君の

留年が決まりました。

感想を聞いてみましょう」



「うむ、久々に巨大な

オーラを持ったダジャリストを見た」


オーラなんてあるんかい


「まだまだ未熟だが

大きく成長するだろう

しかし、チャンピオン

にはまだ遠いし、

オリジナリティが

またない…」

「私も同意見」

「リズムは良かったが

つまんない」


「さあ~次は横河君、

渡瀬君を超えられるのか!?」


慎治が自信ありげに

前にでる


「気の毒な木の毒」


二階堂君が頷く

杉山部長は変わらず


「さあ~どうぞ」


二階堂君 8点

杉山部長 8点

谷田さん 1点


「いい!久々に

シンプルかつ個性的な

ダジャレを聞いた。

さっきの渡瀬君同様

偉大なダシャリストになる。

だが、単純さのなかに

もう一工夫欲しかった」

「私も同意見です」

さっきからまともな

意見言っとらん部長。


谷田さんからは

「つまんなすぎ」

と一言。


「さあ~ラスト、

大混戦です。初の

二人のチャンピオンが

誕生するか!?横須賀君が

一人勝ちかっ!?

運命の一瞬です!!!」


神を名乗る横須賀君が

前に出た…そして

「やかんと焼き肉」

「ダジャレじゃ~

ないじゃんんんっ!!!」

静まる会場に私の声が

こだました。

「参加者以外の方、

お静かにお願いします」

我にかえり

「すいません」と謝った。

謝ったとき、二階堂君と

視線が合った。

二階堂君はかなり

驚いた顔をしたような

感じがした。


「運命の採点です!」


二階堂君 3点

杉山部長 2点

谷田さん 0点


「なっ、なんだと…

このダジャレの神が

この点数だと…

嘘だ、嘘だ、嘘だぁ~」

叫びながら体育館を

疾走し出て行く横須賀君

に見向きもせず、司会が

「今回のチャンピオンは

WJCのお二人です~」

そう言った瞬間…

「ちょっと待ってくれ…」

二階堂君がおもむろに

立ち上がり、

「俺はいま感動している

俺と同等のオーラ…

つまりダジャオーラを

持つ奴を見つけた…

そこの…」


と指差したのは


えっ…私?

「君だ。さっき感じた。

君はいま最高の作品を

隠し持っている…

僕に見せてくれ」


「えっ~!!そんなの…」

周りにいた人が私を

有無を言わさず

ステージの方へ…

ざわつく会場…

司会も煽り、

「二階堂君が指名した

飛び入り参加の人!!

名前はなんですか!?」

仕方なく

「狭山なな」と答えた。

「では、狭山さん、

どうぞ!!」



緊張…何にもないのに

また巻き込まれたぁ~

どうしよう…


無心の状態で

思い浮かんだのは


「サンダルに1$札を

ハサンドル」


会場がざわつく。

二階堂君と杉山部長が

びっくりした顔をする

谷田さんは頷く。

「さぁ~運命はいかに!」



二階堂君 10点

杉山部長 9点

谷田さん 6点


「なんと優勝は…

飛び入り参加の

狭山ななさんんっ!!」


「えええぇ絵江え得~」



「素晴らしい…実に

素晴らしい」

「私も同意見です」

「何か言いなよっ!!」

突っ込んだ。

「懸詞が良かった」

谷田さんから今日

一番の誉め言葉を

もらった。




数日後。

新聞部の滝川文子が久々に

部室に来た。

「約束通り!!狭山さんを

特集しときました!!

昨日の学校新聞、

読みました!?」

私は苦笑いして、

「読んだよ…

読んだけど…」

続きはドアが

開く音にかき消された

「滝川っ!!また

間違ってるぞっ!!

部活名がWOW(わお)

なってるぞっ!!」

「えっ!!またですか!?」

新聞部部長が文子の

首をつかみ引きずって

「また間違えて…

たっぷり説教だっ!!」

「うっう~う~」


ガラガラ

ドアが閉まった、

と思ったらまた開いた

慎治が意見箱を持って

入ってきた

「お~い、依頼だぞっ!!

しかも、なな宛だ」

ニヤニヤと慎治。

「えっ?なんの依頼?」

「ダジャレの添削と

ダジャリストの弟子入りだ」


「はぁあ~~~!!!!」

校内最強のダジャリストが

いる部活として初めて

校内にWJCが有名に

なったけど…


私はその一週間

ダジャレの添削に

おわれつづけた…。


しょ~もなぁ~…






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