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第三話 the wrong news


WJCの部室。

三人組が今日も

揃っている。

隣の部屋から何か

騒がしい音が聞こえて

くる。


「なにか騒がしくね?」

「隣に新しい部活が

入るらしいよ」

なな。(イライラ…)

「へぇ~、そうなん?

ところで最近どう?」

「別に…あやとりが

上手くなったぐらい」

「へぇ~、そうなん?

お前、今日あやとり

持ってない?」

「持ってないぃ~」

なな。(イライラ)

「何か腹へらね?」

「へらね。折り紙は?」

「別に…」

ガタン!!

おもむろにななが

立ち上がり、

「あんたたちぃ!!」

「「はいぃ!!!」」

二人がピシッと

グダグダからなおった。

来客の応対用の

ソファーとテーブルが

ガタンと音をたてた。

「わかってる!!

あんたたちの

しゃべり方似てるの!!

特徴ないのっ!!」

「「で!?」」

二人が不思議そうに

聞いた。

なながダークな顔で

ニコッと笑った。

「察して…」

「「わからん」」

堪忍袋の緒が切れた

音がした。

「どっちが話してるか

わからんのじゃ~~!!」

「何で?」

「これ読んでる人が

分からないし、

なにより………」

机を叩きつけ、

「~が言ったとか

書くのがめんどいん

じゃ~~~~!!」

「「なんて理不尽な」」


「いいから語尾に

特徴付けてキャラ

立たせんか~い!!」

「「ひえ~~!!」」




廊下をヒタヒタ歩く

上履きが一足。

WJCの部室のドアの

前で止まった。

ガラガラ、

「あの~…」

視界に入ったのは

男子二人に女子一人。

明らかに女子は

不機嫌だし、こっちに

気づいてない。

男子二人は何か

不思議そうな顔…

「はいっ、慎治は

だぴょん☆を付ける!」

「はいっ、だぴょん☆」


ええぇ~~。

「怜治はブンブン☆」

「はいっ、だブンブン☆

お、お客様だブンブン☆」

「え?」

残りの二人がこっちを

向く…明らかに

怪しい感じ…だぴょん、

ブンブンとか、何?

ヤバい…

本能が告げた


「何で逃げるぴょん☆!?」



「え~と?ここは~?

新しく出来た部活…

ですよね~?」

捕まえて引き戻し、

ソファーに座らした。

「そうだ、ブンブン☆」

「えぇ~」

凄いいやそうな顔…

ななが

「あのどちら様ですか?」


「ああ、そうでした!?

私、新聞部の

滝川文子(あやこ)です。

今日はこちらの部活の

取材をしに来たんですが…?」




「「「取材?」」」

三人が珍しくハモった。

「そうです。我が新聞部は

全校生徒の活躍や

ニュース、伝言などを

伝える活動をしています

だから、新たに出来た

部活をみんなに

分かりやすく伝える

ように取材をしに

来ました。

こちらの部活動は

特殊なのでかなり

良い記事が書けると

思います。

取材してもよろしい

でしょうか?」

まあ、私からすれば、

願ってもないことだ。

正直この部活のことを

二人の口からちゃんと

聞いていないから

ちゃんと聞いておこう。

「まあ、いいぴょん☆

最近、どうしたら

この部活が有名になるか

悩んでいたところだ

ぴょん☆」

慎治怜治二人とも

頷き、納得した顔を

している。

「よろしいんですね?」

「いいだブンブン☆」

私も頷いた。

滝川さんは明るい顔に

なった。


「じゃあ、早速自己紹介

お願いします」

三人が顔を見合わせて

「じゃあ、俺からだ

ぴょん☆名前は

渡瀬慎治だぴょん☆

部長だぴょん☆」

滝川さんがメモ帳に

スラスラ書く。

「俺は横河怜治だ

ブンブン☆同じく部長

ブンブン☆」

メモ帳から顔をあげ、

滝川さんが

「二人が部長ですか?

珍しいですね?」

「「まあねだぴょん

だブンブン」」

「部活の活動は

どうやって決定

していますか?」

「「だいたい二人とも

同じこと考えてる」」

それぞれの語尾を

つけて二人が言った。「ふ~む。ホントに息

ピッタリですね。

じゃあ、次…」

私の顔を見てきた。

「はっきり言うと

一番興味あります…」

うっ…

ジロジロ見られると

やりにくいな…

「私は狭…」

私の声は途中で

切れた。

「こいつは狭山なな。

スリーサイズは上か…」

「ちょっ!!待って!?

何で知ってんの?」

「知らないぴょん☆

てきと~に言おうと

しただけぴょん☆」

問答無用でこぶを

頭のてっぺんに

作ってやった。

「ごめんね。私は

狭山なな。こいつらの

子守役。役職は

副部長兼書記兼会計兼

記録係りです。」

「なるほど」

メモ帳に何か

付け加えている。

「じゃあ、この部活の

主旨は何ですか?」

「下らないことを

やるだブンブン☆

そしてみんなを

笑わすだブンブン☆」「へっ!?」

滝川さんが

驚きの声を出す。

私がすかさず

「みんなの笑顔の

ために活動をしてます。

結構様々な活動を

選ばずやっているので

しょ~もない仕事が

たまにあるってこと」

半分嘘だ。

「ふむ。では主な活動内容は何ですか?」

慎治がすかさず

「あやとりだぴょん☆」

「えっえ~!?」

フォローする私

「こいつらホントに

しょ~もないから

真面目に聞いちゃだめ。

え~と自分達で出来る

みんなの笑顔に繋がる

活動を考えて

やってます」

「ああ、そうですか…

ある種の慈善活動

ですね?凄いですね」

「これからは

意見箱を設置して

依頼を聞いて活動

するだぴょん☆」

「へぇ~考えてますね」

私も初耳だったので

ビックリしたが顔には

出さなかった。

でも待てよ…

依頼ってもしかして…

「依頼はしょ~もない

ものしか来ないと

思うブンブン☆

だけど頑張るブンブン」

やっぱりか。

どちらというとそっちが

メインだろっ!!

「では依頼がない日は?」

「コンテスト優勝を

目指して頑張ってる

だぴょん☆」

これも初耳。

私の疑問を滝川さんが

聞いてくれた。

「何のでしょうか?」




「ダジャレだぴょん☆」

「ダジャレかいっ!!?」

思わず立ち上がって

ツッコんでしまった。

「えっ!?違うんですか?」

滝川さんも真面目に

私に聞いてきたので

二人のことだから

ホントかも知れないかも

と思ったので

「えっ、え~と…

そうそうやってます。

次の大会は優勝します」

「そうですか。じゃ、

優勝したらまた特集

組みますんで頑張って

下さい」


「では…」

滝川さんの声が

途切れた。

WJCの部室のドアが

開いたからだ。

「お前ら三人、

ちょっと来い…

依頼が来たぞ」

暗い真剣な顔をした

顧問の谷山先生が

来た。口を真一文字に

結んでいる。

「「分かりました」」

二人がすくっと

ソファーから

立ち上がって部室から

出ようとした、

「ちょっと待って下さい。

取材はあとちょっと

残ってます」

滝川さんも立ち上がって

止めようとした。

が、二人は先生に

付いて行ってしまった。

「ごめんね。さっきも

言ったけどこの部活は

みんなの笑顔をつくる

ためにつくった部活

なんだ…。ちょっと

変わった部活だから

みんなから認められるか

不安だけど、笑顔が

最優先事項だって

二人いつも言ってるから

許してあげてね」

肩を落としてる

滝川さんに言った。

「そうですね。

仕方ありません。

私もみなさんの

部活が認められるよう

頑張って記事書きます。

狭山さんも行って

あげて下さい。

子守、しなくちゃ」

私はちょっと

苦笑いしたがまあ

感じは悪くないかな。

「では、一週間後に

新聞は発行されます。

楽しみにしていて

下さい。ではまた」

滝川さんはちょっと

真面目で天然だけど

良い人だった。



谷山先生の部屋に

着くやいなや、かなり

重い雰囲気だった。

「よし、狭山も来た。

お前ら、最近暇だろ?

校長直々の命令だ…」

まさか活動しないから

廃部とか?まずい…

緊張の一瞬。

沈黙。

「お前ら…」






「ダジャレコンテスト

出場しないか?」

「「「マジかよ!!!」」」




一週間後。

WJCの部室に滝川さんが

来た。

「出来ましたよ!!

新聞!!これでこの

部活も全校生徒に

知られるでしょう?」

興奮気味にテーブルに

ひらりとおかれた新聞を

ワクワクしながら

三人で手にとった。

30秒新聞を見回す。

(あれ…?)

三人が顔を見合わす。

もう一度30秒見る。

「どうかしました?」

私達の反応を訝しげな

顔で見る滝川さん。

「滝川さん…これ…」

そういうと部室の

ドアが勢いよく開いた。

「ここにいたか滝川!

ちょっと来いっ!!」

「部長?どうかしました?」

「どうかしましたかも、

お前また間違った部活

特集しているぞっ!!」

「へっ?この部活じゃ?」

私達を見る。

「違う。新しく部活でも

WJC部ではなくて

隣の部室の(文部)だ」

「えっ!?ここ、文部じゃ」

「いいから部室まで

行くぞ!!書き直しだ!!」

ズルズルと滝川さんは

引きずられていきながら

「だってここの人、

語尾にブンブって…」

来るときと同じく

勢いよく閉まった。

部室が暗い雰囲気に

なり静まり返る。

「シーーーーーーン」

「ブンブン(汗)」

怜治の声が木霊した…。



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