第14話 喧嘩
みなさん、こんにちは!!
WJCの狭山ななです。
いつもこのしょ~もない
部活の活動記録を
読んでいただき
ありがとうございます。
えっ?最終話なのかって?
もちろん、違いますよ☆
今日はみなさんに
まともな(いつもまとも
ではないけど)活動は
できなかったので
報告いたします。
では、
何故できなかったか?
説明しましょう!!
帰りのSHRを終えて、
私は掃除当番なので
掃除をしにいきました。
しばらくして、私が
巷では「ジャイアント
黒板消し」とよばれる
もしくは略されて
「ジャイコ」とよばれる
黒板消しをクリーナーに
かけていると、WJCの
顧問谷山先生が慌てて
私のほうに来ます。
口早に私に
「ついてこい」と言うと
きびすを返して
廊下を進んで行きます。
私は何だろうと思い、
友達の朝華にジャイコを
渡して谷山先生に
ついていきました。
谷山先生が足を
止めた場所はWJCの部室。
中からは大声が。
状況を私は察しました。
が、その時はジャイコが
あんなことに使われる
なんて、まだ知りませんでした。
ジャイコはさておき、
中はたいして危機的状況
ではないと私の長年の
勘が教えてくれました。
「慎治怜治が喧嘩してる。
止めたほうが良いから
止めてきてくれ」
何故か、焦ったように
谷山先生が言うのが
少し可笑しくて笑った。
「なんで笑う?」
不思議に思った先生は
眉をひそめて私を
見ました。
「先生、大丈夫ですよ。
放っておけば。
年に一回ぐらい二人で
ああやって喧嘩を
するんです」
「そうなのか。お前が
言うならそうなんだが
あの二人が喧嘩なんて
考えたことなかったから
ちょっと慌てたんだ」
「そうですか。大丈夫。
どうせしょ~もない
理由で喧嘩してますよ」
私は部室のドアを開けた
やはり、喧嘩の真っ只中
「俺だ!!」
「いや!俺だっ!」
「いやいや!俺だっ!」
「いやいやいや!俺だ!」
「いやいやいやいや…」
「ハイハイ、
何やってるの?」
二人の間に割って入る。
「「なな」」
谷山先生も入ってきた。
「「聞いてくれよ。
こいつが…」」
慎治怜治のそれぞれが
相手に指差して言う。
「どうせ同じことを
話すから一人でいいよ。
怜治が話して」
キッパリと私が言うと
怜治が話しだした。
「話せば、長くなるが…」
二人が帰りのSHRを終えて
廊下を歩いていると
二人の女子が向かいから
来たらしい。
二人は慎治怜治の
ファンクラブの会員で
(慎治怜治はモテる)
二人に話しかけてきた。
「きゃ~生の慎治よぉ~!!」(キー高め)
「こっちは生怜治~!!」(超音波レベル)
とか、何か言われて
「「乾燥してたら
どうなってんだ?」」
とか、普通に聞いたら
女子二人は抱腹絶倒。
二人の笑いは慎治怜治の
両耳をほぼ破壊しかけた
が、ギリギリ壊れずに
済んだ。
落ち着いた女子二人は
慎治怜治に聞いた。
「どっちのほうが面白いの?」
「「俺だろ」」
二人は同時に自分を
指差し言った。
もう一人の女子が
「お菓子一つしかないけど
あげる!!どっちが食べる?」
「「俺だろ!!」」
二人は睨み合った。
「というわけだ」
「「しょ~もない」」
予想した通りだった。
谷山先生もため息もの。
「で、どっちのほうが
面白い?どっちがお菓子を
食べるべきか?」
沈黙を守っていた慎治が
破り、たたみかけてきた
「ふつ~~…にお菓子は
半分こにしなさい」
私がいうと二人が
そのお菓子を指差す。
あめ玉だった。
「わけられないね☆」
谷山先生がちゃかす。
「じゃあ、じゃんけん」
「何回もやったけど
あいこが100回続いたから
止めた」
怜治がふてくされる。
(何そのいらない奇跡)
「じゃあ、私が食べる」
冗談で言ったのだが
「「ななならいいか」」
と簡単に諦めた。
((あいこ100回の執念は
どこいった!!?))
口には出さない優しい
私と谷山先生。
一つ目の喧嘩はクリア!
本題はここからだった。
「あめ玉はいいけど
どっちが面白いかは
まだ決まってない!!」
怜治が叫ぶ。
「そうだ!!まだだ!」
睨み合いがまた始まる。
「慎治!!」「何だっ!!?」
「このまま言い合いを
続けても埒があかない」
「そうだなっ!!なら
どうするっ!?」
「提案があるっ!!
面白さを競う試合を
三試合して先に二勝を
したほうが面白い!!
で、どうだ!!」
「シンプルでいいなっ!
のったぁ!!!!!!」
「では、始めよう…」
「おぉ!!」
二人は部室から出て行く
谷山先生が頭をかく。
「アホだな…あいつら」
「今気づいたんですか?」
「最初からうすうすは…
だけど今日確信した。
しかし、扱いがうまいな狭山」
「誉められても
嬉しくないです…」
顔に出たのか、先生は
「大変そうだな…
あの二人のお守りは。
あとでラーメン奢るよ」
そうなんです…
大変なんですよ、
でかい子供のお守りは…
部室から出て行った
二人を追うと何故か
ゲームセンターに。
どうやら、一回戦は
ここで行われるらしい。
慎治怜治はあるゲーム機
で立ち止まった。
「ラウンド①は俺が
決めたぜ!!」
慎治が私達に説明を
始めた。
ラウンド①
「最強のツッコミ」
パンチングマシーンで
より高いスコアを
出したほうの勝ち
「以上だ!!まずは怜治!
公正なジャッジを頼むぜ
二人とも!!!」
なんか勢いで私達は
審判にされた。
「仕方ねぇ~な。一応は
顧問だからな」
ボヤく先生をよそに
怜治は百円を投入する。
そして、付属してある
グローブを着けると
素振りを始めた。
ゲーム機が何かしら
説明をしている。
説明が終わると
ターゲットが起き上がる
「行くぜっ!!」
怜治がシャドーボクシングを
やめて、気合いを入れる
構える…
ピクリと動くと
全体重を拳にのせて
ターゲットを殴る。
腕のうねりが聞こえた。
ゲーム機がスコアを
計算し始める。
「100kgか…なかなかだな」
満足げに怜治が言う。
「なかなかって…
お前、普通は出ないぞ」
汗だくで先生は言う。
「普通っすよ!こんなん
朝飯前!!」
そういう怜治の拳が
赤黒く腫れ上がって
いたのを見たのは私だけ
しかも変な汗かきまくり
「100kgは凡人には
出ないから慎治には
無理だな」
自信まんまんに
私達を見て怜治が言う。
「この勝負、俺のか…」
ドガシャ!!!バキッ!!ゴトン…
振り向くと慎治が
「あり?」とか言ってる。
「「「折れとるぅ――――ぅ――!!!!」」」
ターゲットの軸が
折れてゲーム機に
ターゲットがめり込んで
いた。ゲーム機は煙を
上げている。
慎治はこっちをむき
「やっちゃった☆」
しかも、ゲーム機は
スコアを計算中。
結果は…
「「「いっっっとぅうん~~~~~!!!!!!?????」」」
(注意 1tと言ってます)
第①ラウンドは慎治が
勝った(谷山先生が
店長に謝罪を繰り返し
部費から多少損害を
出費することになったが)
第②ラウンドを行うため
場所を移動した。
「次は俺が決める!!
次はこれだっ!!」
部室に戻ってきたら
テーブルに何か白い布で
覆われたものがあった。
怜治がそれを指差して
「次の勝負は…」
白い布を取り払う。
「ベーゴマだっ!!!」
「「面白さ関係ないよね!!?」」
第②ラウンド
「最強のベーゴマ回し」
タイトルの時点で
面白さ関係ないが
いつ面白いベーゴマ芸が
思いつくか分からない!
ここでベーゴマを
回せるようになりましょう
「「最後の文、完璧に
[昭和の遊び教室]の
講師の人だよね!?」」
「早速行くぞっ!慎治!」
「おお!!」
「「シカト!?」」
あまりにも地味な
戦いなので省略を
させていただきます☆
結果は普通に怜治が
勝ちました☆
「なかなかやるな…」
「そっちこそ」
二人はベーゴマを
持ちながらお互いを
称えあう。
しかし、その画は
果てしなく高校生とは
かけ離れたものでした。
つまり、ダサかった(笑)
「「次が最後だ!最後は…」」
最後は移動しなかった。
最後の勝負は
第③ラウンド
最終決戦!!一発芸☆
それぞれが一発芸を
行い、審判が最後に
審査し、勝敗を決める。
谷山先生がニヤリと
笑った。
「ちょっと待て、
それなら…」
なにやらぶつぶつ言って
電話をかけた。
数分後、WJCのドアが
開いた。
「お呼びでしょうか?
谷山先生」
「おお、来たな!座れ」
慎治怜治は凍りついた。
「「谷田さんっ!!?」」
説明しよう!!
谷田さんとは第四話の
ダジャレコンテストに
おいて、数々のダジャリストに
酷評と精神的ダメージを
与えた伝説の審査員で
ある。彼女の厳しい意見は
ダジャリストに健全な精神、
「あ、こんなダジャレ
ばっか言ってて何が
面白いと思っていたんだろう?俺(もしくは私)」
を呼び覚ますのである
すなわち、恥ずかしさの
どん底に突き落とすのである☆
「何かご用ですか?」
「いや、今からこの二人が
一発芸するからよ。
評価してやれ」
あからさまに不機嫌な
顔をした谷田さんだったが
「わかりました」
と静かに言った。
「この間
も拝見しましたよね?」
谷田さんが慎治怜治に
聞いた。
「「あ、はい…」」
二人は明らかに
動揺している。先ほどの
熱が一気にさめた。
急に恥ずかしそうにする
「では、早速始めて下さい」谷田さんが冷たく言う。
まずもじもじと慎治が
前にでて
「ショ、ショートコント…
歌のお兄さん」
身振り手振り、動き始めた。
「さあ~みんな~
歌いましょう!
パンダ、ウサギ、コアラ
パンダ、ウサギ、コアラ
パンダ…
ウサギ…
コアラ…
ライオンっ!!!!!!」
最後にグワッと腕を
動かした。
「「「…」」」
「あの、い、以上です」
「次」
凍りついた声の谷田さん
怜治が慎治と同じように
恥ずかしそうに前に
出た。
何故か、大きな赤い
カラーコーンを持つ。
(工事現場においてあるやつ)
するとカラーコーンを
逆さまにして、
裏の丸い穴に頭を
突っ込む…
「アリクイ…」
くぐもった声が
プラスチックを通し
聞こえた。
「どれも絶望的に
つまらないですね…」
そう言うと谷田さんは
ソファーから立ち上がり
部室から出ていった。
「「「「………」」」」
沈んだ空気が
部室を包む。
「ごめんな、怜治」
「ごめんな、慎治」
「「二人とも面白くない」」
二人が出した結論。
「「仲良く面白くなろう」」
二人が握手した。
「…ところで先生、
なんで部室に?」
だいぶさかのぼった
ことを先生に聞いた。
慎治怜治の喧嘩を
見る前に一回来ていたに
違いない。だから
喧嘩を見て私を呼びに
来たのだ。
「あ…あ~」
質問の意味に気づいたらしい。
少し悩んだが
「依頼だ依頼。ほれ」
「「げっ…」」
依頼内容は漫才…
「「僕達には荷が重いです」」
谷田さんの一言が
完全にトラウマになった
慎治怜治だった…。