↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

ニキビと恋と

作者: 露(つゆ)
掲載日:2026/11/08

「やだぁ……ニキビできてるぅ……」

 私は鏡の前であごにできたニキビを見てため息をついた。


 私は花も恥じらう女子高生。ニキビなんて気になるに決まっている。

 スキンケアだって生活習慣だって気をつけている。それでもできるのがニキビ。憎い……とても……。

 けれどできてしまったものは仕方がない。治るまで待つしか……。

 私は憂鬱な気分で支度を済ませて玄関の扉を開けた。

「よう」

 そこには幼馴染みの雅斗(まさと)が待っていた。ニキビなんて見られたくない。特に好きな人には。


 私は雅斗のことがずっと好きだ。けれど、幼馴染みという関係性により告白もできずにずるずると今にいたる。

 私はなるべく雅斗にニキビを見られないようにうつむき加減に並んで歩く。

「なあ、なんか落ち込むことでもあったのか?」

 雅斗はこういうことによく気がつく。まあ、隠したって仕方がないんだけどさ。

「笑わない?」

「笑わない」

「……ニキビできた」

「ふーん」

 雅斗はそのまま歩く。小さな悩みもからかったりしない。そんな雅斗だから好きになったのだ。

 私は雅斗に聞いてみる。

「ニキビある子ってどう思う……?」

「別にどうとも」

「ホント?」

「今更ニキビの一つや二つで嫌いになったりするかよ」

「……ん?」

 えっと……。

「あの……今のって……」

「告白」

 雅斗はなんの気なしに言う。

「ホント!? ホントにホント!?」

 私は驚いて何度も確認する。

「ホント」

 私は顔が熱くなるのを感じた。雅斗はそんな私に尋ねる。

「返事は?」

 もちろん決まっている。

「よ、よろしくお願いします!!」

 雅斗はおかしそうに笑った。

「おう」


 ああ、ニキビ様々だ。ニキビのおかげで雅斗と恋人になれた。私はニキビを好きに……はやっぱなれないわ。やっぱ嫌だわ。

 でも……少しだけニキビに寛容になれた気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ニキビを気にして好きな人の前でうつむいてしまう姿が可愛らしいですね。雅斗のさりげない告白も自然で、最後のニキビへの複雑な心境には思わず笑ってしまいました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。