エピローグ
その夜、二人はあの日と同じ夜景スポットに立っていた。
「わー!すごい綺麗!」
灯里は街の灯に目を輝かせ、思わず声を上げる。
ふと隣のルカを見ると、目を細め、口元に柔らかな笑みを浮かべている。
その表情がとても意外で、灯里は少しニヤリとして声をかける。
「ルカ、すっごい楽しそうじゃん。“電気のかたまり”とか言ってたのに〜」
灯里に指摘され、ルカは少し慌てた様子で言葉を返す。
「あ、顔に出てたんだ……
いや、夜景には今も別に興味がないんだけど……」
「そうなの? だって……」
「夜景のせいじゃなくて……
灯里がすごく楽しそうだから、僕まで嬉しくなっちゃって……」
「そ…そっか……」
思っていた反応と違い、灯里は少し照れくさくなり目を逸らす。
そんな灯里の表情を見て、ルカは目を細める。
「こうやって隣で同じ景色を見られるなんて思わなかったから……
今すごく幸せだ……」
ルカの言葉に灯里は胸がいっぱいになる。
幸せを噛み締め、柔らかな笑顔でルカを見つめる。
「私も……ルカと一緒にいると、すごく幸せ」
その笑顔を見た瞬間、ルカの胸は熱くこみ上げてくるものに包まれた。
(こんなにも、そばにいるだけで満たされるなんて……)
笑顔の灯里が隣にいる。それだけで、不安も迷いもすべて遠ざかっていく。
言葉も仕草もいらない。ただ、この瞬間だけで十分に幸せだと感じていた。
――これが“好き”ってことなんだな
ルカは灯里の手を優しく握り、自分の手の中に包むように添える。
「これからもずっと灯里の隣でいろんな景色を見たいな……」
その言葉に、灯里は目を輝かせてうなずき、ぎゅっと握り返した。
温もりが伝わるたびに、胸の奥まで幸せで満たされていく。
――ずっと、この手を離したくない。
灯里が心の中でそう願ったとき、ルカは照れ隠しのように笑った。
「……あ、景色だけじゃなくて、ついでに何か美味しいものも、一緒に食べたいかな」
その言葉に灯里も思わずクスッと笑う。
「もー、そればっかだね」
二人の笑い声が夜空に溶けていく。
手の温もりを確かめ合いながら、二人は静かに同じ景色を見つめていた。
それは、二人で初めて踏み出す未来の入口みたいに思えた。
まだ不思議で、少しくすぐったい――それでも、これからが楽しみで仕方なかった。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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続編の「天使の彼氏は嫉妬深い?」も投稿済ですので、
こちらも読んでいただけると嬉しいです。
またこれは長編のスピンオフ作品なので、いつか本編の長編作品も投稿できたらと思っています。
ありがとうございました。




