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臨時のマネージャーか。

まぁ、役どころとしては面白そうだな。

相手が近寄ってきたら、壁になって塞いで終わり。

これで金が貰えるんだから楽でしょうがないな。

そんな楽観的な俺とは対照的に、高峰杏里の顔は曇っている。

それに気づいた徳さんは、


「うん?どうした?その護衛の仕事、葛城じゃ不満か?」


「いえ!そうじゃないんです!!違うんですが、、、」


「何か問題があるなら今のうちに言ってくれ。そうしないと対処のしようがない。」


「はい、実は、、、、、チョ、マテヨさんのボディーガードに怖い方がいるんです。」


「ボディーガード?」


「はい。とても体が大きく、暴力的な人です。みんな怖がって威嚇されると誰も太刀打ち出来ません。

私のマネージャーも格闘技の有段者なんですが………一度もめましてケガをしました。」


「それでうちに依頼か………」


「はい…………」


「そのボディーガードは何者だ?」


「カンフー映画のエキストラで有名な方なんですが、素行が悪く最近は映画には出ていません。」


「すると、小遣い稼ぎでボディーガードか。」


「名前はなんと言うんじゃ?」


「サモハン、ポッキーです。」


  …………。


サモハン、ポッキー?……何だそのふざけた可愛いい名前は。

会ったら友好の印に、ポッキー全種類進呈しよう。


「わしは、その、、サモハン、モンキーっていうのは知らんが、、葛城?問題ないか?」


「問題ない。」


徳さん、モンキーではなくポッキーだ。全然可愛くなくなったぞ。


「え?ちょっと?大丈夫なんですか?」


「何がだ?」


「体が大きくて怖い人なんですよ!しかも暴力的な人です!!!」


「だからどうした?それより、こちらに手を出されたらどの程度壊していいんだ?」


(はぁ?壊す?どういう意味なんだろう。)


「葛城、間違っても殺すなよ。」


「その辺は大丈夫だ。今待機している連中で、俺が一番きれいに壊せる。」


この人たち何を言っているのかしら。見た事ないからこんなに虚勢をはれるんだわ。

確かに葛城さんは身長はあるけど、、、、あんまり強そうには見えない。

最強のボディーガードって、、、何か根拠があるのかしら。

違う人にかえてもらった方がいいかも。


「あの~、ちょっと聞いていいですか?」


「うん?何だ?」


「ここで働いている人で一番強い人って誰ですか?」


「強い?何がだ?」


…………。


「もしかしてだが、、、葛城!、お前、、!心配されとるぞ!!!」

うひょひょひょぉーハァハァー


徳さん、笑い方が妖怪じみて気持ち悪いぞ。


ふーん。心配ねー。


「まぁ違うやつでもいいが。俺はどちらでもいいぞ。」


「ちなみになんですが、他にどんな方が居らっしゃるんですか?」


すると徳さんが俺に目線を送る。


俺の説明でいいんだろうか。合っているかは分らんが、俺の物差しで話してみるか。


「まず、現状待機というか、その護衛に出れる人間は4人。


一人目は俺。


二人目は響夜、こいつは短気で、単細胞で、変態だが、サモハン、ポッキーとやっても勝てるだろう。


三人目は京子、見た目ゴスロリだが、そんなに若くない、そして年中寝てる。サモハン、ポッキーとやっても余裕で勝てる。


四人目はビビ、ロシア人、私は神の使いだといつも言っている変な奴。こいつもサモハン、ポッキーとやっても余裕で勝てる。」

…………。


「と、とりあえず、皆勝てるって事ですか?」


「勝てるというか秒殺だろう。」


どっからこんな自信が出てくるんだろう。何かふざけられてる感じ。


「あと、徳さんも多分余裕だぞ。」


本当にいい加減頭にきた!!


「私は真面目に話しているんですよ!!

ふざけないで下さい!!!」


…………。


「葛城ー。俺は年だから無理だぞー」


徳さん何言ってるんだ、あんた完全に実写版の渋川剛気だろ。

年齢を言い訳にする人間が、クラブに遊びに来た190センチの黒人を半殺しにしないだろ。


しかしいつまでこの押し問答続くんだ。腹減って死にそうだ。

いい加減イライラしてきたな。

この上なく面倒くさくなってきたぞ。もう今日はダメだ。


俺は意識を戻し。

「悪いが、今すぐには返事ができない。この件は保留にさせてもらう。」

そう言いながら俺は席を乱暴に立ち上がり帰る準備を始める。

……。

「一ついいですか?」


高峯杏里が席を立つ俺を見据えて言葉を発する。


「貴方は本当にの凄腕の人間ななんですか?

人の話もきちんと!ろくに聞かず態度も悪い。!

私は依頼人よ!貴方にとって私はお客様よ!!

働いている高校生だってお客様にきちんと頭を下げて接客してるわ!

貴方の少年青年期はさぞかしやんちゃな子だったんでしょうね!」


俺の少年期、青年期か……



まぁ面倒くさい通り越してあきれてくるな。

本音で話し合ったほうが良さそうだ。


「俺の気持ちが表に出てたのは謝る。すまなかった。」


俺が素直に謝ると高峯杏里はこれでもかと目を大きくしびっくりしている。

俺が素直に謝った為高峯杏里は少し落ち着いた。


「私も大人気なかったわ。ごめんなさい。貴方の態度が変わるほどに、私の何が気にいらなかったの?」



俺は考えて沈黙する。……。


「私は貴方という人間が少し分かったから何を言われても納得します。」


教えて下さい。


俺も少し勘違いしてたかもしれないな。

ここは素直に話そう。


「腹が……」


「何?」


「腹が減って死にそうなんだ。」


「え?私の聞き間違いかもしれないからもう一度いって。」



「いや~腹が減って死にそうなんだ。

早く飯食いに行きたいんだ。」


…………

…………

…………

「ふざけないで!!」


「貴方みたいな変な人、いや、性格の悪い人に会ったのは初めてだわ。」


高峯杏里は立ち上がり息を切らしなが俺の頬に平手打ちをしようとする。




だが、俺は素早く高峯杏里の腕を掴み静止させる。

その時高峯杏里のつけてる香水が俺の鼻をくすぐる。


「ティートニックか。いいチョイスだ。」


「このド変態!!」


「高峯さん、落ち着いてくれ。」


徳さんが諭すと、高峯杏里は椅子に座りなおす。


「俺も悪かった。だがな、腹が減りすぎてイラついてるんだ。」


俺がそう言うと


高峯杏里がため息をつきながら。

「思い出したわひまわりスペース企画の噂で変人ばかりでまともに会話するのは大変だって。」


ちっとまて、俺ほど紳士な人間はいないぞ。


あぁー、それは響夜の事だな。確かにあいつは変人だ。考え方も、女の好みも斜め上、いや、空にむかってる。

沈黙のあと、高峯杏里が口を開く。


「変態で、変人なのは理解しました。」


本当に噂通りだわ。

変な人。

でも噂がかき消える位実績がある。

芸能界の珍事。

政治の世界。

どんな事も解決してきた。

でも例外があって犬に関しての依頼は絶対に受けないらしい。

何でかしら?

犬好きの私としてはちょっと納得いかない!

犬が嫌いならお父さんとも合わないかも。

まぁお父さんとこの人は一生会うことないけど……。




依頼の中心にいつも葛城さんがいると言っていた。

でも何でみんなこの人に惹かれるんだろう?

顔は少しいいけど。

依頼者の私に対してこの態度、言葉づかいも悪いし普通ならあり得ない。

みんな勘違いしてるかも。

自信満々な態度も嫌。

それなら何が何でも依頼を達成してもらうわ。

後で無理でしたって言われたら思いっきり罵ってやる!!!

蟹江さんの保護があるから適当にやってるはず。

蟹江さんに話を通した手前こちらから断ったら角が立つ。

とりあえず一度もお願いしてみて時期を見て違う人にお願いのがいいかもしれない。

上から目線で馬鹿にしている雰囲気も本当だったら嫌。

もういいわ少し話して帰ろうかしら。



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