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暴かれる事実―②―

 かなり迅速に行動したお蔭でまだブラッディジェネラルがどうこうされる場面ではなかったらしい。ほっと一安心した暗人だったが中からは陰湿な会話が聞こえてくる。

「さて、ブラッディジェネラル。早速だが今日は君の体を思う存分味わいたい。いいかね?」

「いい訳ないでしょ?初対面での印象も最悪だったけどあなた本当に何なの?」

「おや?自己紹介はしたと思っていたが、私は『五菱』の会長、五菱 助平だよ。さぁ、理解出来たのならこちらへ来るが良い。」

下手なロイヤルスイートルーム以上に豪奢な部屋はベッドも当然キングサイズのものが用意してある。老害の方は既にその事しか頭に無いのだろう。腰かけて彼女にいやらしい笑みを浮かべて手招きしていた。

「・・・う~ん。そういえばスポンサーだって聞いていたような気もするわね。でもどうしてそんな人が『ダイエンジョウ』に協力してるの?」

ブラッディジェネラルに変身した翔子は以前と違い彼との会話を続けている。というのも今回はまだ相当な距離があり、彼女の方も変身を完了させている為腕力でねじ伏せられる事は無いと確信しているからだ。

「知りたいかね?だったらまずは私にその体で奉仕しなさい。そうすれば少しは教えてやろう。」

「あ、じゃあいいです。さようなら~。」

非常に彼女らしいあっさりした受け答えに身を隠していた暗人も安心した。どうやらこの面会は何事も無く終わりそうだと。


「おや?この私を前に二度もふざけた態度が通用すると思っているのかい?」


ところが今回はそれなりの準備を整えていたのか、五菱 助平は不敵な笑みを浮かべるとブラッディジェネラルの様子が変わる。

「・・・あぅっ?!」

「そのコスチュームが誰の手で、誰のおかげで作られたと思っているんだ?」

踵を返そうとした瞬間、彼女が小さな驚愕の声を漏らすと共に動きを完全に止めた所を見るとそういうシステムが組み込まれていたのだろう。

ただ彼は人形のような女を甚振るような良い性格はしていない。嫌がる女を無理矢理押し倒したい、の更に上をいく、嫌がる女を無理矢理服従させたい願望と趣味を持っているのだ。


「私の声に反応する仕組みなのだよ。いいシステムだろう?さぁブラッディジェネラル、私の下へ来い。そしてまずは味見をさせるんだ。」


暗人でさえ知らなかった事実を前に割って入るか悩んだ時、ピンチを幾度も潜り抜けて来た翔子が一瞬で変身を解くと彼女は自由を取り戻す。

「・・・本っ当に最低ね?」

なるほど。確かにコスチュームで身を縛られるのであればそれを脱げばよいだけだ。瞬時の機転に通気口の中で感心していたがこの方法にも弱点はある。

それは翔子が普通の28歳女教師へ戻ってしまう事だ。つまり力尽くで乱暴される可能性が浮上してしまったのだ。


今度こそ助けに入る場面か?


暗人は再び飛び込む体制を作るが五菱 助平は落ち着いた姿勢を崩す事無く、隣の部屋から誰かを呼び出した。

「「?!」」

「紹介するまでもないかな?君の受け持つクラスの女子である氷山 麗美さ。さぁ麗美、こっちにおいで。」

彼が制服姿の彼女に手招きすると麗美も拒絶する様子を見せずにすたすたと歩いて行くとその隣に腰かける。そして不細工な芋のような腕が肩に回されるとそのまま未発育な胸を無造作に撫でまわし始めたのだ。

「ちょっと?!何してるの?!氷山さんもそんな汚い手は振り払って!!」

教え子が目の前で凌辱され始めたのだから翔子も黙ってはいない。声を荒げて注意するも行為が一切終える気配が無いと判断すると怒りの表情を浮かべながら2人の座るベッドへと近づいて行く。


「さて、ここで君に選択権をやろう。」


「は?!」

恐らくこの辺りまでの流れも五菱 助平の想定内なのだろう。純粋な翔子や悪に染まり切れてない暗人は突然の話題に思考がついていかなかったが次の内容から奴がまさにクズの頂点なのだと痛感した。

「君が変わりに奉仕するというのであればこの娘を無傷で家に帰そう。ただし君が拒否した場合、君の目の前でこの娘を犯す。犯し尽くす。さぁどうする?」

彼の提案と同時に何処から現れたのか、屈強な体躯を持つ黒服のボディガードが翔子の左右に立っている。

「あ、あなた・・・ほ、本当に最低で最悪だわ・・・その子まだ中学生なのよ?良心は痛まないの?」

怒りと苦しみで翔子は声を震わせながら訴えるも相手の心にそんなものは存在しない。むしろその様子を見てより興奮を覚えているようだ。

「はっはっは。痛むのは股間だけさ。さぁ早く決めたまえ。私は気が短いのでね?」

奴の下半身は既にいきり立っているらしい。苦々しくも絶望を浮かべる翔子の顔をとても楽しそうに見つめながら隣に座らせた氷山 麗美の体をより官能的な動きで揉み始める。

ここか?ここで割って入るべきか?第三者である暗人ですら憤怒を感じずにはいられない状況に辛うじて働く思考と相談するがまだ翔子に実害は起こっていないのだ。

であれば彼女が氷山 麗美を生贄に捧げる選択をしてくれればこちらも見届けた後静かに帰宅出来る。何故なら自分は翔子を守る為以外に危険を冒そうと思っていないのだから。


「・・・わかったわ。私が代わりに、その、なるから。氷山さんはすぐに帰してあげて。」


その答えを聞いて涎を垂らす五菱 助平と一瞬気を失いそうになった暗人。だが頭にはそうするのではないか、という可能性も確かに存在していた。

彼女は元プリピュアで現在は教師を務めている。当たり前のように人を助け、見返りや自分の事は一切考えずに行動出来る存在なのだ。

そんな翔子が教え子のピンチを放っておくはずがなかった。つまりこれも五菱 助平の読み通りであり、暗人の僅かな希望を摘み取られたに過ぎない。

「いいだろう。ではまずブラッディジェネラルになって貰わねばな。いや、ピュアレッドの方が・・・いやいや。まずはブラッディジェネラルだな。」

「えっ?!な、何でピュアレッドが出て来るのよ?!」


「ふほ?ふっはっはっは!何を今更、君が元ピュアレッドだという事や現在その心の渇きを満たしたくてコスプレに興じている事は全てお見通しだよ。」


これが翔子の心を打ち砕いたのだろう。目からは光が消え、視線が落ちた状態になった姿も五菱 助平からすればただの興奮材料に過ぎない。

左右に待機していたボディガードが彼女の腕をしっかり掴むと差し出すように運び、そして彼の薄汚れた手が翔子の手首に纏わりつくとベッドの上に引き寄せた。




そこから先は理性が飛んでしまって記憶も曖昧だ。


だが心は決して彼女を誰にも取られたくない。ましてや薄汚い存在に穢されてなるものかという気持ちが強く渦巻いていたのはしっかりと覚えている。

「な、何だ貴様はっ?!」

不意を突いたのも大きかったが何より暗人は幹部候補生として過酷な訓練をこなしてきたのだから多少格闘技をかじったボディガード程度では相手にならないのだ。

それでも時間はない。素早く邪魔者を無力化した後侵入者を捕縛、もしくは処理するシステムが作動する前にネクライトは翔子を抱き寄せた後、キングサイズのベッドの脚を片手で掴むと思い切り大窓に投げつけた。

だが割れない。防弾ガラスというにはあまりにも強力な壁を前に一瞬怯むも今の彼には運も味方してくれたらしい。


がっしゃぁぁぁぁんんん・・・・・っ!!


突如現れた外からの力によって大窓が割れるとネクライトは迷う事無く脱出を試みる。しかし後方には変身を完了させた『黒いピュアブルー』が五菱 助平の命令によりこちらを攻撃しそうな体制に入っていた。


ばきゃぁぁんっ!!


いざとなれば背中で受ければ良い。これで少なくとも翔子は守れるだろうと考えていたがその必要はなかったようだ。

何故なら自分と『黒いピュアブルー』の間には過去の資料で何度も見た『ピュアグリーン』が割って入り、その攻撃を受け止めてくれたのだ。


いつもご愛読いただきありがとうございます。

本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。

あと登場人物を描いて上げたりしています。

よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)


https://twitter.com/@yoshioka_garyu

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