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知り過ぎた故に―③―

 結局あの後は翔子と暗人の話題で持ちきりとなっていたがそれでよかった。でないと愛美が妙な詮索をしているのがバレてしまうから。

「じゃあ今日は暗人君に迎えに来てもらおうかにゃ~?」

そして彼氏が出来たお蔭か、いつもより飲む量を控えていた彼女は若干舌足らずではあったものの堂々と頼る姿を見せつけて来たので周りは思わず苦笑いだ。

「あ~あ。それじゃ私が翔子を家に運ぶ事ももうないのか。ちょっとだけ寂しいな。」

「え~だったら司ちゃんも彼の家に上がり込んじゃえばむぐぐ?!」

こちらの関係は皆勘づいてはいるものの本人が非公開という事であまり口外されていない。しかし愛美からすれば2人も既に3年以上のお付き合いがあるのだからそれこそ将来の話をしてもいいのにとは思う。

あと昔から剣道を続けている現役女性警官に無理矢理口を押さえつけられるのはかなり体に負担が大きいので今度からは止めてね?としっかり伝えねば。


こうして飲み会は幕を閉じ、愛美も今後について考えながら帰路に着こうとしていた所スマホから着信音が鳴る。


「あ、美麗ちゃ~ん。遅いよ~もう飲み会終わっちゃったよ?」

『・・・今から会える?』

彼女らしくない、突然の要望と妙に暗い声色に一瞬本人かどうか疑ってしまう。

「うん~いいよ~私も直接美麗ちゃんに聞きたいと思ってたから~。」

それでも明確な答えを導き出せる欲求に抗えなかった愛美は二つ返事で了承すると近くの公園にで待ち合わせる事になった。ちなみに時刻は21時を回っているので人気はほとんどない。


「・・・お待たせ。」


少し嫌な予感がしていたのはこの為か。しばらくして現れた彼女の姿形は今日の夕方に見た氷山 麗美そっくりだったのだ。というか足のギプスも再現されている。

未だ確証はなかったがそこは28年の人生経験とホステスの力量が試される場面だろう。愛美は平静を装いながらいつもの可愛らしい仕草で軽く様子を伺ってみた。

「あれ~?麗美ちゃん?中学生がこんな時間に出歩いちゃ駄目だよ~?怪我もしてるんだしお家に帰りなさい~?」

「・・・そうね。貴方を始末したら帰るわ。」

その言葉を聞いて14年ぶりに本能から危険信号を感じとった。恐らく彼女は『ピュアダーク』としてそういう発言をしたのだ。

だったら愛美も黙ってはいない。戦う手段を持ち合わせていないとしても素早くボディガードへの緊急連絡や痴漢防止用のアラームを作動させる等、身を守る手段はきちんと用意してあるのだ。


ぱぁぁぁっ・・・


しかしそれらがプリピュアに通用するのかはまた別の話だ。麗美の方も招待を隠そうともせず一瞬で『ピュアダーク』に変身するとこちらに飛び込んでくる。

始末とは言っていたもののプリピュアとその敵対組織が一般人を手にかける等はあり得ない。狙いは愛美を拉致する事であり人質として扱う事で戦いを有利に運ぼうとしている。そうに違いない。


ばきんっ!!


ところが彼女はヒールのついたブーツで本気のキックを放って来たのだ。こんなものを生身の人間が食らえば絶命どころか体に風穴が開いてしまう。

ここでやっと『ピュアダーク』が本気で殺すつもりだと理解するも、既にプリピュアを14年前に失っている愛美には対抗出来る手段がなかった。

「・・・・・早く逃げて。」

なのに無事だった理由はしばらく呆けた後、聞き覚えのある声が届いてから気が付く。

『ピュアダーク』と自分の間に攻撃を受けるよう割り込んできた存在。それは紛れもなく『ピュアグリーン』だったのだ。

まるでタイムスリップしたかのような事態に理解が追い付かないまままずは素早く後ろに下がった愛美は突如現れた2人のプリピュアを見比べる。

先程まで足にギプスをしていた麗美は『ピュアダーク』の姿となっているので確定だろう。だが14年前、共に戦った三森 来夢が何故『ピュアグリーン』に変身出来ているのか。


・・・いや、よく見るとそのコスチューム姿には違和感がある。


まずサイズだ。これは翔子のコスプレ姿にも通ずるところだが成長した今の体型では少し無理を感じた。

だが戦う力は本物のようだ。『ピュアダーク』が更に追撃を加えてくるも『ピュアグリーン』は得意の防御術で全てを跳ね返している。

夢のような光景に童心へと返っていたがしばらくして2人が攻防の手を止めると愛美も現実に戻って来た。


「もう止めましょ?!プリピュア同士が戦うなんておかしいよ!」


未だ正体はよくわかっていないが片方は『ピュアグリーン』で敵対している方は『黒いピュアブルー』なのは間違いない。

かけがえのない仲間が同士討ちをするなど絶対におかしい。それこそまるで『闇落ち』でもしない限りは・・・・・


(・・・・・え?まさか・・・・・?)


現実と過去が入り混じり、目の前で起こっている事態すら何もつかめていないがそんな考えがふと脳裏を過ると愛美はいよいよ混乱していく。

後輩が戦っていた時、『闇落ち』という現象が起こったのも聞いた事はある。だが自分達は14年も前に引退しているし現役のプリピュアでない限り『闇落ち』するはずがないとどこかで決めつけていた。


そんな事があり得る筈がない。


ではこの場にいる『ピュアグリーン』はどう説明すべきなのか。愛美は必死で頭を働かせていると『ピュアダーク』が無表情のまま口を開く。

「・・・あなた、強いわね。お名前は?」

「・・・・・『ピュアグリーン』」

美麗と来夢が短いやり取りを交わした後彼女は高く後方へ飛んでビルの影へと消えていく。

それからすぐに『ピュアグリーン』の下へ駆け寄ると絶対に逃げられないよう強く強く二の腕を掴み、あの頃の眼差しでじっと見つめた後、これらの経緯について詳しく問い詰めるのであった。


いつもご愛読いただきありがとうございます。

本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。

あと登場人物を描いて上げたりしています。

よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)


https://twitter.com/@yoshioka_garyu

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