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好きと嫌い

作者: 八神

旅が好きだ。

ひとりで音楽を聴きながら色々な景色が見れるから。

毎月色んなところに出かけているが、やはり、4人がけボックスシートに男性は私1人というのは緊張してしまう。

いくら片道30分でもどう逃げればいいかわからなくなる。

いっそ歌とか詩とかなにか形にしてしまった方が楽なのではないだろうか。

そんな気持ちは知る由もなく無常にも周りの時間は進んでいく。

今ちょうど駅でカップルだけが降りていったところだ。

にこやかな2人はわたしの心を綻ばせてくれる。

通勤時にみるとあんなにも憎らしいのに。

紅葉でも見に行くのだろうか。

そんなことはどうでもいいのだ。

ただただ見知らぬカップルの行く先を予想するためにこうやって揺られてる訳では無い。

なにか新たな発見をするためなのだ。

鉄橋を渡った車列は夕日を浴びて走っていく。

流れていく時間はあっという間で悶々としている間には3分の2くらいまで来ていた。

ちょうど音楽のプレイリストがくるりになった。

ただただ音を垂れ流しているイヤホンから漏れてないか不安だ。

窓にはもみじ。

見せるためにスピードを落とす。

乗客はみな窓の外を見る。

こういった様子を見るのが実は好きだ。

しかし、斜め向かいの彼女は小説を読んでいるし、隣の彼女に至ってはもたれかかってきた。

相当、疲れているのだろう。

橋梁を抜け、フルスピードになった頃にはフジファブリックがイヤホンから流れ始めた。

時間の流れは無機質に流れていく。

もみじが散り、街には星があふれ、あっという間に歳をとってしまうのだろうか。

そう感じたがまぁいいかと割り切ってしまった。

その時には列車は落ち着いてスピードを緩めていた。

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