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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゴミ回収業者

作者: 岸亜里沙

俺の住むアパートは目の前がゴミ捨て場だ。

その分家賃は安いし、窓を閉めさえすれば臭いも気にならない。お得な物件だ。

そして俺には一つ、密かな悦楽がある。

それはゴミを捨てに来る人間の“観察”だ。

俺はこのアパートに引っ越してきた日から、それを日課にしている。

汚いゴミを律儀に捨てに来る人間を上から眺めていると、俺は何故か優越感に浸れた。


そんなある日、俺がいつもの様に部屋の窓から“観察”をしていると、今まで見た事がない女がゴミを捨てて行くのを見かけた。

「近くに引っ越してきたのか?」

最初、俺はさほど気にも止めていなかったが、毎回“観察”をしている内に、いつしかその女ばかりを“観察”するようになっていた。


名前も住所も知らぬ女。

ゴミを捨てに来るのは、決まって6:20。

早朝にも関わらず、毎回小綺麗な格好だ。

「ほお、今日は緑のカーディガンを羽織っているのか。春らしくていいじゃないか」

一人でブツブツと呟く俺は、端から見たら変人なのだろう。

その女を“観察”し始めて数週間後、俺は一線を越えた。

女が捨てたゴミを部屋に持ち帰ってしまったのだ。

なんで俺はこんな事をしてるんだ。

止めなければと思ってはいたが、いつしか俺は女のゴミ回収業者と化していた。


俺は女の捨てたゴミを回収し、吟味し、コレクションした。

アパートの自室は女のゴミで溢れかえった。

「これはまだ使えそうだ」

「この古下着は活用させてもらおう」

「ヒヒヒ」


さて今日もゴミ回収するか。

6:20。いつもの様に部屋の窓から眺めていると、女がゴミを持ってきた。

だが今日はいつもと違った。

ゴミを出し終えると、女が俺の方を見て軽く微笑んだ気がした。

俺はハッとして、急いでカーテンを閉めた。

カーテンの隙間から覗くと、女は何も気にする素振りもなく、そのまま帰って行った。

俺の見間違いだったか?

女が居なくなったのを見計らい、俺は今日もゴミを回収した。


そして3日後。

俺は狂喜乱舞した。

「今日は大量だぞ」

女はふたつの大きなゴミ袋を持ってきて、捨てていったのだ。

早速回収に向かう。

ふたつともずしりと重い。

俺は急いで部屋へと運び上げた。

「今日はどんな品物があるのかな。ヒヒヒ」

ひとつ目のゴミ袋に入っていた紙袋の中には、大量の血が付いた生理用ナプキンが沢山入っていた。

「おお。これは逸品だな!ヒヒヒ」

しかし更にゴミを漁っていると、紙袋の奥からとんでもないものが出てきた。

「ヒッ!」

それは切断された人間の手だった。

だがそれだけではない。

ジップロックに密閉された人間の内臓と思われるグロテスクな物体。無理やり折られたような骨。


そして、もうひとつのゴミ袋に入っていたのは、新聞紙にくるまれた人間の頭部だった。

「畜生!あの女、バラバラ死体を捨てていきやがった!」

俺が女のゴミを持ち帰る姿を見ていたのか?

そうだとしか思えない。

俺に罪を擦り付けるために、敢えて気づいてないフリをしてたんだ。

嵌められた。

どうすりゃいいんだ。

自宅に持ち帰ったゴミの中に死体がありました?

こんな話、警察が信じる訳がない。


「くそ!ゴミ捨てのマナーは守りやがれ。死体なんか捨てるんじゃねえ」

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