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幼馴染と花屋の娘  作者: ルイ シノダ
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絵里奈の事情


 ショックだった。

大樹は、いずれ私にプロポーズしてくれる。今は、二人の楽しい時間。そう思っていた。

まさか、愛していると言える、女性がいるなんて。


私には、愛しているなんて一度も言われた事がない。好きと愛しているじゃ、重さが違い過ぎる。

 どうしよう。ここまで大樹に許したのに。物心ついた時から一緒にいて、いつも大樹は私を守ってくれた。私の言う事なんでも聞いてくれた。我儘も許してくれた。

 なぜなの。分からないよ。大樹。何故、私じゃないの。


 大樹の部屋から、帰って以来、ずっと、私は部屋に閉じこもっていた。お母さんが、心配して声を掛けてくれるが、何でもない、一人にして。と言った。


 食欲は、湧かなかったが、お母さんが、部屋に、簡単に食べられるものを持って来てくれた。

 土曜日は、そのまま寝た。


 日曜日も、外には出なかった。お母さんが、気分を変える為、外に出たらと言われたが、大樹とばったり会ったら、どんな顔すればいいか、分からなかった。

 お風呂だけは、入った。


もう、十日も大樹と会っていない。話もメールもしていない。どうしているんだろう。

あの子と一緒に居るのかな。


「三橋さん」

「はい」

「はいじゃない。何だね、これは。お客様から依頼されたデザインと違うじゃないか。見積りも間違っている。どうしたのかね。君らしくもない。今日中に出し直してくれ。明日にはお客様に説明する資料だ」

「済みません。直ぐに直します」


 あーっ、やってしまった。ここのところ、大樹の事ばかり考えて、ぼーっとしていたからか。

 デザインや見積りを見直すと、なんでこんな所間違っているのという感じだった。


「はぁー。やっと終わった」

修正箇所を再確認した後、課長へ完了した故のメールを送った。

時計を見ると、もう二十一時。周りに誰もいない・・あれ、誰かいる。


「三橋さん。終わったの」

「えっ、はい」

同じ部署の神林さんだった。私より三年早く入社している。


「昼間、課長に随分言われてたね」

「いえ、私が悪かったので」

「そうか。ところで、仕事終わったなら、少し気分変えに行かないか。もう二十一時。されどまだ二十一時だ。どうかな」


気分変えか、悪くないな。最近詰まっていたし。

「良いですよ。でも一時間位ですけど」

「三橋さん、門限でもあるの」

「えっ、まあ」


「三橋さん。入社した時から比べると、仕事の向上が、凄いよね。同期で同じ仕事している人いないでしょ」

「え、あ、まあ」

「課長も君の成長を見込んで仕事を依頼して来ているから、期待値が大きいんだよね」

「そうなんですか。私は、先輩達から教えられた事を一生懸命こなしているだけです」

「三橋さんは、自己評価が控えめだね。良い事ではあるけど」


もう一時間を過ぎようとしていた。

「神林さん。そろそろ」

時計を見ると

「あっ、もうこんな時間か。・・三橋さん、君が良ければ、また会ってくれないかな」

「えっ」

予想外の誘いだった。大樹しか、頭になかったから。


どうしよう。でも大樹だって、あの花屋の娘と・・。



「いいですよ」

「えっ、本当ですか。駄目もとだったんです。三橋さん。誰も寄せ付けないオーラが出ていたから」

「・・・・」


なにその、誰も寄せ付けないオーラって。


今日は、これで、別れた。

大樹から、連絡が入っていないかなと思って、スマホを見たが、何も入っていない。なんで。

 やっぱり、あの時、いきなり出てきてしまったのが、いけなかったのかな。


 時間が経つと冷静になって来た。花屋の娘を愛していると言ったからって、私との今までが、無くなる訳じゃない。これから大樹と愛を育んで・・。大樹と愛・・。愛ってなんだろ。


 体を許すまでに、好きになった。彼は私を異性として好きだと言ってくれた。愛ってなあに。LIKEとLOVE。文字数同じだよ。


 絵里奈さん、それは不味い・・。


結局、今週も大樹から連絡がなかった。


もう、神林さんとは、三回目の食事だ。なんで、この人私を誘うのだろう。変な素振りを見せた記憶ないし、誤解されることもしていないのに。


「三橋さん。もう三回目ですね。お付き合い頂けるの」

「そうですね。神林さんは、何故私を食事誘うの」

「えっ、いや」


まいったなあ。三回も誘っている理由を聞かれるなんて。まったく僕に魅力ないのかな。


「三橋さん。あの、・・・好きなんです。貴方が入社した時から、気になって、ずっと見ていました。ちょっとした仕草や、笑顔。そして、同僚に見せる気遣い。本当に魅力的です。僕と付き合って下さい」

「えっ、えっ、えーっ」


付き合って言わとれても。どうしよう。まったく眼中になかった。大樹以外、見ていない。

身長は、大樹と同じ位。顔は、まあ普通。イケメンって程でもない。うーん。大樹がいるから。無理だよ。黙っていると。


「初めから、お付き合いは、無理ですよね。あの、お試しじゃあ、だめですか」

「試し?」

「はい、後三週間。僕の誘いにお付き合い頂けないでしょうか。その間に三橋さんに僕を振り向かせます。全くだめだったら、諦めます。だめでしょうか」


どうしようかな。私、大樹以外は、興味ない。でも大樹。連絡してくれないし。困ったな。こんなこと言われるの。・・・。


「神林さん、絶対、会社の人には、ばれない様にして。会社の中で、少しでもそんな素振り見せたら、そこで終り。それでいいなら」

「分かりました。約束は、守ります」


次の週、食事の時、土曜日にデートしてくれと言われた。土曜日は、いつも大樹とだったけど。今は何も予定無いし。OKした。



―――――


絵里奈さん。悩んでいます。迷路に入らなければよいのですが。


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。




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