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プロローグと言う名の本文


 小説としての基本的な形と言うモノを無視して書いています。

 それでも、読めるように、読みやすい様にと極力注意はして書いてはいますが、読み難い部分も多々有るかも知れません。

 その部分は今後の勉強、課題として精進していこうと思います。

 

 それでも良いと思われる方、暫くの間ではありますが、お付き合い下さい。


 宜しくお願いします。



 以下、本文のスタートです。


 

 

 薄暗く狭い、窓も無い、石で囲われた部屋。


 唯一の灯りは、床からの光の光線で描かれた魔方陣。

 その真ん中に、片膝を付いた男が、入り口の分厚い木製のドアの側に立っている槍を携えた兵士にユックリと顔を向けた。

 男と目が合ったその兵士は、顎を落とし驚愕の表情で、声にならない叫びを残して、左手で支えていた槍を構えようとしたのか? 握り直そうとしたのか?そのどちらでもなく、ただ慌てたのか? 槍を落とし、床を叩くその音がスターターピストルの号砲がわりか、と、部屋を飛び出して走って行った。


 床の槍がカラカラと音をたてて、穂先で男を指し示す。

 既に魔方陣は消えていた。

 開け放たれたドアの向こうから漏れる松明の炎の光を反射して、鈍く光る穂先に目を奪われる。


 「やり?」

 首を巡らし。

 「ここは? どこだ?」石の床、石の壁、石の天井、唯一の出入口の、その向こうには、石の廊下。

 薄暗い中で目を凝らし、自身の体を撫で回す。パーカーにダウンジャケット、ジーパン、コンバース、財布に車の鍵、煙草とライター、腕時計……時間は夕方の6時半過ぎ…………。

 「夢?」はっと! 目を見開き、両手で頬を叩き「今は、運転中だ! 車のなかだ!!」

  とにかく起きなければと、その場をウロウロ……。

  一向に目覚める気配はない、それよりも、歩く度に強くなるリアル感。


  途方にくれているその時。


  先ほどの兵士と合わせて数人が、男を取り囲み両腕を担ぎ上げて、部屋の外へ、廊下へと引きずり出した。

  兵士達の息遣い、生暖かさ、辺りに響く喧騒と足音。それらが、確実にリアル感を押し上げていく。


 「俺は、死んだのか? ここは、死後の世界?」抗う事の出来そうにないリアル感に、それをどうしても否定したいとの感情からの言葉が、漏れて言葉になる。「ふっ、まさかな」




 男が連れてこられたのは、天井の高い大きな部屋、ここにも窓は1つも無い。

 分厚く、大きな両開きの木製の扉をくぐり、部屋の中央に連れてこられて1人立たされる。

 その正面、奥の一段高い所の玉座に1人、わかりやすく王さま。王冠を頭に掲げている。

 両脇には、家臣達か? が、数名。

 両側面、壁側に、ローブを着た数名づつ、丸い水晶? を両手で抱えている。

 最初に口を開いたのは、王だった。


 「この者がそうなのか?」ジロリと男に目を向けて。


 「ハイ、間違いございません。ソコなる兵士が、光る魔方陣の中にこの者が突然姿を現すのをその目で見たと……」王の右隣の家臣。


 「勇者の卵らしきモノも、この者の中に確認出来た、との事」左隣の家臣が、一番近くに居るローブの男に、頷きながら。


 「おおそうか!」王が身をのりだし「して、何の勇者だ? 剣か? 槍か?」一呼吸置いて、一段声を落とし「弓か?」


 その問いには、誰も答えず、ただ沈黙。


 「魔法か?……その類いか?」露骨に気落ちした声。


 が、まだ、沈黙が続く……。


 「ええい! 誰か答えよ!」部屋の真ん中に立ち尽くす男を指差し「この者は、いったい何の勇者なのだ?!」勢いあまり、玉座から滑り落ちそうなところを、右手の家臣が支えてつつ、左の家臣を睨む。


 睨まれた家臣は、一度目を伏せ、直ぐにローブの男に目配せしながら顎でそくす。


 即されたローブの男は、躊躇を踏みしめ、一歩前に。

 「恐れながら、申し上げますと……」息を大きく吸い「皆目、見当もつきません」

 

 王と右手の家臣が、揃って睨む。


 慌ててローブが続ける「私共が知る限りの武器、もしくは攻撃手段の何れとも……その素質が見えません」


 「回復か? 支援の勇者か?」明かにわかる失望を隠さず。


 「回復はほんの少しの素質しか無いようです」一番遠いローブの発言。こちらは、女性のようだ。


 「支援魔法も、同じような感じ、かと」その隣、男だ。


 「どちらも勇者と呼べる程の素質では無いかと……」一歩前に出ている、王に一番近いローブ。

 

 「それでも、勇者の素質は有るのだろう?」苛立つ王。

 

 「らしきモノの卵です」ローブが首を振りつつ「史実には無い……未知の何か、か……」

 「あとは」呻くように「魔王の卵か……」首を振りつつ一歩下がり、元の列のならびに戻る。


 「魔王か……」うなだれつつ立ち上がり、家臣に、一言、二言。そして、玉座の後ろへと消えた。


 それまで、自身の状況がまったく見えず、ただただ立っているしか出来なかった男。

 が、王の発した魔王との言葉に、まずい事になり初めたと心の何処かに引っ掛かったのか、消え行く王に何かを発しようと一歩踏み出した、その瞬間、背中に鈍痛が走り、床に崩れ落ち呻く間も無く後頭部を強打されて、そのまま意識が無くなった。




 次に意識を取り戻した時は、真っ暗な中、四方を板で囲まれた身動き一つ出来ない状態。

 直ぐに理解できた。そこは棺桶の中。

 しかも、既に息苦しい、酸素が足りてない。

 生き埋めだ。

 「○×■△……」もがき、喘ぎながら……絶叫…………。

 そのまま、暫く後……また、意識が薄くなり。そして、プツリと途絶えた。




 その、埋められた男の真上。満月の月明かりに照らされた地表には、スコップを担いだ人のようなモノが二人。


 「最近、忙しすぎる……もう、夜中だってのにまだ仕事させるのか」地面に刺したスコップにもたれ掛かりながら、男の様な女の様な、犬の様な猫の様な、そんな獣人が愚痴をたれる。


 「死人が多いからな……」こちらも、同じ種の獣人。少し離れた場所を掘っている。


 「隣の国にもとうとう勇者が現れたって、噂だし」天の大きな月を仰ぎ見て「綺麗な満月だな」ため息「北も南もとうに勇者様が居て……もうこの国だけだぜ……居ないのは」


 「ああ……囲まれちまったな……」穴を掘る手を休めることなく。


 「戦争に成るのかねぇ?」


 「成るんじゃ無いのか……たぶん」


 「戦争かぁ……また、忙しくなるのかね……」


 「ああ、だから今のうちに、予備の墓穴を掘っとかねぇとな……」


 「いったい幾つ予備が居るんだか、、」


 「…………」


 「………………」


 「おい!いい加減サボってないでお前も掘れよ!」


 「……」


 大きく息を吐き、今一度月を見て……おもむろに、もたれ掛かっていたスコップを担ぎ上げ、堀かけの穴の側まで、ダルそうに近付き「ヘイヘイ……掘るよ……」

 大袈裟に振りかぶったスコップを地面に突き刺した。

 カツン!と、音がする。

 「何だ?宝箱でもほりあてたか?」


 「違うだろ……こんな所にそんなもんあるか……良く見ろ」


 掘り出したのは、しゃれこうべ……頭蓋骨、頭の骨だった。


 「っちっ……先客が居やがった」スコップの先でコツコツと叩き。

 と、骨の目玉が光った。

 「んn?……なんだ?」目を凝らす。


 「どうした?」鼻息をたて「今度は、なんだ?」


 「いや……今、光ったんだ…………目玉が……」


 「いい加減にしろよ!骸骨に目玉なんかあるはずないだろ!」


 「ホントだって、光ったんだ」


 「おおかた、月明かりでも反射したんだろ……」語気を強くし「さっさと埋め戻せ!」


 「おいおい、久々の地上なのに、埋め戻さんでも良いだろ?」


 「あー、うるさい!そんなに仕事が嫌なら……もう帰れ!!俺がやる」


 「いや……今のは俺じゃない……骸骨が喋った」


 「大概にしろよ!!」スコップを男の方に突き立てて「骨が光ったり、喋ったりするわけ無いだろ!!」そう、言い終わらないうちに。


 目の前、土くれを巻き上げ、骸骨が立ち上がった。

 軽口を叩いていた方の男は、腰を抜かし、ヘタリ込んだその状態で、何とか応戦しようと、スコップを振り回す。

 が、骸骨はそれを、いとも簡単に避けつつ奪い取り、一撃。


 真面目な方の男は、それを見て、一目散に逃げ出した。


 月明かりの墓場に叫び声がこだまする。

 


 まずはプロローグ。

 お付き合い有り難う御座います。


 コレから先、どんどんと小説の形を崩していこうと思います。

 余りに酷い場合は軌道修正もするかと思います。


 まだまだ暫くの間はお付き合いの程を宜しくお願いします。

 

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