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アラフォー聖女様は突き進む!  作者: 流 疾風
召喚されたその先で〜聖女になって突き進む!〜
6/19

6話 子だくさんになりました

少し短めです〜


幸いなことにお昼になるまで魔物出現の連絡はなかった。昼はトリヤさんが予定通り運んできてくれた。

2人分ちゃんと用意してくれてて、軽くといった方はサンドイッチが、もう一つはがっつりお肉料理だった。

普通に見たら片方が私用で片方はカイゼルさん用だとわかるからか、カイゼルさんが若干眉をしかめて料理を見てた。わかる。体調悪かったのだからいきなりがっつりな気分じゃないよね。でもだから私は片方を軽くと言ったのだ。

そう、サンドイッチがカイゼルさん用でお肉は私!お腹減ってるんだもん!

そう言ってお肉食べ始めた私をカイゼルさんはちょっと呆れて見てたのは言うまでもない。ええい!いいじゃないか!沢山食べるのはいい事だ!

食後のお茶を飲んでる時に魔物出現の連絡がきた。当然私とカイゼルさんは行くことになる。休めたけど体調は大丈夫か心配だったけどそれは杞憂に終わった。というのも今回はそれ程魔物の数が多くなかったからだ。あと、やはり私の守りがあるのはかなり違うみたい。防御も回復も万全の体制だからまあ当然といえば当然か。

そんなわけで思いのほか早い帰還となった。今は騎士団の敷地内の部屋で騎士さん達の治癒をしてる。酷い怪我人は居なかったから帰還してから手当てしてるのだ。私の防御魔法のおかげで確かに怪我は減ったけど全く無いわけじゃない。万能っぽい防御だけど弱点はある。流石の私の魔力でも騎士さん達全員に最高強度の魔法はかけられない。数をかけるとどうしても質は落ちてしまうのだ。

だからちょっとした切り傷とか打撲はあるのでそれを治癒してる。因みにカイゼルさんとローレルさんにだけは最高強度で魔法かけてるけど。2人が倒れたりしたら一大事だからね。

重傷者はいないから全員まとめて治癒でも良かったんだけど、制御訓練と顔合わせも兼ねて何人かにわけて治癒してる。最初は恐縮してた騎士さん達だけど私が気軽に話すから段々と打ち解けた。

しかしこうして若い子に囲まれてると何というか。

「子だくさんなお母さんになったみたい」

「ぶっ、マリコ様、それは」

思わず口に出したら治癒してた騎士さんが吹いた。彼は比較的歳が近い方。といっても25歳だけどね。

騎士団の平均年齢は低い。20歳前後の人が多いかな。中には成人したての16歳とかいるからびっくりだ。あ、この世界成人は16歳なんだよね。

「だって、みんな私より歳下だし。初々しいし可愛いしとかしか思えなくて」

まだ40歳は暴露してないけど、カイゼルさんに近いとは話してる。黙ってるとホント20歳くらいに見られるんだもん。え?実年齢は暴露しないのか?いいじゃないかちょっとくらいー。

話してるうちにすっかり敬語もとれた。会社で話してるみたいな気分。

「可愛いくはないかと思いますが」

「いやいや、外見じゃないからね。なんかこう、雰囲気?構い倒したくなるような」

見た目はみんなもちろんがっちりしてる。うちの新入社員くんとか営業の割にひょろっこい子達とくらべたら雲泥の差。いや、比べたら悪いか。

けどみんな反応は凄い素直で真面目な子ばっかりだから新鮮で可愛いんだよー。

「君達みたいな子ならホント私も楽だよ」

「聖女様にそう言って頂けて俺達も嬉しいですよ。女性には結構怖がられたりしますから」

「ガタイはいいからねー。まあわからなくもないけど。話したらいい子ばっかりだよ。あっちの彼とかぎゅんカワだし」

ぎゅんカワ、ぎゅんぎゅんするくらい可愛らしいのだよ。

視線の先には若い子。1番最年少16歳の子。まだほら、あどけなさが残っててもう可愛いのなんの。

「え、あ、俺に何か?」

わたわたしとる。かーわーいーいー。女性免疫がまだ本当にないみたいだから見つめると照れるんだよね。もー、真っ直ぐ純真な子ばっかりだよ、騎士さん達。

トップのカイゼルさんが真面目な人だから騎士さん達も誠実な雰囲気は似たのかな。そういえば。

「カイゼルさんて私につきっきりだけど、奥さんとかお子さんとか大丈夫なのかな」

何気なくふと思って聞く。

「っっ!?つ!?」

「え!?団長に!?」

側で剣の手入れしてたカイゼルさんが剣を盛大に取り落とした。ついでに周りの騎士さん達が一斉に私をみた。え、何?なんか違ってた?

ってうわぁ!カイゼルさんが剣を拾って周りの騎士さん達を睨みつけた。

「どこのどいつだ…?マリコ様にくだらない事を吹き込んだのは…?」

「団長、ち、違いますって!俺達今日初めて聖女様とまともにお話ししたんですから!」

「そうですから、うわ!待って下さいって!」

わー!斬りつけてる!まてまて、せっかくの治療を無駄にする気かー!

「カイゼルさん待った待った!騎士さんに聞いたわけじゃないから!」

腕を掴んで止める。普段あんなに冷静なのに何か時々暴走するな?

「では何故いきなりあのような事を。私に妻子がいると」

「え、違うの?てっきりいるんだとばかり」

騎士さんにタメ口になったからカイゼルさんにも2人きりじゃなくても素にしたけど、流石にカイゼルさんは無理か。

「おりません!ご期待に添えず申し訳ありませんが私はまだ独身です」

むっとしながらカイゼルさんが言いながら剣をしまう。ちょっと乱暴にしたから鞘にぶつかってカチャンと派手に音がした。

いや、期待してたとかないんだけど何か怒ってる?なんだ?

ってあれ、カイゼルさん指に怪我してる。あ、さっきので切ったのかな?

「独身かー。意外。ってそれより手。指切っちゃってるよ」

「ああ、これは先程うっかりしました。お気になさらずに」

「駄目だよー?小さな傷でもちゃんと治療しないと。しょーどくしょーどく」

私はカイゼルさんの手をひょいと掴むと切れてた人差し指をそのまま口に咥えて軽く吸う。

「っっっ!?マ、マリコ様っ!?」

あ!しまったぁぁぁ!?無意識につい弟にしてたクセがでたぁぁぁ!しかも弟にしてたの結構前だろ私!

慌てて口を離したけど既に遅し。騎士さん達が固まってる。あ、ローレルさん端正な顔立ちが台無しくらいに口開けてみてる。

カイゼルさんと言えば、うっわ、盛大に真っ赤だ。これは激レアだ。じゃなくてこの場をどう収拾する?!に、逃げる?

その時どこからか盛大に吹き出す声がした。

誰だろってああ!王子様!

綺麗なお顔で大爆笑してる。でもそれも絵になるから美形って凄い。

フレイ様は笑いながら私に近寄ってくる。気付いた騎士さん達が一斉に膝をついた。カイゼルさんも赤い顔のままだったけど膝をつく。私はそのまま。朝の会話からすると、たぶん私は膝をついちゃいけない気がしたので。

「マリコさんは本当に面白い人だな。僕はそんなカイゼルの顔、初めてみた」

「っ、殿下っ」

「あははは…。フレイ様いつからみてらしたんですか?」

「皆が戻ってきてちょっとしてからかな?ああ、皆いいから楽にして」

フレイ様が言うとみんなが立ち上がる。その中に腕をおさえてる人がいて思い出す。そうだ、まだ治療終わってない人いるんだった。

後は悪いけどまとめてにするか。ほいっと。

手をかかげてから治癒魔法を発動する。うん、大丈夫かな。

「凄いな。これが聖女の魔力なのか」

魔法をみたフレイ様が感心してる。けど、さっきのほとんど最初から見てたのか、うぐぐ。

「僕も怪我をしたら貴女に治して貰おうかな。僕にもさっきみたいにしてくれるのかな?」

たぁぁぁぁ!掘り返さないで王子様ぁぁぁ!忘れようとしてたのに!

「あっ、あれはそのあの!」

「殿下、あまりマリコ様をからかわないで頂けますか」

およ、カイゼルさんが割って入ってきた。王族にする態度っぽくないけどそのあたりこの国の王族の方々は気にしないみたいだなあ。

「わかってるよ、言ってみただけだからそんなに睨まないでくれないかい?」

「わ、私は別に睨んでなど」

ぬ?なんだかカイゼルさん動揺してる?さっきから変だなあ。

わからずに首を傾げてたらフレイ様が微笑んだ。

どわ!眩しい!いきなりはやめて!刺激が!王子様のスマイルて、なんか付加効果ついてない?ねえ?

「マリコさんはこの後どうするのかな?何か予定はある?」

聞かれて予定は無いと答える。私の予定って実際討伐と訓練くらいしかないから暇は暇なんだよね。

聖女だからか、この国の簡単な知識とかは説明されるけどそれ以上は勉強しろとかは言われないんだよね。もちろん知ることは出来るからもちょっと落ち着いたら図書室とかいってみたくはあった。

「じゃあ、僕に付き合ってくれるかな?」

はいい?!

突然の提案。フレンドリーさがいきなり上がってますよ王子様?なんだ、この国のイケメンはデレが早いのか?

何をするんですか王子様ー?

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