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ダンジョンコアを手に入れたのでチートする  作者: くろのわーる
フェイズ2 救援編

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美嘉 前編

あけましておめでとうございます。




 お兄ちゃんと優斗さんが自衛隊に協力するようになってから早3ヶ月。


 この地域は僅かにだが落ち着きを取り戻しつつあるらしいが……。

 まだ世間的には困っている人達が溢れかえり、その影響でお兄ちゃん達は県外にも足を運ぶようになったと言っていた。


 当然のように私達の元に帰ってくる頻度が明らかに少なくなり、笑顔の数も減っている。


 それでも私達の前で弱音を吐くことなく、人の為に頑張るお兄ちゃん達はやっぱり凄いと思う。


 残された私達も余計な心配を掛けまいと日々、一生懸命に各々が出来ることを頑張っている。


 来る日も来る日もモンスターを狩って、レベル上げと地域の治安維持にサイドステップでの強化と物資の確保。


 やることは多いけど、大変な今の生活にもやっと慣れてきた。

 が世の中には慣れて来た頃が油断大敵なんて言うこともあるのでなるべく気を抜かないように心掛けている。


 だけど人間であれば、どうしても気が抜けてしまう時がある訳で……。


「美嘉!?そっちへ行ったぞ!」

「えっ!?」


 お父さんの横を抜けて、一匹のオークが迫ってきていた。

 今日も拠点を探しつつ、世に蔓延るモンスターの駆除をしている最中。


 私達を守る壁として、お父さんが前衛に立ち後衛は回復役と補助役の沙耶と直子さん。

 私は鞭と攻撃魔法を使うので中衛として、2人を守る最後の壁なのに最近は時折、気が抜けてしまう。

 原因は分かっているのだが……。


 気を抜いて、隙だらけだった私のフォローをするように相棒の従魔、子虎のくれないが迫りくるモンスターに炎弾を吐く。


ブゥモモォ!?


 炎弾はオークの顔面に命中すると顔を覆い包み、炎を消そうと必死に自分の顔をまさぐり手で叩く。


「ファイアーボール!」


 その隙に私は火魔法でサッカーボール程の火の玉を放ち、オークをさらに炎上させる。

 完全に足が止まったオークにトドメを刺す為、腰に吊るしていた鞭を解き放ち、スナップを利かせてオークに一閃する。


ヒュッ!


 鞭は鋭くしなり、『パンッ!』と空気が裂ける音と対象に当たった時の音が重なり、オークの身体を引き裂いたのではと錯覚させる。

 実際は……うん、酷い有り様なので割愛します。


ブギィィー!?


 私が使う鞭は炎の属性を持ち、当てた相手にダメージと一緒に火傷を負わすことが出来る。

 その痛さは燃えるような火傷と鋭い痛みが同時に襲い掛かり、想像を絶する程だと言う。


 ……実際に私の鞭を受けたことのあるお父さんからの感想だ。


 別に私達家族にそういう趣味はない……。ないが鞭を使った戦闘に慣れていなかった頃に前衛を務めているお父さんに何度か、私の鞭を運悪く当てたことがある。

 決して故意にやった訳ではないがお父さんのあの時の必死に痛みに耐える恨めしい目は今でも忘れない。

 ごめんなさい、お父さん。


 私の鞭攻撃が決め手になり、オークは力尽きてドスン!と音を立てて倒れる。

 前衛のお父さんも最後の一匹を仕留めると残りはいないか、辺りを見渡して確認する。

 異常がないことを確認すると素早く指示を出して、皆でアイテムボックスにオークを収納するとそそくさとその場から離れる。


 今日はこれで3回目の戦闘ということもあり、少しだが疲弊もしているので小休憩を挟むことに。

 休息する場所は近くにある無人の建物を拝借する。


「美嘉、気が抜けていたぞ」


 私達が休憩している場所は近くにあったビルの1階エントランスホール。

 民家を無断で借りるよりも心のハードルが低いという理由から。


 埃を被り、衛生的にあまり良いとは言えないソファーだけど今更、そんなことを気にする人はいないので全員が平然と座り、戦闘で昂ぶった心と身体を冷ます。


「・・・ごめんなさい」


「美嘉ちゃん、大丈夫?最近なんだか考え事をしていることが多いようだけど……」


 沙耶のお母さん、直子さんからの指摘に私は無理矢理、笑顔を作って答える。


「大丈夫です!ちょっと連戦で集中力が欠けただけですよ!次はちゃんと集中するんで!」


 私の答えに疑念を抱きつつも沙耶のお母さんは「そう、なら良いんだけど」と言って引き下がってくれたが恐らく、単なる言い訳だったことはバレていると思う。

 後で直子さんと共に心配そうな顔をしている沙耶からも探りを入れられるんだろうなぁと確信する。

 なんて言い訳しよう……。


 私の不調の原因は先の見えない世の中に対する不安感と誰よりも身体を張って、無理して頑張っているお父さんが心配なことが大きい。


 私達はまだ戦う力も効率良く強くなる方法を持っている分、他の人達と比べて遥かに恵まれていることは解っているがそれでもいつまで続くのか解らない、この世紀末に言い知れぬ不安と恐怖がある。


 戦うことで私達は確実に強くなっているし、実感もあるけど戦いに明け暮れる毎日に美少女高校生の私の心が荒んでいくのが解る。

 それは私以外も同じだと思う……。だけど私が不安な顔を見せる訳にはいかない。


 私はこの中でムードメーカーなのだ。

 私が落ち込んでいるところを見せてはみんなの気持ちも沈んでしまう。


ニャオ!


 笑顔を貼り付けたまま、気を張り詰めて決意していると従魔の紅が膝の上に乗ってきて、頭を擦り付けてくる。


 あ〜、可愛い!!癒されるぅ〜!!この子と親友の沙耶と他愛ない話をしている時だけが今の私の癒しだよ〜。


 この炎虎レッドタイガーの子供『くれない』はダンジョンコアを使って、生み出した私の初めての従魔。


 見た目が幼獣なのは私のテイマーとしての未熟さに影響しているみたい。

 私が未熟だと言われているようで最初は悔しかったけど、ホントの事だから今は受け入れている。


 でも今は紅が幼獣で良かったとも思う。


 だって、その方が見た目も可愛いし、小さい頃から育てることでより愛情が湧くからね。


 だからこれかもお互いに成長していけたらと思う。


「全員、そろそろ出発しても大丈夫か」


 全員が静かに頷くとお父さんは再び先頭に立って、私達は地域の見回りを再開するのであった。




 今は仮の拠点としてウチの実家を修理して、使っているが夕方になり、日課の見回りが終わってもやらなければいけないことがある。


 私や沙耶、直子さんは正直に言って、この時間が一番しんどいと思ってる。


「……さあ、サイドステップを始めましょうか」


 号令をかけた直子さんの声にもため息が混じっているように感じる。


 それも仕方ないか……私も最初はダイエットになるからなんて軽く考えていた時期がありましたとも。


 でもね、サイドステップで汗を流すよりも戦闘でレベルを上げた方が何倍も美容の効果があることを実感してからは苦行なんです。


 だからと言ってやらない訳にはいかないのが辛い。辛すぎる……。

 

 お父さんがアイテムボックスからダンジョンコアを出すと家と繋がる元事務所がダンジョンになる。


 この事務所には元々、ふたつの出入り口があったが全員でサイドステップをした方がよりダンジョンポイントを貯めやすいという理由からお父さんが壁を切って、入り口を5つに増やした。

(うちひとつは外と繋がっている入り口)


 なのでサイドステップをする時は4人が縦に並んで行うのだが相変わらずシュールな光景だと思う。


 実際に4人で行うサイドステップは変な宗教を信仰する集団と言われても言い訳出来ない。

 

 意を決したのか直子さんがサイドステップを始める。

 それに釣られて沙耶とお父さんも自分のペースで跳ね始める。


 私も観念して沙耶と向き合って、サイドステップを踏むけど、何度サイドステップを踏んでも解せぬ。


 何故、沙耶の胸部装甲はそんなにもプルンプルン!揺れるのか……解せぬ。むむむ。


 負けずに私はさらに激しくサイドステップを踏むけど、胸部の振動が微塵も伝わってこない!!


 これはあれか……ポテンシャルの差ってやつなのか……。


「み、美嘉……相変わらず視線が怖いよ」


 おっといけない私としたことが仇を見るような目で沙耶の胸部装甲をガン見していた。


「おほほほ、そんなことはなくってよ」


「え……う、うん」


 今はまだ負けてるかもしれないけど、私はこれから成長するの。そうに違いない!


 それに私にはキュッ!と締まって、クイッ!と上がったお尻があるんだからね!


 胸部装甲がなんだ!!沙耶には負けないんだから!!



女の子にサイドステップをさせることの可能性に気付いてしまいました。

なので私は今日ここに無限エロのパワーを手に入れたことを宣言します。


次話は来週の水曜日の同じ時間です。


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― 新着の感想 ―
そんなあなたに『全力坂』 と思ったんだけど、なんか、最近は服装がだぼったいな・・・ 夏場の方が薄着で面白いかな・・・たぶん
ついに気づいてしまったか......
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