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ダンジョンコアを手に入れたのでチートする  作者: くろのわーる
フェイズ2

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第56話


 みんながせっせとサイドステップを繰り返している中、俺は自室で早めに休ませてもらっていた。


「優斗さん、起きてください。夕食が出来ましたよ」


 寝ている俺をゆさゆさと揺らす、沙耶ちゃん。


 優しく揺り動かされた俺は眠りから覚めて沙耶ちゃんを見つめる。


「おはよ、沙耶ちゃん」


「おはようございます。ゆ、優斗さん」


 起こしに来た、沙耶ちゃんはなんだか照れているようで可愛いかった。


 沙耶ちゃんに促され、リビングに移動するとみんなはすでに着席しており、俺を待っていたようで申し訳ない。


「待たせたみたいで悪い」


「優斗、おせぇ~よ~。あまりに遅いからお腹と背中がくっつくかと思ったぜ」


 和ませようとした陽輝をスルーしてさっさと席へと着く。


「みんな、揃ったようだし冷めない内に食べましょう」


「「頂きます!」」


 直子さんの号令で食事が始まる。

 今、食卓を囲んでいる人間は6人。両親が健在だった頃でもこんな大人数?で食事をした覚えはない。(ダンジョン内での大地の旅団とのBBQはカウントしないものとする)


 それは陣内家と吉田家の面々も同じようで和気藹々(わきあいあい)と食事は進んでいく。




 食事が終わると俺は一人、出かける準備を整える。


 装備の確認も終わり、準備を整えるとみんなが待つ、リビングに赴き、陽輝から『魔除け石』を受け取り、直子さんからは必需品が書かれたメモを親父さんからは大まかな避難場所の位置が書かれた地図を渡された。


 今夜まわる予定の場所はスーパーに薬局、そして、避難所と3ヶ所だけだが明日も違う場所をまわることを考えるとなかなかハードな予定になりそうだ。


 みんなに見送られて、夜の町に踏み出して行く。


 夜の町は相変わらず、静かで時折、モンスターの鳴き声と思われる音以外は聞こえない。


 まずは家から一番近い薬局に向かう。


 歩いて数分、モンスターに出会うこともなく、薬局に到着すると当然、シャッターが降りていた。しかし、俺には関係ない。


『ダークミスト』


 防犯カメラを意識して撮られてもわからないように闇の霧で全身を覆う。そして、影魔法を使い、自身の影に潜りシャッターの中へと侵入。


 すんなりとお店の中には侵入することは出来たが案の定、防犯装置が作動し店内にブザーが鳴り響く。


 本来なら焦るところなのだろうが今の状況では警備会社も警察も駆け付けて来るとは思えないので耳障りなブザーを聴きながら落ち着いて商品を1つずつ、アイテムボックスに回収していく。



 どれくらい収納しただろうか・・・まだまだ収納していない商品が溢れている。


 お店のことを考えて、1つずつ商品を収納していたが時間が掛り過ぎるのと面倒になったので棚ごと収納していくスタイルに切り替えてさっさと終らせることにする。


「やっと、終わった・・・」


 棚ごと収納し始めまるとさっきまで苦労していたのが嘘のようにあっという間に片付いた。


「さてと、次は避難場所になっている近くの学校だな」


 誰に言うでもなく、一人呟き。次の目的地へと向かうのであった。




 薬局を後にした俺は親父さんから渡されたメモを手に近くにある学校へと向かう。


 人のいない夜道を走り、家の屋根から屋根へと跳び移り、コートをひるがえして颯爽と最短距離を駆け抜けていく。


 駆け抜けること、数分。


 目的地である学校が見えてきた。


 俺は家の屋根の上で足を止めて、避難所となっている学校の状況を確認する。

 昼間のニュースで避難所の状況等が放送されていたこともあり、大体の状況は把握しているがここの避難所も類に漏れることなく、良い状況とは言えないようだ。


 なぜなら、今まさに学校の正門では戦闘が繰り広げられているからだ。


 モンスターは犬型のモンスター、ハウンドドッグが5匹程に深い緑色の皮膚を持つ、子供のようなモンスター恐らくゴブリンが10匹位。


 正門には教室にあった机や椅子を積み上げただけの簡易的なバリケードを盾に30~40人位の男性達が必死に応戦している。


 このまま見て見ぬふりは出来ない。なので急ぎ、駆け付けて助太刀するのが普通なのだろう。


 しかし、逡巡しゅんじゅんしてしまう自分がいた。


 もし、ここで正面から助けに入いれば、雑魚モンスターの10や20位、俺の敵ではないだろう。


 しかし、それは彼らの為になるのだろうか。


 俺の実力を見れば、彼らは力がある者が戦い守るのは当然とばかりに俺に頼ろうとするかもしれない。

 俺もそれは間違ってはいないと思うが俺には他に守りたい人達がいる。


 それにいつでも助けに来れる訳でもなければ、戦闘を強要されるのはまっぴらごめんだ。


 そう考えると今後、彼らにはモンスターが襲って来ても戦える力を身に付けてもらうのが良いだろうと勝手な結論を導き出す。


 非道と思う人もいるかもしれないが考えた末、やはり今回はバレないように援護だけしようと思う。


 屋根から飛び降りると素早く接近し、物陰に隠れる。


 そして、襲い掛かろうとしているモンスターに魔法を発動。

 使う魔法はもちろん『シャドウバインド』。もはや、俺の十八番おはこだ。


 モンスターの足元から発生した影はモンスターの足を絡め取り、動きを封じる。


「なんだっ!?」


 一斉に動きを止めたモンスターに誰かが疑問の声を上げる。


 しかし、戦闘の興奮にあてられた何人かが構わずに攻撃を行い、すんなりと討伐することに成功。


「敵の動きが止まったぞ!全員、総攻撃だっ!!」


 その事実に好機と捉えたリーダーらしき男が総攻撃の指示を出し、たちまち形勢は逆転した。




 戦闘を終えた男達は倒したゴブリンから使えそうな武器を回収し、被害状況を確認するやせっせとバリケードを作り直していく。


 俺は静かに物陰から彼らを観察する。怪我を負った者はいるがどうやら重症を負った者はいないようだ。

 それを見届けるや本来の目的を果たす為にその場を離れるのであった。




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