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ダンジョンコアを手に入れたのでチートする  作者: くろのわーる
フェイズ2

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第50話


 セカンドフェイズに移行してから初めての朝を迎えた。


 俺を先頭にして、沙耶ちゃんとそのお母さんが後に続き、最初の目的地である、陽輝の家を目指す。


 今朝の街はたくさんの荷物を抱えた人達が慌ただしく移動している。


 突然の異常事態に昨日は様子を見ていた人々が避難する事を決断したのだろう。


 普段なら清々しい朝の空気も街の異常な雰囲気に呑み込まれてしまったのか、感じられない。


 沙耶ちゃん達が住んでいたアパートから俺の家や今、目指している陽輝の家は位置的にダンジョンに近いこともあり、避難する人波に逆らいながら進んでいくことになる。


 これは以前に起きた『大氾濫』の教訓からダンジョンから離れるように避難場所が設定されている為、必然的に逆らうこととなってしまう。


「二人共、俺から離れないように」


 二人くらいなら余裕で守りながら移動出来ると踏んでいたのだが思っていた以上の人混みにもしも今、モンスターに襲われたら上手く立ち回れる自信が正直ない。


 しかし、二人を守ると約束した以上、果たさなければならないので少し横暴だが威圧スキルを発動する。効果範囲は俺の前方に弱めに調節して発動する。


 すると俺の前方には不自然なスペースが出来上がり、みんなけるようにけていく。

 俺は無人の野を歩くが如くなんなく歩き始めた。

 そんな俺のすぐ後ろにぴったりと貼り付くように二人がついてくる。


 10分もしないうちに人混みはなくなり、今は俺達くらいしか見当たらない。


「優斗さん、みんな避難しちゃったんですかね」


 みんなとは逆をいく自分達に不安を感じているようで沙耶ちゃんが俺に話しかけてきた。


「そうだね。索敵スキルにも全く反応がないからこの辺りは既に無人みたいだね」


 無人の道路を闊歩して、途中に何度かモンスターと遭遇したがかなり強めにオリハルコンバットで撫でてあげたら動かなくなった。


 アパートを出てからおよそ1時間、目的の陽輝の家に何事もなくたどり着いた。


 陽輝の家は昨日とは違い、急ごしらえだろうベニヤ板が壁と玄関を塞いでいた。


 玄関に近付き、立て掛けられたベニヤ板を少し動かして家の中に向かって声をかける。


「おーい!今、戻ったよー」


 俺の声を聞いて今回は美嘉ちゃんが顔を出す。


「あ、優斗さんおかえりなさい。沙耶ちゃんは無事に送り届けた?」


「無事に送り届けたし、今度はお母さんと一緒に連れてきたよ」


「えっ!?」


 俺の返事を聞くと勢いよく扉もどきを開け、俺を押し退けて確認する。


「沙耶っ!と沙耶のお母さん!」


「美嘉ちゃん、また来ちゃった」

「美嘉ちゃん、久しぶりね」


 そこからはどういうことか聞かれたが陽輝とお父さんも含めて、説明すると言って家の中にあがらせて貰った。


 リビングには陽輝と父親がおり、全員が集まっているので沙耶ちゃんとお母さんを連れてきた理由を説明する。



「そういうことで沙耶ちゃんとお母さんは俺が保護するつもりだ」


「俺は良いと思うよ」

「私も沙耶と離ればなれにならなくていいから賛成だよ」

「私もそれで良かったと思うぞ」


 陣内家は満場一致で賛成してくれた。それにしても陽輝のお父さんの言葉が引っ掛かる。


「3人はさっきまで移動してて知らないだろうからこれを見るといい」


 そう言って、おもむろにテレビを点けた。


 テレビの画面には人で溢れかえる避難所が移し出されていた。


「見ての通り、何処の避難所も人が殺到して収拾がつかない状態だよ」


 引き継ぐように陽輝が口を開く。


「しかも、結構な人数の人達が車で避難したらしく、避難所の周りも渋滞やら何やらで緊急車両も救援車両も近付けないらしく、さらに悪いことに多数の人間の存在がモンスターを引き寄せてるみたいでまさにパニック状態だ」


 そんな映像がテレビでも映し出されているのを見て吉田家の二人は顔面蒼白といった具合だ。


 そんな二人の様子を見つつも陽輝が話を進める。


「それで今、大事なのはこれからどうするか、な訳だけど優斗はどうせ考えてるんだろ?」


「まあね」


「よかったら聞かせてくれ」


 当然、相談も兼ねて話し合いに来ているので俺が考えていることを言う。


「まずはここにいる全員の安全の為に恒例のダンジョンコアを使って、それぞれを強化しようと思ってる。それと陽輝達が良ければ、一緒に住めるような拠点を探して、何より、『大氾濫』が起きても切り抜けられるような拠点を造りたいとも思っている」


 初めて俺の考えを伝えるが実現するかどうかは正直、みんな次第だ。


 特に後者の頑強な拠点はみんなの協力なしでは実現は厳しいだろう。


 俺は静かにみんなが話し出すのを待つのであった。




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