第41話
本日より再開します。
今後は3日に1回くらいのペースで投稿していく予定です。
『セカンドフェイズへ移行します』
ふたたび世界中に響いた声。人々から忘れかけられていた記憶が甦る。
それは優斗と陽輝も例外ではなく、初めて声が響いたあの時を思い出させる。
「優斗・・・聞こえたか?」
「ああ、聞こえた・・・。陽輝もか?」
「俺にも聞こえた。間違いじゃないみたいだな」
俺はテレビの電源を入れて国営放送にチャンネルを合わせて食い入るように画面を見つめる。
するとすぐに緊急速報が流れ出し画面が切り替わる。
「番組の途中ですが緊急速報をお伝えします。」
画面に映る真面目そうなアナウンサーが強張った面持ちで原稿を読み上げていく。
「先程、世界中にふたたび謎の声が響きました。現在、各機関が現状の把握に動いておりますが今後、どのような事態が起こるのかわかりません。ですので国民の皆さんは決して取り乱さず落ち着いて行動してください。繰り返します・・・」
少しでも情報を得ようとチャンネルを切り替えていくがどこも同じようなことを繰り返し放送している。
「優斗、どうする?」
「俺にどうすると聞かれてもな・・・」
俺が返事に困っていると外から悲鳴が聞こえてきた。
陽輝と顔を見合わせるなり、二人で外へと飛び出した。
家から飛び出した俺達は悲鳴が聞こえた方へ向かうとそこには今にもモンスターに襲われそうな女性とグレイウルフがいた。
「なんでっ!?こんなところにモンスターが?」
モンスターは基本、ダンジョンから出ることはない。これは確認されている事実であり、唯一モンスターがダンジョンから出てくるのは大氾濫が起きた時のみ。そう思い一瞬、2年前に起こった大氾濫が脳裏を過ぎる。
「ライトニングアロー!」
思考に捕らわれかけていた俺と違い陽輝が魔法を放ち、モンスターを撃退する。
モンスターはダンジョン内と同様に魔法一撃で倒された。
すぐに倒れている女性に駆け寄り、声をかける。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。ありがとうございます」
お礼をいう女性に怪我がないかを確認する。どうやら驚いて尻餅をついただけのようだ。
「ところでどうしてモンスターに?」
「それが私にも何がなんだか・・・急に現れて気付いたら襲いかかってきて・・・」
「急に現れた?」
「はい。家に帰ろうとこの道を歩いていたら急に黒い影のようなものが集まって気付いたら狼になっていて、そしたらお二人が」
「そうですか。」
黒い影のようなものが集まってモンスターになったという女性の発言が気にはなるがこのまま女性を放っておくのも気が引けるのでひとまず家まで送ることにする。
女性の家は5分とかからない近所にあるようで心配した旦那さんが途中で迎えに来たので引き継いでもらい、俺達は家へと引き返すことにした。
遠くではパトカーのサイレンの音が鳴り響いている。
「なあ、陽輝」
「ん?なんだ?」
どうやらモンスターが急に現れた現象について考えていたようで反応が鈍い。
「なんかやけにパトカーのサイレンが多くないか?」
「・・・そう言われれば」
そこでもしかして、他の場所でもモンスターが現れているかもしれないという思いにいたり、急いで家に戻るとテレビを確認する。
「たった今、入った情報です」
先程よりも焦った口調でアナウンサーがしゃべりだす。
「現在、街中でモンスターが突然現れて暴れているとの情報が入っております。また、この情報は複数の場所で確認されているとのことです。なのでいつどこでモンスターに遭遇するのかわかりません。モンスターは大変危険ですので・・・」
アナウンサーから複数の場所でと聞き、そこで一つの仮説へと至る。
「陽輝、セカンドフェイズってまさかっ!?」
「ダンジョン以外でもモンスターがポップするようになったのかっ!?」
俺と陽輝は顔を見合わせると逡巡することなく陽輝が口を開く。
「優斗っ!悪いが家族の様子を見てくる!」
言うと同時に陽輝は家を飛び出していく。
俺はそんな陽輝の背中に向かって声をかける。
「何かあったら連絡しろよ!俺もするから!」
片手を揚げて返事をする陽輝。その姿はすぐに混乱する住宅街へと消えていき、見えなくなった。




