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決勝の試合が始まった。
「勝つ方法はこれしかない!」
私は手にしている火器を威嚇発射して距離を詰めていく。
当然敵、シズカもこちらに向けて火器を撃ち込んでくる。その攻撃を巧みな操縦と障害物を盾にして攻撃を防ぐ。
「さすがなかなかの重装備ね。近づく隙が見えないわ。」
「なんてすばしっこい奴ですの!こちらの攻撃が当たりませんわ!」
「どうするのイリア、このままじゃアリスの勝ち目はないわよ!」
「いや、勝ち目はあるわ。このまま持ってくれれば・・・。」
そのときである。
シズカの攻撃が突然止んだのである。
「くっ、弾切れですの!?」
「今よアリス!」
「今だ!行くわよ!」
私は一致に近づくと接近戦用のサーベルを取り出した。
「てやあっ!」
その一撃を紙一重でかわすシズカ。
「こうなったら接近戦しかないわね!」
シズカは装備をパージし、同じく接近戦用のサーベルを取り出した。いや、サーベルもカスタマイズされていた。シズカが手にしているのはビームサーベルである。
「ちょっと、それって反則でしょ!?」
シズカのビームサーベルをシールドで防ぐ。
そのビームサーベルの一撃は一瞬にしてシールドのアーマー値を奪っていく。
「なんのこれ!もう使い物にならないじゃん!・・・いや、まだ使い道はある!」
私はシールドをシズカのクサナギにむけて投げつけた。近い距離で。そのシールドはシズカがかわす暇も無く、シズカの乗るクサナギの頭部、メインカメラに衝突した。
「なんですの!カメラがやられたのですの!?何も見えませんわ!」
完全にシズカの動きが止まった。
「今よ、アリス!」
「今だ!食らえ!」
私のクサナギが繰り出したサーベルでの一撃がシズカの乗るクサナギのコックピットを貫いた。
この瞬間、勝負は決した。
アリスのモニターの前に「You Win」の文字が表示されていた。




