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神竜を撃破した私の操縦するクサナギカスタムはユニットバトラー予選会場近くの駐車場に着陸した。そこに多くの人が集まってきた。ケータイ片手に写真を撮る者、ケータイに何かを打ち込む者、様々であるが、彼らは軍服を着た人達に近づくことを制止された。
私はシズカを連れてコックピットのハッチを開けて表へ出る。とそれと同時に大きな拍手と歓声が巻き起こった。
私はシズカを抱えてワイヤーで地上に降りると、そこに一人の軍人が近寄ってきた。
「まったく、勝手なことしてくれちゃって。」
ん?この声聞き覚えがあるぞ?
「あっ、通信でしゃべってた人!」
「コホン、まあいい。俺は錦野マサル一尉だ。草薙シズカの救出に協力してくれたことを感謝する。と、建前はここまでだ。よくも俺のクサナギを使ってくれたな!」
「えっ、あれって飾りじゃなかったの?」
「当たり前だ!実際に動く者を飾りに使う奴がどこにいる!!こんな時のために配備してあった実戦用のクサナギだよ!」
「アリス!」
その声がする方を見ると、イリアとミスズがいた。近づいてくるところを軍人に制止させられるも、私が私の友人だと告げると、特別に私たちの所まで来ることを許された。
「はぁ、はぁ、全く無茶するんだから!やられちゃったらどうするのよ!」
「大丈夫よ。これ、ユニットバトラーと全く一緒なんだから。対戦相手はミスズよりも遙かに弱かったわ。」
「はぁ・・・まったく、あなたの無茶ぶりにも呆れましたわ。」
とふてぶてしく話し始めるシズカ。
「そういえばあなた、スポンサーになってくれと言いましたわね?一体どういうことですの?」
「実は、地球の秋葉原に行くための旅費がないの。だから、あなたにスポンサーになってもらって旅費を工面してもらえないかなーって。」
「はぁ・・・アリスの考えてた良い考えってこういうことだったの?」
と、愚痴るイリアを制止して、私はシズカの回答を待った。
「・・・いいですわよ。」
「ホント?」
「ただし、あなた、確か次の決勝で対戦する姫路アリスですわよね?だったら決勝で私を打ち負かせてみなさい。」
「わかったわ。でもその代わりこちらからも要求を一つ聞いてもらうわ。」
「いいわよ。何でも言ってみなさい。」
「私が操縦するのはこのクサナギカスタムよ!」
そう言って私は頭上を指さした。
『さて、ちょっとしたトラブルもありましたがいよいよユニットバトラー・ニュージャパンコロニー予選決勝です!対戦カードはクサナギの開発者の一族、草薙シズカと、誘拐事件から見事対戦相手を救出した姫路アリスの対戦となります!』
私はギャラリーに向かってアピールすると、ユニットバトラーのコックピットに乗り込んだ。
私の選んだ機体はクサナギカスタム。さっきまで実際に操縦していたクサナギのカスタム機だ。
そして対戦相手は準決勝でミスズをメッタ打ちにした、これも同じくクサナギをベースにしたカスタム機だ。見るからに武装が強化されている。たとえるならば重装型クサナギと言ったところか。
そして決勝の試合開始のシグナルが鳴り響く。




