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姫路アリスの非日常的な日常  作者: 多岐川ノリ
ユニットバトラー予選
10/12

 私はクサナギカスタムのブーストをふかし、金づる、もとい、シズカを誘拐した神竜を追いかけた。

 神竜の手の中にいるシズカを目視で確認できる距離まで近づいた。

 よし、この距離ならマシンガンで狙える。シズカに当たらないように・・・。

 と、その瞬間。

 ターゲットである神竜はビームライフルをこちらに向けて発射してきた。

 私はそのビームをシールドで防ぐ。

 「ちょっと、コロニーに穴を開ける気!?」

 このような攻撃を何度も繰り返されては、このコロニーが危ない。いや、それ以前にこのクサナギのシールドが持たない。一気に勝負を決めなければ。ならば。


 このクサナギはカスタマイズされていて武装も強化されているが、それ以前に元々機動力は他の機体よりも強化されている機体だ。

 ならば、カスタム機ならばこの距離なら!一気に距離を詰めることができる!


 私は神竜が放つビームをシールドで防ぎつつブーストを最大までふかし一気に距離を詰める。

 「す、すごい、Gもユニットバトラーと同じだ・・・。」

 ・・・と感心している場合ではない。

 神竜の目の前まで距離を詰めると私はクサナギのソードを取り出し、神竜の両腕を切り落とした。そして落下する腕を掴み、敵の神竜との距離をとる。

 と、その間に私はコックピットのハッチを開ける。

 「お嬢さん!早くこっちに!」

 「どこの誰だかわかりませんが助かりましたわ!傭兵の方ですの?」

 「いや、ユニットバトラーの出場選手だけど。」

 「あら、そうですの。その割には操縦が手慣れているようですけど。」

 そりゃあ、決勝まで進んだプレイヤーですから。

 「それよりも!あなたを救出する代わりにお願いがあるんだけど!」

 「なんなんですの!?こんな時に!」

 「この腕、落とそうかな・・・。」

 「ま、待ちなさい!わかったわ!なんでも言うこと聞いてあげる!だから落とさないで!」

 「契約成立!」

 と、シズカがコックピットに入ったところでハッチを閉める。シズカを座席の後ろに移動させると再び回線に通信が入った。

 「おい、気をつけろ!敵の増援が来たみたいだ!」

 「えっ!?」

 レーダーを見ると確かにこちらに向かってくる機体の姿が確認できた。向かってきているのは2機だ。

 「わかったわ。こいつらを撃退すれば良いのね!」

 「できるか?」

 「余裕!」

 そう言って私は通信を切った。


 「ちょっと、私を助けて、その要望というのは何ですの?」

 「私のスポンサーになって!」

 「えっ!?」

 「しゃべってると舌噛むよ!」


 そう言って私はこちらに向かってくる機体へ向きを変えると、そちらの方向へブーストをふかす。そして一気に向かってきた機体を殲滅した。



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