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私はクサナギカスタムのブーストをふかし、金づる、もとい、シズカを誘拐した神竜を追いかけた。
神竜の手の中にいるシズカを目視で確認できる距離まで近づいた。
よし、この距離ならマシンガンで狙える。シズカに当たらないように・・・。
と、その瞬間。
ターゲットである神竜はビームライフルをこちらに向けて発射してきた。
私はそのビームをシールドで防ぐ。
「ちょっと、コロニーに穴を開ける気!?」
このような攻撃を何度も繰り返されては、このコロニーが危ない。いや、それ以前にこのクサナギのシールドが持たない。一気に勝負を決めなければ。ならば。
このクサナギはカスタマイズされていて武装も強化されているが、それ以前に元々機動力は他の機体よりも強化されている機体だ。
ならば、カスタム機ならばこの距離なら!一気に距離を詰めることができる!
私は神竜が放つビームをシールドで防ぎつつブーストを最大までふかし一気に距離を詰める。
「す、すごい、Gもユニットバトラーと同じだ・・・。」
・・・と感心している場合ではない。
神竜の目の前まで距離を詰めると私はクサナギのソードを取り出し、神竜の両腕を切り落とした。そして落下する腕を掴み、敵の神竜との距離をとる。
と、その間に私はコックピットのハッチを開ける。
「お嬢さん!早くこっちに!」
「どこの誰だかわかりませんが助かりましたわ!傭兵の方ですの?」
「いや、ユニットバトラーの出場選手だけど。」
「あら、そうですの。その割には操縦が手慣れているようですけど。」
そりゃあ、決勝まで進んだプレイヤーですから。
「それよりも!あなたを救出する代わりにお願いがあるんだけど!」
「なんなんですの!?こんな時に!」
「この腕、落とそうかな・・・。」
「ま、待ちなさい!わかったわ!なんでも言うこと聞いてあげる!だから落とさないで!」
「契約成立!」
と、シズカがコックピットに入ったところでハッチを閉める。シズカを座席の後ろに移動させると再び回線に通信が入った。
「おい、気をつけろ!敵の増援が来たみたいだ!」
「えっ!?」
レーダーを見ると確かにこちらに向かってくる機体の姿が確認できた。向かってきているのは2機だ。
「わかったわ。こいつらを撃退すれば良いのね!」
「できるか?」
「余裕!」
そう言って私は通信を切った。
「ちょっと、私を助けて、その要望というのは何ですの?」
「私のスポンサーになって!」
「えっ!?」
「しゃべってると舌噛むよ!」
そう言って私はこちらに向かってくる機体へ向きを変えると、そちらの方向へブーストをふかす。そして一気に向かってきた機体を殲滅した。




