衝撃の出会い
また書いちゃいました。作者のストレス解消不定期連載です。
都合により、キャラの名前をほんの少し変更しました。
「青~、今ヒマならバスケしようぜ~」
「おっ、いいね。やるやる♪」
俺は三木 青。成績優秀、運動神経もまあまあいい。身長は低くて、彼女はいないけど、友人もたくさんいるし、校内でも人気は高い。
でも、俺には誰にも言えない秘密がある。
それは…。
「アオイちゃん、今日も可愛いね~♡」
「もう、俺にお触りするのはナシっていただろ~。今度やったら指名してくれても来ないからな♡」
「ごめんごめん」
ネオンきらめく夜の街の、女装バーで年齢を偽って働いていること。
俺が働くきっかけになったのは、ママからのスカウトだ。
あの日俺は、夜、父さんが仕事でいない時を選んで、いつものように死んだ母さんの女物の服を着ていた。
「……やっぱり、俺って可愛いな♡」
鏡を見て、女になった自分を見る。それだけで満足だったのに、その日は何故か、外に出たくなってみた。
「ちょっとくらいなら…大丈夫だよな」
誰もいない暗い町を、歩く。俺が俺じゃないみたいだった。
少女趣味だと思われるだろう。でも、まるで、絵本の中に迷い込んだ女の気分だった。
長い髪のウィッグを付け、長いたけのドレスを着て、俺は姫のようにくるくる回って女装を楽しんでいた……その時、あいつが声を掛けてきた。
「ねぇ、君。もしかして…男の子?」
あいつの一言で、魔法が解けたように、俺は一気に現実に戻された。
「その慌て様、やっぱり男の子なのね」
「……何の用ですか?」
「警戒しなくていいわ。私は女装バーを経営している美美よ」
「女装バー?」
「簡単に言うわ。あなた…女装バーで働いてみない?」
「……えっ?」
こうして、俺は年齢を偽り、女装バーで働くことになった。とは言っても、女装して、ジュース飲んで、お客さんと話すだけでいいんだ。
「アオイちゃん、今日はもうあがっていいわよ」
「はーい。お客さん、また今度ね♡」
「今度もちゃんと指名するからね」
「ありがと」
俺は更衣室で着替えながら、お気に入りのドラマを見る。
「ん?今日はもう終わったのか」
「あっ、ミドリさん♡」
この人はミドリさん。ママによると、男装女子らしいが、声も低くて身長も高い。
俺が1番気になっている人。
「着替え中だったかすまないな」
ミドリさんは部屋を出ようとする。
「出なくていいですよ。俺はミドリさんになら、裸見られても気にしないですし」
「そうか。では隅々まで見せてもらおう」
「ミドリさんのH♡」
俺は接客で、ミドリさんはお酒とか運ぶボーイ。
同じ店でも、職種が違う。
だからたまにしか会えない。
でも……好き…だと思う。
ずっと一緒にいたい……。
男装していないミドリさんを見てみたい…。
いろんな思いが出てくる。
そしてそれは、かなわない事……だと思っていた。
「えっと、俺の番号は……あった!やった!高校合格した!」
「…………合格している。信じられない…」
ん?右隣から聞いた事のある声がする……。
そーっと顔を覗き込むと…。
「……あの、もしかして、あなた…ミドリさんですか」
「…アオイ…なのか」
間違いないミドリさんだ。
つーか…………俺とミドリさん同学年!?ミドリさんも年齢偽って仕事してたの!?
そして……俺の高校生活どうなっちゃうのーーーーーーーー!?