表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翼の舞い下りる先は  作者: GG&G
4/4

幕間

 老人は縁側に座り茶を嗜んでいた。


 「要員は既に配置済みです」


 老人の後ろから声がする。


 「そうか」


 老人は答えた。背後に居る背広に身を固めた男には眼を向けず、隠居してから楽しんでいた庭を見つめながらだった。

 

 「彼等は本当に動いてくれるのでしょうか?」

 「動くさ」

 

 背広の男の疑問に老人は言い切った。

 

 「動かなければ、彼らの存在意義が揺らぐ。御方の言葉には其れだけの力がある」

 

 背広の男は沈黙を保った。老人は沈黙を肯定と判断した。

 

 「御方はこの秋津国を愛していらっしゃる。この国のためなら・・・・・」

 

 老人が語り始めるが・・・

 

 ニャ〜〜

 

 猫の声と共にパタパタと足音が聞こえてくる。猫は老人の膝の上に乗ると丸くなり、欠伸をした。

 

 「ミィちゃん駄目だよ。そっちに行っちゃ・・・あ」

 

 足音は女の子だった。まだ、幼女と言うのが相応しいぐらいに押さない。和風の趣に合わせたのか彼女は着物だ。

 

 「あ・・・おじいちゃま・・・・」

 

 孫娘を見た老人は厳しかった表情を変え、好々爺と言うのが相応しい顔つきになった。

 

 「ああ、美奈かい?良いよ。もう終わってるからね。ああ・・・お菓子を食べるかい?」

 「うん!!」

 「あああ・・君、そこの戸棚に金平糖があるから出してくれんかね?」

 「あ、はぁ」

 

 背広の男は立ち上がり、言われたとおりに戸棚から金平糖を取り出す。老人は美奈と呼ばれた幼女を連れて入ってきた。

 

 

 

 居場所を失った猫が抗議の声を上げるように鳴いていた。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ