外伝2!妖怪母性強すぎ女と妖怪イヤイヤベイビー(彼女)との出会い
序章:孤独な妖怪たち
妖怪母性強すぎ女は、人間や妖怪を問わず、周囲の者を常に甘やかし、過保護に包み込んでしまう存在だった。彼女が関わると、誰もが自立心を失い、完全に彼女に頼り切ってしまうため、次第に誰も近づかなくなり、孤独な日々を送っていた。
一方、妖怪イヤイヤベイビーは、赤ん坊の姿をした少女の妖怪で、何に対しても「イヤ!」と叫び、周囲の人間や妖怪を混乱させる存在だった。彼女の「イヤイヤ」の力は強力で、相手の提案や行動をすべて否定させ、相手を疲れ果てさせてしまう。しかし、その力ゆえに誰も彼女を構おうとせず、彼女もまた孤独だった。
第一章:偶然の出会い
ある日、妖怪母性強すぎ女が静かな森の中を歩いていると、遠くから大きな泣き声が聞こえてきた。
「イヤだ!イヤだ!全部イヤだーー!!」
声の主を探し出すと、そこには小さな赤ん坊の姿をした妖怪イヤイヤベイビーがいた。彼女は木の根元に座り込み、全てを拒絶するように叫んでいた。
「まあまあ、どうしたの?そんなに泣いて。何か困っているのかしら?」
妖怪母性強すぎ女は彼女に優しく声をかけた。
「イヤだ!近づかないで!放っておいてよ!」
妖怪イヤイヤベイビーは母性強すぎ女を拒絶するが、彼女は一歩も引かない。
「そんなこと言わないで。お腹が空いているの?それとも寂しいの?」
彼女の母性あふれる態度に、イヤイヤベイビーは少し戸惑いを見せた。
第二章:対立と理解
妖怪母性強すぎ女は、イヤイヤベイビーを抱きしめようとするが、彼女は全力で「イヤだ!」と叫び、跳ね返した。しかし、彼女は諦めずに優しく接し続ける。
「あなたがイヤだと言うのには、きっと理由があるはずよ。でも、それを話してくれないと、何も解決しないわ。」
「イヤだ…理由なんてない!私はただイヤなの!」
母性強すぎ女は、イヤイヤベイビーが本当は何かを求めているのだと気づく。彼女の「イヤイヤ」の裏には、自分を理解してくれる存在がいないという孤独が隠されていたのだ。
一方で、イヤイヤベイビーもまた、母性強すぎ女の優しさに戸惑いながらも、心のどこかで温かさを感じていた。
第三章:絆の芽生え
イヤイヤベイビーが一通り泣き叫んだ後、母性強すぎ女は彼女のそばに座り、何も言わずにただ一緒に過ごした。しばらくして、イヤイヤベイビーが口を開く。
「…どうしてそんなに私に構うの?みんな私を嫌がってどこかに行っちゃうのに。」
「それは、あなたが本当は寂しいと思っていることに気づいたからよ。私は放っておけないの。」
彼女の言葉にイヤイヤベイビーは少し驚き、そして初めて心を開いた。
「…本当は誰かにそばにいてほしかった。でも、どうしていいかわからなかったの。」
母性強すぎ女は微笑み、そっと彼女の頭を撫でた。
「大丈夫よ。これからは、あなたのそばにいるわ。」
エピローグ:奇妙なコンビの始まり
こうして、妖怪母性強すぎ女と妖怪イヤイヤベイビーは奇妙な絆で結ばれることとなった。母性強すぎ女の過剰な愛情と、イヤイヤベイビーの拒絶癖は、しばしば衝突するものの、互いに支え合う関係となった。
孤独だった二人が出会ったことで、少しずつお互いの欠点を補いながら共に過ごしていくのだった。
教訓:拒絶する気持ちも、包み込む愛情も、共存の中で真の意味を見つけられる。