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2人のシェルター  作者: 倉るて
始まりのための終わり
98/121

EP8-12







「難しい話しするから韓国語でもいい…?《実は今日までヒョン達は事務所と話し合いを続けてたんだ。僕のことも踏まえた警備体勢の話とか、本来なら事務所が率先して弁明するべきだとか、今回の件の発端となった騒動の対応とか》」




確かに、今日の今日まで連絡もなく

レイがただゴシップに負けて活動休止したままのような扱いなのは私も不思議だった。




「《今の社長は前社長の元奥さんで、前社長と違ってお金を稼ぐことしか頭にない女の人なんだけど。以前からファンクラブの運営とかでもクレームは来てたのに全く対処しなかったんだ。それでファンの間の不満が大きくなったところで僕の騒動が起きた感じ。ファン対応するのも面倒くさがった社長のせいで他の所属アーティストもいま活動しにくい状況になってて》」




ゴシップに叩かれてたレイを思い出して私が辛くなってくる。



たまらずレイの頭を撫でると




「ありがとう、もう完全に忘れてるから大丈夫だよ」


と微笑んだ。




「《それで兄さん達が前社長と連絡を取って色々話し合った結果、兄さんが新事務所を立ち上がることになったんだ。表向きは兄さんが代表取締役として。実際の運営とか経営は前社長が担うことになってるけど。前社長と今の社長が対立しないように、前社長は雇われただけって形になるから矢面に立たされることがないっていう作戦。そしてその事務所に兄さん達はみんな移籍が決まってる》」




『レイは…?誘われなかったの…?』




「《もちろん誘われたよ。でもまだ返事してない》」




『どうして!?レイもそこに入ってまた歌ったらいいのに…』




「《正直…歌は兄さんたちとじゃなくても、歌えることに気付いたんだ。今後今回の騒動が落ち着くとも限らない。また兄さんたちに苦労かけるくらいなら…とも思っちゃうんだよね》」





『レイは何も悪くないでしょ?』




「《兄さんと同じこと言ってる。でもこれは僕の気持ちの問題だよ》」






彼の幸せを願えば、必ずあの世界に戻ることがそうだとも言い切れないかもしれない。





「《今は条件とかも含めて話し合い中。そして韓国に戻る話しね。今回みんなの事務所退社条件が年末にカウントダウンの解散ライブを2daysやれってことだったの。実はそれの仮組みに参加しに東京行ってたんだ。》」




『じゃあ…』




「31日と1日にかけてライブしてくる。」



『いつ発つの?』



「30日の朝の便で行く。そして1日のライブ終わりは撮影があるから、翌日の2日に両親に結婚の報告だけしてくる。実はもう連絡は済ませてるんだ」




『え!!??私挨拶しなくていいの!!?』




「両親は僕の性格をよくわかってるから、僕が結婚したい人が出来たって言っただけで泣いてまりあにお礼言ってたよ」



『そんな…』



「だから今度は僕がまりあの両親に挨拶する番。帰ってきたら挨拶しに行きたいんだけど、ご両親の予定だけ聞いてもらえる?」




『あ、うちの両親…』




「《え、亡くなってるとかじゃないよね…?電話してたもんね?》」




『うちの両親ハワイに移住してるから日本にいないの…』




「え!!??」




『両親いまだに仲良いから子供達が巣立ってしばらくしたら2人でハワイに行っちゃった…!だからテレビ電話でいいよ』




「いやそれはだめだよ」




『どうせ新婚旅行はハワイにしろって言われるんだから、大丈夫』




私の言葉が信じられないのか、レイはスマホで誰かに電話をかけた。




[どうした?珍しいな]



「お兄さん!」




『え!?おにいちゃん!?』



この2人連絡先交換してたの!?





「まりあが、ご両親への結婚の挨拶をテレビ電話で済ませるって言うんですがおかしいですよね?」




[結婚!?いよいよか!!んやぁ〜?テレビ電話でいいと思うけど。そもそもあの2人は子供達が決めた相手にとやかくいう人間じゃないから顔見せる程度に電話で充分]





『ね?』





レイはお兄ちゃんにお礼を言って電話を切った。





「今ハワイ何時?」



『夜の6時くらいかな?』



「今かけよう」





この行動力たるや。




私はママにテレビ電話をかけた。




[ハーイ、まりあ〜♡どうしたの?珍しいね〜!この間は帰国出来なくてごめんね〜]




『マミーハロー!大丈夫だよ〜!近くにダディいる?』




[あなた〜!まりあからテレビ電話!!]




電話の向こうでダディの声が聞こえてすぐに向こうの画面がいっぱいになった。





[まりあ!久しぶり!!この間はごめんね!]




『大丈夫、大丈夫!!』




[どうしたの?テレビ電話なんて]




『あのね、結婚する人紹介しようと思って』




[[フゥー!!]]



と完全に常夏のテンションの2人。


レイを手招きして画面の中に入れると




[ナイスガイ!こんにちは、まりあのマミーです!お名前は?]




「こんにちは初めましてレイと申します…!お電話ですみません」




[レイ!ハロー!まりあのダディです!問題ないよ、電話だけでもくれてありがとう」





[新婚旅行はハワイにくるのよね?]




『ほらね。』




「あー。と、はい!…まりあさえ良ければ」




[きゃー、とても楽しみ!マミーもダディもレイとまりあを祝福するわ!]




ハワイに移住して結構経つから、マミーの言い回しが吹き替え映画みたいで結構好きだったりする。




「また改めてお伺いします」




[家族になるんだから、そんな堅苦しく考えないでバカンスにおいで!じゃあこれからダディ達ディナーに行くから!バーイ、まりあ!]



とダディはウィンク、マミーはフレンチな投げキスをして一方的に電話は切られた。





「ほんとに僕のこと何も聞かれなかった…」



と少し呆然とするレイを笑った。




『だから言ったでしょ』






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