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2人のシェルター  作者: 倉るて
明々白々
72/121

EP6-16




案の定というかやっぱりと言うべきか

朝目が覚めるとレイの寝室にいた。



しっかり抱きしめられてる。これも案の定。


彼は私をこうするのが好きなんじゃないかとさえ思えてくる。

それに加えて、彼の腕に慣れて甘んじて受け入れて幸せを感じてる私も恐ろしい。




だんだんスッキリしてくる頭。




おでこに何かが触れてる感覚がする。


パッと顔を上げるとレイの唇があった。






『…………!!??』




頭に飽き足らず、当たり前にキスしてるとは




少し体を離して見ればレイはすでに起きてて

腕枕した手で私の頭の上でスマホを見ていた。




『ねえ。ずっと私のおでこにチューしてた…?』




「おはよう」




私がおでこを抑えて心臓をバクバクさせてるというのに彼は爽やかに挨拶をした。




『おはよう…!してたでしょ?』




「チュウのつもりはなかったけど、そこにおでこがあったからそこに唇置いただけ」




いや、

そこに山があったから、みたいに。




『それチューだよ!』




「そうなの?」




分かってるでしょ絶対。

すっとぼけたら丸めこめると思われてるんだ




『悪ガキ!私を弄んでるんだ…!』




「違うよ、そんなことしてない」



にっこーり微笑まれる。胡散臭い微笑みに騙されてたまるか。






『何時から起きてたの?』



時計を見ると9:40。



「んー?8時前くらいかな?」




『ずっとこうしてたの?起きてゲームでもしてたら良かったのに』



「せっかくまりあがここで寝てるのに、ゲームなんてわざわざすることじゃない」




えっ…


意図はわからないけど、キュンとさせられたのは確か。




「もう少し寝ようよ」



スマホを置いてまた私を抱き寄せると、体をピッタリくっつけてまたおでこに唇を置いた。




『おかしい!距離感!』




騙されそうになるけど大人の女性としてここはしっかりしないといけない。




起き上がってベッドの上に座ると、レイも体を起こした。


でも彼は何を言われるのか分かってないようで、こうしてる今も私の髪を直してくれる。




『変だよ、距離感。普通は付き合ってる訳じゃないのに同じベッドで寝たりしないし、普通おでこに唇置かないんだよ!!』




「そうなの?」




『芸能界ではよくあることかもしれないけど、一般人はそんなにフワーッとボーダーライン越えたりしないの』





「《なにそれ、芸能界ではって》」


ピクっと彼の手が止まってそのまま落ちる。



優しかった目が少し鋭さを増して、心なしか声も低くなった気がする





『……っ』



ちょっと怯んでしまいそうになるけど、音楽番組だったりセルカだったりで異性でも距離感が近いアイドル達を思い出す。





『日本では付き合ってる同士以外で抱き合ったり頬寄せ合ったりしないの。それをアイドルの時の延長で私にやらないで!ってこと』




「《主語が大きいんじゃない?僕はそんなことしたことない》」




『アイドルの時のレイがプライベートまで何してたかなんて私は知らないもん。口ではなんとでも言えるでしょ』




「《だね。でもその時の僕が何してたかなんて今のまりあに関係ないよね?なんで今そんな話したの?》」





確かに。確かにそうだけど



もともと好きだったんだから、少しでもそんなことされたら勘違いしてもっと好きになっちゃうからやめてほしいだけなのに。



何その言い方。



私は別にレイの過去まで自分のものにしようとして言ってるわけじゃない。


みんなも誰にでもやってるからって言うアイドルの世界の延長でやってるならやめてほしいだけなのに。



そう言ってやりたいけどそれを言ったら自分をアイドルの延長じゃなく、1人の女性として特別扱いして欲しいみたいでなんか言っちゃダメな気がする。



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