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2人のシェルター  作者: 倉るて
明々白々
70/121

EP6-14







「えーーと?付き合っては…?」




『いないです』




「いや。もう付き合ってます、それは。」




『付き合ってないんです、それが。』





多分韓国の男の子がこういう性質なんだと思う、と付け加えた。





「なに?性質ってなに?たとえば?」



私は韓国男子っぽい話を引き出そうと考えて、生理痛で死にかけた時の話をした。







「やだ…むり…少女漫画?えっ、むりむり妊娠しちゃう…」




リアクション芸人の友梨は握った手を口元にあてて小刻みに首を振る。



もちろん起きた時にベッドで一緒に寝てた話はしてない。

それ以前のスパダリ部分だけを話した。




「なんで"さむい〜"とか適当なこと言ってその日ベッドで一緒に寝なかったの?」



寝ました。気付いたら寝てました




「"かわいそうなまりあ。僕が温めてあげるよ"とか言われてなんかあったかもしれないじゃん!」



それはない。メロドラマじゃあるまいし。



「好きになっちゃうじゃんそんなの。」



『もともと好きなんだってば』



「いや違うよ、一緒に住んでるならアイドルの好きとはまた変わるでしょ?」




『胸抑えて倒れ込みたくなることは多々ある。』




「うざ。今から私が1イライラするたびに飲み干して。」





『はあ!?』




「飲めよ。むしゃくしゃしてんだよ、私は。」





ぐいっとグラスを押し出されて仕方なしに飲み干した。





「ブレスレットおそろい……って普通する…?」




『わからない。世代も違うし…』




「成美のイモ彼氏連れてきて聞く?友達関係のお姉さんとブレスレットお揃いとかしますかー?って」と友梨はケタケタと笑った。




『たしかに2歳しか変わらないから世代意見聞くにはいいかもね』





「あーもう、まどろっこしいからまりあのことさっさと押し倒して早く一線超えてほしー…」




『なにそれやめてよ!そんなことする子じゃないから!』




「ほんと…そのブレスレットなんなんだろうね…」




酔いが回ってきたのか頬杖をついてポケーっと友梨は言う。







そのあとも2人でああでもないこうでもないと色々な話しをしてお開きになった。





「いーなあ!まりあは帰ったらイケメンかわい子ちゃんがいるのかあ!」




『たしかにイケメンかわい子ちゃんではある…!』




「うわーん…ムカつくよお!夜風が染みるよお…!」





そんな彼女を笑ってそれぞれタクシーに乗って帰宅した。











玄関で鍵を開けようとタッチパネルのカバーを開けると、内側から鍵が開く音がした。





『お…?』





「おかえり」




『ただいまあ〜!よく気付いたねえ!』




レイが開けてくれたドアを潜って、玄関の椅子に座って靴を脱ごうとしたらレイが足元にしゃがんで靴を脱がせてくれた。





『そんなことしなくていいよ、自分でやるからー!』





「楽しかった?」



私の言葉も無視して、脱がせてくれた靴をそのまま置く。




『ちょー楽しかった!!』




「足冷えてる。リビングに行こう」



私が立ちあがろうとした時、レイは私の脇の下に手を入れて軽々と持ち上げた




それがなんか面白くて笑ってしまう





『至れり尽くせりだあ』



レイの首に手を回して、だらーんと体を預けると私を抱える腕の力が強くなった気がした。





『お留守番ありがとう〜』




レイはキッチンを経由して冷蔵庫から水を取って私を抱えたままソファに座った。



渡された水をごくごく飲み干して、レイの足の上から降りようとしたら毛布でくるまれてそのままホールドされる。





「どうだった?」




『家帰ったらレイがいるのいいなあ〜って言われたよ』




「あとは?」




『あと何話したかな〜、ちょっといま酔い回ってるからなんか思い出せないかも。明日また思い出したら言う』








寒かった外から一気にあったかい部屋に入って、ましてや毛布に包まれてるもんだからすごい勢いで睡魔が襲ってくる





レイの肩におでこを寄せて力を抜くと体が寝る準備を始めた。




『お風呂入って寝る、お風呂入って寝る、お風呂入って寝る…』



そう自分に念じまくっていると

頭上からふふっと笑う声が聞こえる。



そしてまた、チュッと音をたてて頭にキスされた。






『ちょっと。どさくさに紛れてやめてよー』


ぐいっと体を起こすと





「わかったわかった。もうしないから」


と背中をぽんぽんされた。








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