EP6-11
あれからも私たちは平和な毎日を過ごしていた。
夜は仲良くゲームをして、昼間はそれぞれ仕事したりトレーニングをしたり。
私が休みの日は2人でカフェに行ったり、買い物に行ったりして穏やかな毎日を過ごした。
『レイ。私ちょっとこれから飲み会に行ってくる』
「誰と?」
『高校のお友達!!そんなに遅くはならないと思うけど。夕飯は温め直して食べてね』
「それって男の人?」
『まさか!私女子校だよ!女子会ってやつです』
「そっか…わかった」
少し考えるような顔をした後に、納得したように返事がきた。
『何着て行こうかな〜…寒いかなあ』
パタパタと階段を上がって、寝室のクローゼットの中をあれでもないこれでもないと服を吟味する。
『これ可愛いじゃん。女子会にピッタリ』
フレアのデニムパンツに、少し厚手の丈が短いワンショルダーのシャギーニット。
万歳してもお腹が出ないのを確認してカバンの中身を入れ替えた。
アウターも手に持って、リビングに降りると
足音を聞いたレイが振り返った。
レイが座る横に荷物とアウターを置くと腕を掴まれる。
『………?』
レイは私の袖をまくって、ブレスレットを見つけると何も言わずに袖を戻した。
もしかして付けてるかどうかのチェック…?
「冬はブレスレット見えないか…」
とぶつぶつ言い始めた。
「服関係なく見える指輪みたいなのが必要かもね」
と笑顔で言うけど、君のその動機はなんなんだ?と聞きたくなる。
指輪みたいなもの、じゃなくそれ絶対指輪でしかないでしょ。
レイは変わらず謎の行動をする。
そもそも冷静に考えたらブレスレットすらおかしいのに。
私は深く突っ込まないで聞こえないフリをした。
『あとはハンカチとティッシュと〜…』
洗面所の棚から口紅を取り出してどちらを持って行こうか悩んでいると
「こっちの方が可愛いよ」
と後ろからレイが指差した。
『え。ほんと?じゃあこっちに「だからそっちにして」』
『え?』
「側に僕がいないのに変な男に声かけられたら大変でしょ」
純粋にほんとにそう思ってる顔だ。
『いやいや、大袈裟だよ!大丈夫だから』
レイの手から口紅を取り返してバックにしまう。
不満そうな、なにか面白くなさそうな顔でこっちを見てる。
壁に寄りかかったレイに鏡越しに監視されてるような気分だ。
『なに?』
「僕も行く」
『だめ』
「なんで?ダメなんて言ったことないじゃん」
『それは私と2人だからでしょ!?』
「後藤もいたことある。」
『後藤"さん"ね!!』
呼び捨てに思わず笑いそうになったけど、そこは社会人としてしっかり注意する。
「女子会って嘘でしょ。優ちゃんでしょ」
まあ優ちゃんが入っても一応女子会なんだけど…
『なんで優ちゃんなの?優ちゃんと今日会うお友達は知り合いでもないよ』
「やっぱり一緒に行く」
『今日はお留守番!』
レイは私の揺るがない意思に、アメリカ人のような白目を向いて盛大なため息と共にリビングに戻っていった。
今日は久しぶりに友梨と会うんだから。
レイの話はできないけど恋バナするって決めてるんだから。
しかも友梨から突然誘われるなんて、絶対なにか相談事だと思うんだよね…。




