EP6-4
「《僕の手ならこの太さのチェーンでちょうど良いけどまりあには少しハードすぎるかなーと思って少し華奢なやつにしたんだけどやっぱり華奢なのにして正解だったね。》」
純粋そうにニコニコと2人お揃いのブレスレットを交互に眺めて彼は言う。
「《華奢なのにしたら存在感なくて微妙かなーと思って、まりあのやつは一部分のチェーンだけダイヤついてるやつにしたんだ〜》」
『だ、ダイヤ…!!???』
効果音がなりそうなくらいの勢いで手元を見ると、確かに一部のチェーンがダイヤで埋め尽くされてた。
『こ、こわい…!』
手を上にあげてレイに差し出すと、その手をぐいっと下げられて
「なにも怖くないよ」
とにっこり普通の調子で言われる。
『お、落としたらどうするの…』
「また買えば大丈夫」
『やっぱり怖いぃぃ…!!!』
「《家にいる時はいいけど、出かける時とかは絶対付けてね》」
"絶対"に見えざる恐怖を感じる。
私の応答に何か間違いがあったのか、そもそも彼の持っていた資質なのかはわからないけど
今日は開けてはいけない何かが開いた気がする。
パンドラの箱が。
彼は淡々と着脱の仕方を説明して
「お風呂入ってくる」
と言った。
小さいときの洸みたい…。
あの子も一時期私に対する独占欲が強い時があったのを思い出した。
あのときは可愛かったなあ〜と思ってハッとして
手首を見て再度現実を突きつけられた。
推しとのお揃いなんてほんとは飛び上がるほど嬉しいはずなのに、
紙袋に書かれた誰でも知るブランドであると言うことと
一部ダイヤモンドなことが素直に喜べない理由なんだと思う。
『あれ、待って…?』
あの子はこれを買ってた上でネックレスも買おうとしてたの…?
『やっぱりお金の教育が必要かも…』
そう思いながらまたブレスレットを見てため息をついた。
『でもすごい可愛いこれ…』
嬉しいけど複雑…
いや、これはもう前向きにやきもち妬いた彼氏からプレゼントされたという妄想に書き換えよう。




