EP5-10
「はーい、お疲れ様でした〜」
掛けられたクロスを外してもらってイスから立ち上がる僕を見て
「僕も身長高い方なんだけど、君もっと大きいね。身長いくつ?」
「187…です」
日本語の数字に自信がなくて、手のひらに数字を書きながら答える。
「へぇー!僕より5cm大きいのか!」
肩とか背中とか腕をペタペタ触ってくる
ひぃ…!と声が漏れそうになるのを堪えていると
「良い体してる。素敵な逆三角形。お腹も鍛えてるの?」
「えっと…はい…運動は…してます…」
返事すると食い気味に「見せて」とすごい気迫で言われた。
こわい…助けて…まりあ…
僕の助けを求める声も届くはずなく、言われるがままジャケットの中に着ていたニットをめくると
「きゃーーーー!!!」
と叫び声をあげられてビクッとしてしまった。
「すごーい!!こんな立派なの見たことない!触って良い?いいよね?失礼しまあっす」
捲し立てるように1人で話し切ったあと、ちょっと嫌な手つきで腹筋に触れてくる
時間にすれば大した時間じゃないけど、体感はすごく長く感じた。
「あの…」
「やだ、ごめんね興奮しちゃった。あまりにも素晴らしいから」
ちょっと怖くて心臓がバクバクしてる。
「支払いをします…」
「はあい、おっけー!」
えーっと、と言いながら電卓を打つ。
くるっと電卓を見せられて、その金額に少し疑問を持った
「……?これだけですか?まりあの分も入ってますか?」
「え!?まりあちゃんのも払うの?やぁだぁ〜」
と嬉しそうにする姿はちょっとだけ女性らしかった。
会計も終わって、最後の怒涛の追い込みでなんとなく疲労が溜まった体を待合室のソファーにドサッと沈めた。
「ふう〜…」
と大きくため息を付いたあと暫くスマホをいじっていると
『レイ、お待たせ!!』




