EP5-3
私がシャンプーに行くときに鏡のレイを覗き込んでも目を合わせてくれないし、なんなんだ?と心配したけど
龍樹君とは何か会話はしてるみたいだし…
子供扱いするなってことなのかなあ〜となんとなーく分かったような気持ちになって気にしないことにした。
「椅子倒すよ〜」
『はあ〜い』
席から離れた半個室のシャンプーブースに入るとあっちの声はもう全く聞こえない
「ちょっと、どうなの?」
と優ちゃんが顔にガーゼをかけながら少し声を抑え気味にいつもの感じで聞いてくる。
『ねえ、さっきまでちょっとカッコつけてたでしょ』
「だってそうじゃん〜、どんな男なのか見てみないと」
『その言い方やめてよ、彼氏じゃないんだから!』
「いいじゃんいいじゃん、恋バナしようよ」
私より女子な優ちゃん。
何を隠そう龍樹君と付き合ってる同性愛者カップルなのだ。
『さっきまで随分と男らしい話し方するな〜と思ってたんだよ』
「だってうちら幼馴染でしょ〜?変な男かもしれないし、いざという時は2人の間に入って圧かけないとっ!その時は男の方が迫力あるでしょ?」
『まあそうだけど…変な男って…みんなが望むスーパーアイドルだよ…』
「わかんないじゃない!あんたなんてほんとにポンコツなんだから、あっという間に押し倒されてアーレーなんてこともありえるし」
アーレーの声が異様に高くてなんかムカついた。
『そこまで間抜けじゃありません〜、日本の優しいお姉さん♡って感じかな〜』
「あっそ。ウチ好みの子来たら奪っちゃおうと思ったのに綺麗すぎてそんな気も起きないわ〜」
私の“お姉さん♡キャピ"に"あっそ"だけで返してくるのは流石としかいいようがない。
『そうなの……!!綺麗だよね…!!?毎日惚れ惚れしちゃうの!!』
少し声を顰めて興奮気味にいうと
「あの綺麗な顔で身長大きいし、体もヒョロヒョロじゃないからなんか悔しいわ〜」
ジャブジャブと大きい手で気持ちいいシャンプーをしてくれながら優ちゃんは続ける
「ファイナルファンタジーに出てきそうな顔してるのね。韓国人じゃないの?」
『お父さんがアメリカ人』
「そりゃ身長も顔立ちもああなるわね。」
『ほんとにね〜二物を与えられた子よ〜』
「さっきの話に戻るけど、日本の親切なお姉さんポジなの?」
『そうだよ、雛が巣立つまでの親鳥』
「雛ねぇ〜……あっちはあんたのこと親鳥とか思ってなさそうだけどねえ」
『え!?なんで!?頼りない!?』
「ん〜?いやぁ〜?」
なんとなく楽しんでるような、含みを持たせてもったいぶられる。
「無闇やたらにウチがゲイだってあの子にバラさないでよ、切り札として取っといて欲しいんだから」
『いつ切り札として出てくるつもりなの』
「いーの、あぁいう子はいじめて可愛がってなんぼなんだから」
私にはよくわからない、おねえの楽しみだ。




