EP4-4
「《ん?》」
『《私明後日ね、打ち合わせがあって家を空けるの。》』
レイは顔をこちらに向けたまま…考えるように視線だけを横にずらした。そして理解したように頷く。
『《その後に買い物するんだけど…どうする?》』
ハッとしたように少し口を薄く開いて
私から目を逸らさないで何か考え事をしているみたいだった。
だけどすぐに
「《僕も行く》」
と短く答えた。
じゃあ打ち合わせ終わったら連絡するから、私が家に着いたら出れるようにしておいてね
と言うとレイはコップに口をつけたまま、少し沈んだ様子で頷いた。
早かったかな。
でも行くか行かないかはレイが決めれば良いことだ。
彼が行くと言うのであれば連れていくし
まだ行かないと言うのであれば私だけで行くまで。
『《大丈夫?》』
「《うん…結構気持ち的にも難しいと思ってたはずなんだけど…。今言われてもなんとなく落ち着いて受け入れられてる気がする。》」
『《無理は?》』
「《してない、本当に。》」
『《わかった》』
「《なんなら今からでもいいくらい》」
『《えっ!?》』
い、いま!?
むしろ私が驚いて目を泳がせている。
いいや、そうだ!!
『善は急げだ!いま行こう!』
と言って立ち上がり、レイに手を差し出した。
レイはコップをテーブルに置いたあと、私の手を握り返し立ち上がった。
『よぉし!出発だあ〜!』
「ふっ」
と拳を高く上げた私を見て、レイは少し堪えるように小さく笑った。
薄い半袖だったレイは、上にオーバーサイズのパーカーを着て部屋から出てきた。
廊下の鏡の前でガシガシと前髪に手櫛を入れて、手に持っていたキャップを被ると準備完了したみたいだった。
かっこいいんだよなあ〜…
顔を抑えながら地面をのたうち回りたい気持ちを抑えて、私も玄関で靴を履いた。
彼もシューズクローゼットからハイブランドのローファーを取り出してサラッと履きこなす。
あまりの靴の可愛さに、ジーッと彼の靴に視線が釘付けになってしまう。
「どうしたの?」
話慣れないような日本語で問いかけられて、ハッとして視線を移し『なんでもない』とだけ答えて2人で家を出た。




