EP4-3
一緒にいればいるほど、この子は不思議だ。
ヒロのような弟っぽいところもあるのに
たまにお兄ちゃんみたいなお兄ちゃん力を見せてくる。
単に私に幼いところがあると言われてしまえば否定は出来ないのだけど。
自分の意思がないのともまた違う
私に合わせてくれてるようなそんな感じ。
あんなに高そうなコーヒーマシンを買ってくれたのはお兄ちゃん力というよりかは経済力だけど。
私が欲しいものを無意識のうちに観察して、それをしれっとプレゼントするというのを事もなげにやってみせた。
私の知る年下の男の子は
プレゼントともなるとどこか恩着せがましかったり、
自慢気だったりするものだと思っていたんだけど。
そして彼はたまに自律しているところも見せつけてくる。
自分がやるべき事をわかっているような。
『本当にありがとうね。』
「……?」
ん?と少し微笑むように視線で返される。
視線で返事するのがこの子の癖なのかな。
ちょっとドキンとしちゃうからやめてほしいな。心臓に悪いな。
『《コーヒーマシン。こんなに美味しいコーヒー入れられるし、エスプレッソも作れるし、スチーマーだってついてるし……きっと高価だっただろうから。お金使わせてしまって申し訳ないなーって》』
「《無駄じゃないならいいんじゃない?》」
歳下の男の子は、次のバターサンドの包みを長い指で開けながら言う。
『《無駄なわけないよ!!本当にありがとう。たくさん美味しいコーヒー飲もうね》』
そう言うと、少し恥ずかしそうに目を逸らして頷いた。
チチチチッと小鳥の鳴く声が響く。
キラキラと植物に反射する太陽の光が心地よかった。
テーブルに頬杖をつくと、日差しと風が気持ちよくてゆっくり瞼が落ちていくようだった。
木々の揺れるサラサラとした音。
遠くに聞こえる車の音。
塀で囲われたここは一種の楽園だ。
秋になれば庭の木と植物は一気に景色を変えるだろう。
その頃彼はまだここに居てくれるのか、
もう元気になって帰ってしまってるのか。
会話はなくとも無言で同じ時間を過ごすこの心地良い瞬間を手放したくない、なんて思ってしまう。
この気持ちは何なんだろう。
恋しさなのか、親心なのか。
『《気持ちいいね〜》』
「《そうだね》」
そろそろ切り出してもいいかな…?
『《ねえ、レイ。》』




