EP4-1
雲の隙間から
晴れた昼下がり
ピンポーン
と門のチャイムが鳴る。
『はーい』とインターホンで返事すると
“お届け物でーす"と配達員。
そのまま宅配ボックスに入れてくださいと伝えて、
外へ荷物を取りに行こうとしたら
ガシッと肩を掴まれる。
「《僕のだ。僕が取りに行く》」
と私を抜かして玄関までパタパタと小走りで向かい、玄関を出ていく音がした。
『あー、あの時の本か』
確かに家にいても暇だろうし、よっぽど楽しみだったのかな、と思ったくらいにして作業スペースに戻る。
リビングに入ってきたらしいレイの物音を壁の向こうに感じながら、そのまま仕事に没頭した。
どのくらい経ったか少ししてから
コンコンと壁をノックする音が聞こえて顔を上げると
壁の向こうから顔だけ覗かせたレイが立ってた
「《お姉さん、仕事中にごめん。ちょっといい?》」と
ちょいちょいと指先で手招きされる。
『《どうしたの?》』
と立ち上がると体をぐるっと後ろ向きにされて
後ろから目元を手で覆われた。
「《このまま来て》」
と背中にレイの温度を感じながら誘導され
どこかで立ち止まると
パッと視界が明るくなる。
立っていたのはキッチンで、目の前には大層立派なコーヒーマシンが置かれていた。
『………なに!?これどうしたの!!!???』
とつい日本語で大声で叫んでしまう。
振り返るとレイは笑ってて
「《僕からお姉さんにプレゼント》」
と軽く言った。
軽く言ってるけど、これ結構立派なマシン……。
『どうして?!!!』
日本語だったのに勢いが伝わったのか
「《本を買うついでだよ》」とまた軽く返される。
うわぁぉあぁああ〜
と声にならないような息のような声が漏れて
『最高だ〜!!!』
と飛び跳ねながらレイに抱きつくと
困った顔しながら笑って、はいはいと背中を撫でられた。
そこでハッとして気づく。
この光景オフショットでも見た…。
グループのリーダーがレイに欲しかったサングラス貰って大喜びの末に、彼に抱きついた時も彼は同じリアクションでリーダーの背中をぽんぽんしていた。
リーダーもこんな気持ちだったんだ…。
『《早速使ってみよう!一緒に飲もう!》』
マシンが愛おしくてなでくり回しながら色んな角度から眺めると、レイはダンボールからマシンに取り付けるコーヒーパックを取り出した。
それもすごい量と種類。
『《……お店でも開くつもり?》』
ちょっと引き気味に言うと、隣に並んだレイは私を見下ろして
「《いらない?》」
と言うので、
食い気味に即答で『《いる》』と返事させていただいた。
またそれにレイは笑って
「《どれがいい?》」
といろんな味の箱を取り出して見せた
ほわぁあぁああわぁ〜
とまた変な声を出した後『《迷っちゃうな〜!こっちかなあー…でもこっちも絶対おいしいよなあー!》』と独り言を続ける。




