EP3-9
テーブルにおかずを並べ終えたところでレイがご飯を持ってきた。
普通盛りのご飯と、とんでもなく山盛りのご飯。
食欲戻ったのかな、なんて思いながらテーブルにつくと
そのとんでもなく山盛りのご飯を私の前に置いた。
『………!?』
私はそのご飯とレイの顔を交互に見る。
澄ました顔で私と絶対目を合わせないつもりだ。
様子を見るに間違えたわけではなさそう
『ちょ、ちょっと…!』
「《いただきます》」
と手を合わせるレイの手を掴もうとすると、スイッと体を回して躱されてしまう。
下着の件でゲラゲラ笑ったのを根に持ってるみたいだった。
そんな幼い一面に、また笑そうになるのを堪えて
『あっそ、そういうことするんだ』
私も手を合わせて"いただきます"をしてからパクパクと口に運んだ。
加齢による代謝の低下で、
体重増加が気になってたからあまり食べなかっただけで
本当は食べようと思えばどこまでも食べられる。
次々に消えていくご飯と私をギョッとした顔で見てくるレイを無視して黙々と食べた。
『あ、そうだ〜この間頂いた明太子も食べちゃおーっと』
冷蔵庫から取り出した頂き物の明太子を白米の上にドンと乗せていざ食べようとしたら、
レイの大きい手がご飯をガードするように伸びてきた。
『なに?』
心配するような、なんともいえない顔をしている彼。
わざとムッとしてレイの手をシッシッと追い払い、
またご飯を山盛り一口
レイはそんな私を見て箸を置き
口元とお腹を抑えて笑い始めた
「《マリア姉さん、そんなに食べて大丈夫なの?》」
目尻に溜まった涙を長い指で拭うようにしながら、ここに来てから1番の笑顔を見せた。
『《君に関係ないでしょ》』とわざと言うと
レイはお茶を一口飲んで
「《君じゃない、レイ》」
自分の胸元を指差して、少し拗ねたように言う
『《わかったわかった、レイ》』
本当にわかってんのかなあーと疑うような顔してから
私のご飯茶碗を寄せると
「《さすがに多いと思うから半分にしよう》」
と言って自分の茶碗にご飯を盛った。
私は推しと、白米を半分こしてる。
わなわなと震えそうになる衝動を抑えて
その様子を見続けるしかできなかった。
たまに急にオタクスイッチ入る発作をどうにかしないとな、と思いつつそのあとはご飯を食べ終え
夜は更けていった。




