EP3-8
翌日、日が昇る頃に私は起床して
簡単な朝食の下準備をしたあと仕事をした。
同居人は増えたけど、
レイくんのためを思って行動していただけなのに
時間の有効活用が上手くなって
前より作業効率が上がってる気がする。
新しい作業場はリビングの端に設けたスペースで、壁だけで区切って部屋という部屋は作らなかった。
そのスペースはテレビを掛けてある壁の後ろだから
テレビが付いていればもちろん音は聞こえるし、窓からの日差しもリビングと同じように差し込むし、すこーし閉塞感がある心地いい場所。
壁には資料や漫画とかを入れるための棚を作ってもらったので小さな図書館のような場所だ。
作業の手を止めて洗濯を干していると、扉が開くような音が聞こえた。
『………?』
振り返ると
目を見開いて口を結んだレイ君が
顔を真っ赤にして立っていた
パタパタとリビングの中を走って、庭先の窓を開けると
私の手にあった彼の下着をパッと奪い取った。
えええ?今更?と思わず口にして
『《もう見飽きてるよ》』と言ってまた下着を奪い返して知らん顔で干す。
今日はまだ回したい洗濯があったから干してるけど、普段は乾燥までやっちゃうから干してるところは初めて見ただろうし驚いたのかな
『《レイが来てから洗濯は毎日私がしてたんだから、今更驚くことじゃないでしょ。ちゃんと私のとは分けて洗濯してるから汚くないよ、安心して!》』
と言うと
「《違う!そういうことじゃない!》」
と顔真っ赤のままムキになって言った。
その様子がなんか子供っぽくて面白くて声を出して笑ってしまう。
『わかった、ごめんごめん!』
ヒーヒーなりながら涙を拭いて
『《ご飯にしよー》』というと
彼は私が待つ洗濯かごを
さりげなく受け取って一緒にリビングに入った
これまで洗濯について一言も言ってきたことないのに今日になって突然気にするのは
彼が少し周りを気にしたり、周りに目を向ける余裕が出てきたと思っていいのだろうか
キッチンに入る私と、
カゴを持って脱衣所に入っていくレイ。
生活空間を把握してるのを見るだけで
本当に同棲しちゃってるんだなあと改めて気付かされた。
脱衣所から出てくると、腕まくりしながら当然のようにキッチンに入ってきて隣に立たれる。
「《何か手伝います》」
『《そう?じゃあご飯よそってくれる?あ、それから》』
私の指示を聞いて引き出しからしゃもじを取り出した彼は、私の言葉の続きに気付いて動きを止めた。
『《私に敬語使わないで。姉だと思って、名前にも敬称つけなくていいから》』
ちょっと戸惑うように目を泳がせてから少し考えて「《うん》」という返事がくる。
あんなに顔真っ赤にしてパンツ奪うとこ見ると本当に弟と姉みたいなもんだよなぁ、って思い出してまた少し笑ってしまう。
笑われてることに気付いた彼はちょっと不満そうな顔をして言われた通りにご飯の準備をするのだった。




