EP3-4
お茶を飲む時にコップを仰ぐ姿に少しドキドキした。
上を向くときに現れるフェイスラインの骨格を見ると
ああ、男なんだなーって。
ごくん、と動く喉仏も色っぽい。
見慣れた箸も彼が持つと小さく見える。
『…………!』
ダメだ!!
なんて破廉恥な目で見てしまってたんだ…!
こんなんじゃレイくんも落ち着いて食べれない!!
そう思って、スッと立ちあがろうとすると
テーブルについた私の手を掴まれる
「ご飯…食べない…ですか?」
不意の腕掴みと上目遣いにうるさいくらいドッキドキと心臓が鳴った。
『う、うん…!えーと…《もう先に済ませちゃった!》』
「あぁ…」
レイくんも自分で掴んでしまった私の手を見てハッとして離すと、頷いて食事を続けた。
最近、体調も良さそうだし
顔色もよくなったレイくんは破壊力が凄かった。
『(バカ…ドキドキしてどうするんだ…!ファンの時の気持ちは忘れろ!レイくんが元気になるのが一番でしょ!)」
ペシペシと自分の頬を叩いてキッチンに向かった。
箸を持った手の人差し指で、前髪をサッとよける仕草。
コップを煽る横顔。
少し伸びた襟足。
太陽に反射して、キラキラと光る白っぽいような金髪。
少し体が泳ぐような、兄の大きい長袖のシャツを
肘まで捲って、そこから伸びる長くて細い白い手。
そもそも細い体が更に痩せ細っていたと思うと怖いくらいだ。
我に返ってハッとすると、ちょうどレイくんが食器をお盆に乗せてキッチンに入ってくるところだった。
『《ありがとう〜》』
お盆を受け取ってお皿をシンクに置いていくと、横から大きい手が伸びてきて一緒に皿をシンクに置いた。
パッと顔を見ると
“これくらいはできます"とでも言うように唇を結んだ。
ふふっと笑って、レイくんが置いてくれた食器を次々と洗うとレイくんはそれを拭いた。
『《大丈夫だよ、座ってゆっくりして》』
私の言葉に首を横に振って彼も手を止めなかった。
彼なりの気遣いなんだろうな。
キュッと水を止めて手を拭きながらレイくんを見守っているとちょうどお兄ちゃんたちが入ってきた。
「お、起きたか。顔色良くなったな」
「ほんとだ、やっぱりイケメンだね」
「俺より身長大きいのに華奢なんだな」
とお兄ちゃんが言いながらレイくんをダイニングに手招きする。
レイくんは私の顔とお兄ちゃんの顔を交互に見ながら促されるままにダイニングに座って、助けを求めるように私を見ていた。
お兄ちゃんとヒロが並んで座って、
テーブルを挟んで私はレイくんの隣に座った。




