EP2-10
ご飯ができたよ〜と彼女に起こされ
昨日と同じダイニングに座った。
並べられた食事を食べようとパンに手を伸ばすと、パンには
「消えろ」と書いてあった。
驚いて彼女を見ると優しく微笑む彼女が持つパンにも焼き色で「FABLEからいなくなれ」と書いてあった。
あんなに安心を感じたはずの彼女を、短期間で信用してしまっていたらしい僕はまた地獄に落とされたようだった。
「帰る」
『帰る?どこに?誰があんたの帰りを待ってるの?』
さっきまでの笑顔とは打って変わって別人のような笑顔を見せる彼女。
「うるさい」
『あーあ、早くいなくなってくれたらいいのに。どっかに消えてよ、出来損ない』
「うるさい…うるさい!」
立ち上がろうとした僕の腕を掴んで『◯ぬの?』と言った。
頭を鈍器で殴られたような衝撃に恐怖で何も言えなくなった。
怖い。もうどこにも逃げられない。
終わりだ。全部何もかも
部屋を飛び出して、全て捨てる覚悟で屋上に向かった。
もういい。全部どうでもいい。
みんなにとって僕がどうでも良くなったように、
僕にとってもみんななんかどうでもいい。
全部いらない。
その後のことなんて知ったことじゃ無い。
もつれる足で屋上の端へ向かった。
「助けてくれるって言ったのに。逃げて良いって言ったのに」
飛び降りる間際に僕から出た言葉は
彼女に縋るような言葉だった
彼女に光を感じてたのに、まやかしだった。
全部全部まやかしだったんだ。
一歩踏み出して、身を投げた瞬間。
『《ご飯!冷めるよ!!》』
「……………!!??」
ハッとして飛び起きると、困ったように彼女は笑った。
『《はい、ゆっくり深呼吸〜》』
宥めるように優しく僕の背中をさすって
《大丈夫、大丈夫》と優しく呟いた。
『《怖い夢でも見た?》』
背中をさすりながら、子供をあやすように。
答えられない僕に彼女は
『《それなら一旦起きて、朝ごはん食べるのはどう?》』
と笑った。




