EP9-14
りなちゃんも少し気まずそうにスマホで時間を確認している。
するとその時。
「おつかれ!俺らもここいい?」
お酒を持って席を移動してきたのは小学生の時に足が早くてモテてた勇介君と、勇介君といつもセットの新一君だった。
「うん!飲も飲も〜!!」
助かったと言わんばかりの速さでスペースを開けるりなちゃん。
「さんきゅ。何の話してたの?」
「まりあの婚約者のキモオヤジの話。」
勇介君の質問に満面の笑みでナルが答えた。
「え?まりあの旦那キモオヤジなの?」
メンズ2人が勢いよく私を見る。
『いや全然違うんだけど…ナルがそう言って聞かなくて…』
「・・・・・?」
そうだよね意味わかんないよね。
私も意味わかんないよ、でも全然日本語通じないんだもん。
そういうやつに何話したって無駄じゃん。
「キモオヤジじゃないってまりあ言ってるけど?」
「そりゃ言うわけないやん!婚約したのも誰にも言わんと隠してんだから!」
「は?お前以外はみんな聞いてるけど」
鼻で笑いながら言う美優ちゃんは、良い感じに酔っ払ってるように見える。
「本当はどうなの?」
「指輪負けてるから認めたくなくて、ナルが勝手にキモオヤジって言ってるだけだよ。私まりあの旦那さんになる人見たことあるけど全然違うから。ていうか私らより年下だし。」
「私もさっき見たー!スタイル良かった〜!」
「やっぱりあんたの旦那に一回抱かれたいんだけどいい?」
『だからダメだってば』
どさくさに紛れてあり得ないお願いをしてくる美優ちゃんにみんなが笑う。
「は?じゃあワイにも見せてよ。ファクトチェックしてやんよ」
『いや、大丈夫かな。キモオヤジだから見なくて良いよ〜』
「まだ籍入れてないんだよね?」
『うん、まだだよ』
「じゃあ俺もまだチャンスあるってこと?」
「新一。死にたくないならやめときな」
「え!?どう言うこと!?」
友梨の言葉に新一君が爆笑しながら聞き返した。
「まりあの旦那、まりあのこと好きすぎて頭おかしいから下手したら殺される」
「やっばぁ!何それ強火すぎるだろ!その男本当に大丈夫?依存的な?」
『依存とも違うような…?』
そう言われるとレイは何に分類されるんだろう?
依存というにはまだ距離感を保ってるような気もするし…
執着に近いけどそういう恐怖はないし…
「束縛?」
『うーーーん。難しいな?』
「なんだその男。普通に心配なんだけど」
あんたに心配される筋合いないんだけど…
というのは心に留めておこう。
「全身タトゥーだしね」
『だからその情報は出さなくて良いんだって!』
「えー?なんで!友梨にとってはイチオシポイントなんだけど!」
イチオシポイントは私が出すポイントじゃないの?
「え…ヤクザ…?」
俺閃いちゃった…みたいな顔で勇介君が言う
『ほら!こうなるから!ヤクザ違う!』
「よーするに!まともじゃないのはわかったわ」
嬉しそうに話をまとめるナル。
『うん、そうそう。それでいいよ』
「やめとけよそんな変な男」
『変じゃないから!』
「んじゃ逆にまりあから見てどんな男なの?そいつ。」
そう聞かれると正直なところ惚気しか出てこないから難しい。
『かっこいい』
「「うんうん」」
まごうことなきかっこよさ。
そもそも最推しだし。
『可愛い』
「「うんうん」」
たまに可愛いんだよなぁ。
基本かっこいいんだけど。
『過保護で面倒見いい。』
「「うんうん」」
星兄より過保護。
そして私を甘やかすのがお上手。
『私が不安になることしない』
「「それ最高の男じゃね?」」
『だからそうだって言ってんじゃん!これ以上は惚気しか出てこないからやめよう。』
「どんまいだなぁ、新一。」
「ドンマーイ。この世にあれ以上の男、私が知る限りでもいないから」
友梨は勇介君と一緒になって新一君の肩を組んだ。
「え、ぶっちゃけ顔だけ見たら俺と旦那どっちかっこいい?」
え?
それこそ君勝ち目ないんだけど…
なんて言おうか迷ってると友梨がお酒を吹き出した。
「あんた…!それこそ勝ち目ないから!無理無理無理!!バカだねぇー!」
「笑うなよ!内面はあれだとしても顔くらいなら勝てるかもしれないだろ!」
その言葉にさらに友梨は大笑いしてテーブルを叩いている。
友梨の言う通りなんだけど、流石に新一君が可哀想に見えてくる。




