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2人のシェルター  作者: 倉るて
君が居ないこの世界じゃ
112/124

EP9-11




----…





打合せの後にあるところに寄り道してたら時間ギリギリになっちゃった…。




 街中の居酒屋の大きい座敷を貸し切って、80人ほど参加する同窓会の店内はすでに賑わっていた。


この様子だとみんなと言葉を交わすのは難しそうだ。

成人式以来のお友達もテーブルが離れていては手を振るので精一杯って感じ。




 靴を脱いで座敷に上がると、


「まりあー!」


名前を呼ばれて見回すと友梨と美優ちゃんとりなちゃんが壁側のテーブルで手招きしていた。



「あけおめー!」


『あけましておめでとうー!今年もよろしくね』


 ハンガーを持って、私の上着を受け取ってくれた美優ちゃん。


『わ、ありがとう〜。さすが気が効くなあ〜』


 と、その瞬間。


「…って…ちょっと!!」

と手を掴まれる。



「なにこれ!?」

彼女は左手の指輪と私の顔を交互に見る。



『あ、えーと結婚することになりまして…』

とニヤニヤしながら頭をポリポリかく。



「いや、一回結婚とかどうでもいい!なにこのダイヤ!」


『ど、どうでもいい…?』


すごい形相の美優ちゃんに友梨もりなちゃんも笑っていた。




「いやー、私も初めて見た時まりあの話よりも指輪のことだけ質問攻めしたもん。」

友梨は美優ちゃんの姿を自分に重ねて懐かしむように言う。



「ついにまりあもか…。どんな相手!?この指輪すごいよ!?あんた価値わかってる!?相手だれ?あのこの前のバッグくれた人?」


『バッグ…?ああ違う!』


バッグはお祝いで仕事の人にもらった前回のバッグの事だ。



「ごめんね、あのさ…変なジジィとかじゃないよね…?」


『違うよ!』


「待ってごめん、すごい心配なんだけど。変な相手じゃないよね…?」


「美優…大丈夫だ。私はこいつの結婚相手を知っている」


友梨が美優ちゃんの肩に手を置いて、落ち着けと言わんばかりに頷く。



「ならいいけど…このダイヤの価値わかってる?」


『えっ…』


「この真ん中のダイヤ、普通のじゃないよこれ。家建つよ。」


『「えええぇ!!??」』


「ほんっとにあんたってやつは…」

私と友梨の素っ頓狂な声に呆れる美優ちゃんの横から、りなちゃんもどれどれ?と手元を覗いてくる。



「そしてこの大きさ。あと脇役みたいになっちゃってるけど、このダイヤの両脇のこれ。同じ種類のダイヤだけどこのカットだとアホみたいに値段上がるから。」


『そそそそそそうなの!?』


「そしてもう一つのこの指輪。フルエタニティね。」


『ふふ、古谷…?』


「フルエタニティ!!ぐるっとダイヤ一周してるやつのこと!普通はハーフエタニティって言って半周しかしないの!内側はどうせ見えないし、その分安くなるから!大抵は半周なの!あんたのは一周!」


「なにそれ、なんか強そう」

りなちゃんがふふっと笑いながら私の手を取ってまじまじと見つめる。


「ババ抜きで言ったらジョーカーだよこんなの。」


『なんかヤバそうかも……』


「やばいよ!だから相手ヤバい奴なんじゃないかって心配してんの!」


『やばくないよ…かっこいいよ…』


「指輪のヤバさに気付いて語彙死んでるな」


「大丈夫だよ、美優。ほんとに。普通にかっこいいサイコパスだから」



「「サイコパス!!??」」

りなちゃんと美優ちゃんの声が揃う。




「んもう、それはそれは過保護でね。溺愛でね。いやもはや溺愛の域を超えててサイコパスなの」


「だ、大丈夫…なんだよね…?」


友梨の言葉にりなちゃんが不安そうに私を見る。




『大丈夫…とは?』


「えっとなんか…GPS埋め込まれたりとか…」


りなちゃんの言葉に友梨と美優ちゃんがテーブルをばしばしと叩いて大笑いする。



「りなやんのヤバい男像はそこまでするんだ?」


「え、だってさ…」


『埋め込まれてないはず…意識があるときは埋め込まれた記憶はないよ…』


「えええ?心配すぎる…」




お酒が届いて改めて乾杯すると美優ちゃんが身を乗り出して声を顰めた。



「どんな男?」


『えっと…歳下で、甲斐甲斐しくて…過保護で…優しくて…かっこよくて…かわいくて…えへへへへ』

レイを思い出して恥ずかしくてヘラヘラしてしまった。


「…殴っていい?」


「やめとき、美優。死ぬで。」


「歳下なのー?」


美優ちゃんと友梨を無視した呑気なりなちゃんの声に場が和む。



『うん、6歳下だよ』


「えー!すごーい!幼いなあ〜とか子供だな〜って思ったりしない?うちは旦那と10歳離れててだいぶ上だからさ〜」


『りなちゃんの旦那さんもダンディでイケメンだよね〜渋いし落ち着いてるし』


「ほんと〜?旦那喜ぶね〜そんなこと言われちゃったら」


「まりあの旦那は?」


『うーん、なんだろ…何も考えてない様に見えてちゃんと全部考えてたり…多分私を不安にさせない様に行動するのがすごく上手なんだよね』


「それ最高すぎない?」


「6歳下の子にそれできるやついるんだ?」


りなちゃんと美優ちゃんが「ね〜?」と顔を合わせる。



『ね、嬉しいよね。無意識にやってたんだとしても、意識してやってくれてるにしてもさ。』



うんうん、と4人でお酒がすすむ。





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