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2人のシェルター  作者: 倉るて
君が居ないこの世界じゃ
108/124

EP9-7




ー"収録始めまーす!"



と声が聞こえて、セットに入ろうとすると



「《待て、レイ。》」



シウ兄さんに強く腕を引かれ、

左手の薬指に見た事ない指輪を嵌められる。



「《うわ、なにこれダサッ…》」


「《ダサくていいんだよ、外さないで収録しろよ》」


「《なに?これ?嫌なんだけど…》」


「《釣り餌みたいなもんだ、とりあえずいいから今だけ頼むよ。後で説明するから》」




なんとなく言い返せない雰囲気のシウ兄さんに渋々頷いて、僕たちは収録に臨んだ。





----…





「………???」


 パフォーマンスを終えて、隣の席に戻ってきた女性アイドルは落ち着かない様子で周りをキョロキョロしている。



丈の短いスカートを下げながら何かを探しているようだった。




「《ヒョン、背中のクッション全部こっちにちょうだい》」



「《ください、だろ!まったく…》」



それでも兄さんたちは背もたれに挟んでたクッションを訳が分からないまま僕の方に流してくれる。




「《はい、どうぞ》」


兄さんたちから渡されてくるクッションを一つずつ隣の子に手渡すと


「《……えっ…!あっ……すみません、ありがとうございます…!》」


と驚いた顔をしたあと安心したようにクッションを受け取った。



「《みんなの分足りる?》」


「《はい、他の子は膝掛けがあるので足ります…!》」


「《そっか、よかった》」



女の子達はみんな足の上にクッションを置いて、何度もお礼を言う。



そんな事をしてたらジホ兄さんに

「《お前ワイプ抜かれてる》」


と言われたのでカメラに向かって適当に微笑んで手を振った。




「《珍しいじゃん、ちゃんとワイプ対応するなんて》」


「《奥さんが見るかもしれないから》」


ヒソヒソと答えるとジホ兄さんは爆笑したいのを堪えて顔を隠して俯いた。


「《ちゃんとやっても笑うし、やらなくても怒るし…何なんですか?》」


不貞腐れたような僕のその言葉で、また彼は一層笑いを堪えて下を向いた。




小さく震える兄さんの足の上のマイクが、転がって地面に落ちかける



「《うわっ…!》」

焦った兄さんがそれを取りこぼしたのを、僕はギリギリのところでキャッチした。




「《ナイス…!レイ…!》」



笑い転げてた兄さんを思い切り睨んだ後に手の甲で兄さんの肩をバシッと叩く。


大袈裟なくらい肩を抑えて、更に笑うジホ兄さんは、結局イアン兄さんに"うるさいよ"と怒られてしまうのだった。






----…




収録の終盤で兄さんは〈1/5に大きな発表をします〉と話し、スタジオが歓声で賑わったところでエンドロール撮影が始まった。



「《レイさんの姿を見れるのはこの番組が最後になってしまうのではないか、とファンのみんなは心配しておりますが本日はどうでしたか?》」



「《あー、最後…?かどうかは分からないですけど、カウントダウンライブで最高の時間を過ごさせてもらったので今後もお返しできるように頑張って行こうと思います。》」



「《今後ですか!?ということは音楽活動は続行されるということですか?!!》」



「《どうですかね。まだ言えないです。1/5を楽しみに待っていてください。》」



隣で人差し指を口元に当てるヒョンの真似をして同じく口元に指を当てると、カメラが近寄ってくる。

そのカメラに向かって更にウィンクをすると観覧のファン達が歓声を上げた。


シウ兄さんはそんな僕の様子が信じられないとでも言うようにポカンとしてこっちを見ていた。



「《もう一度ウィンクお願いします!!》」


と司会の男性が言うので、首を横に振って寄ってきたカメラを押し返す。


「《みなさん見れましたか!!?貴重な瞬間でしたよ!!》」



興奮する司会男性にヒョン達も笑う。



「《それではまた今年もたくさんたくさんお会いしましょう!!》」



その言葉に合わせて出演者全員でカメラに手を振って撮影は無事に終わった。






他の出演者達に声を掛けられそうな雰囲気を察すると


「《すぐ次に移動するよ〜!》」


とシア兄さんとマネージャーが僕たちの肩を引いて、すぐにスタジオを後にした。

別にこの後に何か仕事があるわけではないけど、そう言ってでも出ないと面倒なことになるからだ。

 



僕が付けられたダサい指輪はマネージャーのだったらしく、車に乗り込んですぐに【僕の指輪返してください】と言われた。




「《ヒョンこの指輪なんだったの?》」


「《あの女に真似して買わせるため》」



「「「「え!!??」」」」



「《あんなにみんながいる前で結婚すること話したのに2人でお揃いの指輪がないのはおかしいだろ。だからあいつはお前がそれを付けてるのを見て、同じ指輪を買って匂わせするだろうと踏んで、わざとそれ付けさせたの。》」



「《何の意味が?》」



「《何の意味もないけど?ただ恥かけばいいなーと思って》」



淡々というシウ兄さんにジホ兄さんはひーひー言いながら爆笑してる。



「《みんな気付いてないけど、うちのグループで1番怖いのはレイじゃなくてシウ兄さんとイェジュン兄さんなんだよな〜!!》」




あまりの意地悪っぷりに何も言えなくて僕も黙るしかできない。









「《今日はもう解散だからホテル帰ってゆっくり休んでくださいー!えーっと明日は、今日予定してた雑誌撮影が明日にずれ込んでまして…。それが午前に一件だけあるので6:30にホテルロビー集合でお願いします!》」




ホテルに到着するとロビーで部屋の鍵を渡されて、みんなそれぞれ疲れた体を休めるために部屋に帰って行った。







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