EP9-4
「優ちゃんはレイオッパと何話すの?」
「んー、今なら好きな体位聞いちゃう〜♡この前はまりあの指輪の話しとか〜新一ゴミ野郎の話とか〜成美の話とか!」
絶対やめてよ体位。
「成美がさ〜、まりあに変な男紹介するじゃない?」
「あー。なんかゴミみたいな男紹介してくるよね」
「それとまりあが成美と飲んだ日って絶対変な酔っ払いからするから、成美が紹介してきたゴミ男がまりあを持ち帰りしたらどうすんの!!ってレイオッパに言ってやった」
「そしたら?」
「ぶち殺すって言ってた!!んもうー!私ああいう男の子焚き付けて剥き出しの嫉妬見るのだぁ〜いすき!」
あーはっはっはと優ちゃんの笑い声が響く。
「えぇ?絶対それ盛ってるでしょ?そんなこと言わなさそうなんだけど」
いや…言う。
間違いなく、言う。
「あんった!!レイオッパの怖さ知らないのよ!」
「いやいやそんなこと普通言う?あんなCGみたいな顔して。まりあ。どうなの?優ちゃんさすがに嘘ついてるよね?」
『ううん…、多分あの子はほんとに言う』
「え、でも、それもキュンかも…。やばい、あの顔でぶち殺す発言でその噛み跡?無理無理…聞いてるだけで孕んじゃう…!孕んだらレイオッパに認知して欲しいな…。ねえ…!詳しく聞かせてよ!!私が見てるレイオッパとまりあの前の男のレイオッパの点と点を結ばせてよぉー!!」
「バカ女だあ〜!!なあに女の顔してんのよ!!認知するわけないでしょ〜!!あー愉快!!バカ女好きよ、わたし〜」
「は?私マジなんだけど。なんなの、このゴリラ。」
この2人と話してると、
私が知ってるレイと"アイドルのレイ"の乖離が酷すぎることに気付かされる。
乖離の温度差で風邪ひきそう。
「よかったわねえ〜まりあ。幸せになってよね」
「ほんとよ。相手の男次第って言いたいけど、レイオッパなら絶対大丈夫。だってこんなに愛されてんだもん…噛まれるくらいに。そのうち食いちぎられるんじゃない?」
「あーはっはっはっ!!!ありえるわぁ〜!」
なんだかんだいいつつ、この2人も私のこと大事にしてくれるんだよなあ
「友梨はあ〜身体が180以上で〜、一人称僕で〜、一見インキャっぽいんだけど博識で〜友梨が聞いたことになんでも答えてくれる人がいいなあ〜」
「なにそれ。特徴なさすぎ。見た目は?」
「黒髪で〜トイプーみたいな感じとか好き。」
「警察に協力してミステリー解くの好きそうなタイプね」
「なにそれ?なんのこと?知らない」
「知らないとかいうなかれ」
「あ、あとひょろひょろしてる人すき。それなのに筋肉あるから私を軽々とお姫様抱っこできちゃうみたいなぁ〜?そんでタレ目。私も噛まれるくらい愛されたいなあ〜。噛むって相当だよね?噛んで欲しい〜…」
ゲラゲラ笑う友梨はいつのまにか泥酔状態だ。
「まあじ同窓会たのしみ」
「この女脈絡もなく脳死で話し始めたわよ」
『ふふっ、酔うの早かったね。楽しかったのかな』
「成美まじちょーうざいし。でも絡まれてるまりなちょーウケるし」
優ちゃんはもう相槌も打たずに友梨を無視してYouTubeを見はじめる始末。
変わらず1人でだらだらと喋ってる限界の友梨のためにソファの背もたれを倒してベッド型にして布団の準備をした。
『友梨…お布団準備できたよ』
ダイニングに突っ伏して寝息を立てる友梨の肩を叩いた。
「まぁじぃ?ありがとう〜…ありがとうねえ〜」
ヨタヨタしながら友梨は移動して、どさっとソファに横になって一瞬で寝息を立てた。
すると
「ねえ〜お腹減ったあ〜」
足をバタバタしながら甘えるように優ちゃんが言う。
『ええ?こんなに食べたじゃん』
「なんかちゅくって♡」
『何かあるかなあ〜…。なんでもいい〜?」
「飲んだ後に染みるやつがいいなぁ♡」
冷凍庫に冷凍うどんがあったので
豚バラ肉とわかめとネギで簡単に肉うどんを使った。
「きゃー!最高〜!!いただきまあす!…あれ、まりあの分は?」
『私いらなぁーい』
「えー!美味しいのに食べなきゃ損だよ?」
使ったの私だし、と思って笑っちゃう。
『もう一玉残ってるから足りない時言って』
「足りない」
え?
『うん、足りないとき作るから』
「うん、だから足りないって。すでに。こんな美味いのにこんな量じゃ足りない」
『ええええ?』
優ちゃんにうどんを作り足したあと私たちは寝て、
翌日の昼前に起きて初詣行って、
でもそこでもたくさん食べて、
それぞれ帰宅して家を片付けた後にまたゆっくり寝て。
文字通りの食っちゃ寝の年明けを過ごしたけど幸せだった。本当に。
私ってこんなに幸せにしてくれる人が身近にもいたんだなって実感出来て、とても幸せだった。
レイも幸せな年越しを過ごせてたらいいな。
帰ってきたら沢山甘やかしてあげなきゃ。
最後のステージに立つレイを思い出して、頬杖をつきながらふふふと笑ってしまう。
ペンを持って窓の外を見ると深深と雪が降っていた。
『早く…会いたいな…。』
ヘッドホンからはレイの歌声が流れていた。
『…………そうだ!!??』
私はあることを思い出して、レイの部屋からあるものを取り出し、出かける準備をしてそれを持って家を飛び出した。
自分のことですっかり忘れてた…!
たまに暇な時に調べておいてよかった。
ショップに電話を掛けてちょうど今日のちょうどいい時間に予約が取れたので急いで車のエンジンを掛けて車を走らせた。




