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2人のシェルター  作者: 倉るて
君が居ないこの世界じゃ
102/121

EP9-1


君が居ないこの世界じゃ






30日。レイの出発当日。




明け方2人でお風呂に入った。



美容室から帰った後、夜通し私を食べ散らかしたレイはどこかツヤツヤしてる。





「向かい合わせに入ろう」



レイに体の向きを変えられて浴槽で向かい合わせになると、彼は私の手を握った。






『寝なくて大丈夫だったの?』




「うん、寝るよりも効率いいエナジーチャージだから」






眠たさと余韻もあって、お互い口数少なく浸かってたのに





「まりあのおっぱい水に浮いてる」



と言って、両胸を包み込むように持ち上げられてパシンっとその手を叩き落とした。





『そういえば明後日収録の番組にあの女優さん居るんでしょ?』




「あー、そうだった…」




『大丈夫?辛くならない?』




「僕が?なんで?」




『だって…あの人とのゴシップだったから、あの人見るだけで辛くなっちゃったりしないかなあーって…』




「全く。どうでもいいから。そうだ、それ説明してなかった。あ、いや。…説明する前にやっぱりもうちょっとこっち来て」




せっかく向かい合わせで座ったのに腰を引かれてレイの足の上に横抱きにされる。




「んー、いい匂い」



と話の趣旨を忘れたように私の耳の裏に顔を寄せて、


舌を這わせてくるレイを制止して



『続き話して…!』


と促した。



「……僕が大きい音楽番組出た時にあの女が司会をやってたんだけど、その時からずっと言い寄られてたんだ。でも僕は見てたらわかる通りダンスチャレンジ動画もショートの動画も女性のアイドルと撮らないし撮るつもりもない。だからその女も僕からしたらほんとにどうでもいい存在だから無視してたんだけど…」




『確かに…レイ…女の子のアイドルと撮ってるの見たことないかも…』



「でしょ?」



だから言っただろと言わんばかりにグリグリ頭を押し付けてくる。




『どうして撮らないの?誘われないの?』




「嫌だから全部断ってた」




『え、どうやって断ったの!うぜえ、とか言ってないよね?!』



「言うわけないでしょ。ちゃんと《あー、嬉しいんですけど…僕物覚え悪いので協力できないです》って。」



薄っぺらい笑顔で断りの演技を見せた。





『それなのに?ゴシップ出ちゃったの?』




「僕はほんとに揚げ足取られないように気をつけてたよ、でも勝手にストーカーされて同じ場所で写真撮られたり、 趣味を被せてきたりしたから噂だけ広がっちゃって。それであの女が勝手に交際宣言をしたって感じ…。まあでももうそのストーカー投稿もできないようにしてるけど」




相手の女優さんも相当ガッツがあるというか、やばそうな匂いがする。



自分よりも年下のアイドルを追いかけ回して外堀から埋めて、堂々と彼女面できるメンタルはすごい。




『悔しいね…あの人居なかったらレイはまだ…』



言い掛ける私の言葉をキスで塞がれた。




「悪いことばかりじゃないよ。あれが無かったら僕はここに居ないから」



『うん…』





レイの首に腕を回して、レイの肩にキスをすると




「はあ〜…まりあは可愛いね」



鎖骨に唇を落として、私の体にレイの手が這い上がってくる。




太もも裏に当たる硬い感覚に


意を決して






『レイ、ここに座って』




「なんで?ここじゃ嫌?」




『違う、私がするの…!』




「え?」





訳がわかってない顔のまま浴槽のフチに座ったレイの前に座って




繰り返し勉強した例の優ちゃんの伝家の宝刀を実践する日がきた。




ちなみにクリスマスの日は不発に終わった。



不発というか私のターンが一生来なかった。

反撃の余地がなかったから。




『初めてするから…下手でも笑わないでね……』




「えっ…!?まりあ!?……ッちょっ…ッ」




少し慌てて眉間に皺を寄せた彼を、私は無視した。













結果から言うと、恐ろしいほど大成功した。




刺青だらけの手が強い力で私を引き離すから、少し口惜しげに離れると


私の首から胸に掛けて吐き出された温かいそれを私は指で掬った。





彼は首筋に無数の血管を浮き上がらせて、下唇を噛んで怒りのような耐えてるような目が私を見ている。





『ひぃっ……ッ!』




殺られる!!!



と思った。





だがしかし彼には後の時間がない。



むしろそれが良かった。時間があったら私の命がなかった。





見た事ないくらいレイが顔を赤くして、苦しそうな顔をしてた。




優ちゃん、ありがとう。


いい資料でした。





初めてレイから「もう触らないで!」と言われちゃった。


いや、言わせちゃった。




虐めるってあんな感じなんだ。楽しい。


私ももっとレイの余裕がない姿沢山見たいな…

 


無数の血管と筋が浮き上がったあの首筋は私の性癖に真っ直ぐ刺さってる。



 

変態みたいなことを考えて、ニヤニヤしている私を彼はため息をついて引いたような顔で見てた。










空港まで向かう車の中でもレイは終始文句たらたら。





「出発時間迫ってるときになってあれをするのはひどい」



だとか



「夜のうちにしてくれたら僕が夜通しまりあを虐められたのに」



だとかしまいには

瞳孔開き切った目で



「誰に教わって、誰にやってあげたの?」



と問いただされて大変だった。



私は一生懸命説明して、スマホも見せたら




「こんな馬鹿なもの2度と見ないで。ムカつくから」



しまいには拗ねてしまった。






夜明け前の道路は、車も疎らで2人でドライブがてら向かうには最高の時間になった。




『行ってらっしゃい、頑張ってね!こっちで配信買ってみるからね』




「行ってきます。カメラ越しにファンサするから見てて」








まだ人が少ない空港に入っていくレイを見届けて私もその場を後にした。




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